治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

揺り戻し

2011-07-18 07:37:45 | 日記
さて、「活かそう! 発達障害脳」の配本以降、のんびりしながらも
数ヶ月なかなかできなかったインプットの機会だと思って、色々本は読みましたよ。

発達障害に関係あるものもないものも。

関係あるのは

神田橋先生からいただいたこの本



それと現代のエスプリ



それと杉山先生の新刊「発達障害のいま」とかかな。

あ、Of Mice and Menもまあ、障害関係か。

なんとなく思うのは
発達障害にまつわる論調も「揺り戻し」が起きるんじゃないかなっていうこと。

もちろん元に戻るわけじゃなく
螺旋を描いてどんどん進化していくわけですが。

冷蔵庫マザー等の誤ったラベリングに対抗するため
「生得的な」という面が強調されてきましたが、そしてそれは一定の効果を上げましたが
おそらくこれからは、より環境因がクローズアップされてくるんじゃないでしょうか。
そういう意味での揺り戻し。

それが、現代のエスプリで「発達障害とパーソナリティ障害」の特集につながったり
杉山先生の「予防」という提案につながったり
長沼先生の「いいところを活かす」につながっている気がします。

杉山先生の新刊は、とてもフェアな本でした。
実像を伝える本でした。
大本営発表じゃありませんでした。
読んでうれしかったです。
フェアじゃないと共存なんて無理だからです。

前の本よりはアドバンスコースっていう感じです。
宣伝じゃなく(ていうか私は商売人だから宣伝しても別にいいわけですが、宣伝を度外視しても)
長沼先生との併読がお勧めです。
「これから」がわかります。

神田橋先生の本については
読んで、神田橋先生とlady gaga がかぶりました。
この本は神田橋先生のborn this wayです。

でももちろん白鵬の自伝より魁皇の自伝が面白いのと同じ理屈で
born this way の歌詞より神田橋先生の本のほうが学ぶものが多いです。
自分の特性を見つめ、そこに安住するのではなく磨きに磨いたという意味で。
後輩のお医者様に向けて書かれた本なのでしょうが
誰にでも勉強になる本です。

さて、早起きした甲斐がありましたね。
おめでとう、なでしこJAPAN。

でもこういうときよく出てくる「感動をありがとう」とかそういうの、私実はあんまり好きじゃないです。

今の日本は、誰かから元気をもらわなきゃいけないような状況ではありますが

でもできれば元気は自分で生み出したいですね。