<花火資料>
以前、東北の海沿いで開催された花火大会の中継を観たとき、
夜空に打ち上がった花火と仏像の光背のイメージとが重なり、
祭りや花火という行事が、亡くなった方々の
「鎮魂」のためにあることを再認識しました。
もともと花火といいますのは、8月の送り盆の時期に、
死者の鎮魂のために打ち上げられたものだといわれており、
先日行われた、東京・隅田川の花火大会も、
1732年の大飢饉やコレラで亡くなった死者の霊を慰めるため、
「施餓鬼」を催し、大川端で花火を打ち上げたのが始まりだとか。
4年前に大きな津波被害が出た東北の被災地では、
「何とかお祭りだけは続けたい」という地元の人たちの努力で、
今年の夏も多くのお祭りやご神事が、
復活したり執り行われてたりしています。
東北の人たちが行う「真摯な」祭りの様子を観ておりますと、
改めて「祭りに対する意識」を入れ替えなければと思うもの。
今という時期ほど、祭りや花火の意義が問われ、
「本当のお祭り」が大切な時節もないのかもしれません。
【施餓鬼(せがき)とは】
生前の悪行により、餓鬼道に落とされた霊魂や無縁仏(餓鬼)に、
食べ物や飲み物などの供物を施す仏教の法要行事