先日、とあるお勉強会で経験したこと。
講師はお医者様(精神科医)。
質疑応答の時間に保護者の方が立たれて、こんな趣旨の発言をされました。
「障害を治す治すって、そっちの方向ばかり議論して(ていうほどでもなかったんですけど:浅見注)
社会が変わるっていう方法はないんでしょうか。
健常者だって生きづらい社会でしょう。
3万人も自殺をするんですから」
聞いていた私は
「出たっ! 3万人も自殺をする時代! いよっ!」と
はやし立てたい気持ちになりました。
不謹慎ですみません。でもあんまり方々でよく聞く言葉なんで、はやし立てたい気持ちになっちゃうんですよね。
たしかにいろんな意味できつい時代ではありますよ。
でもさあ、自殺するほどのことはないんじゃないの。
なんだかんだゆるい社会だし、日本社会。
先進国だし。
他の先進国に比べてだって便利な国だし。
欧米の競争社会の厳しさ・生活の不便さを知らないんだろうな。
発展途上国に生まれたやるせなさを知らないんだろうな。
日本人に生まれたことの有利さを知らないんだろうな。
もうスタート地点が違うんですよ、皆さん。
ただその有利さを知らない人多いけどさ。
視野の狭さと、反日教育の賜物で。
もちろん景気とかはよくなってほしいけど
いろんなマイノリティに対する支援は進んでほしいけど。
でもこのゆるい社会でたとえ破産しようと子どもに障害があろうと失業しようと
自殺することはないんじゃないの。
まあ世の中が変わったほうがいいとは思うけどさ
このままでいいとは決して思わないけどさ
でも社会を変えるのと同時に
私は「自殺をしない人間に育てる」方向に
教育が変わっていったほうがいいと思います。
っていう話をしてたら小暮画伯がこんなことを言ってましたよ。
=====以下小暮語録・ダジャレ注意=====
なんか会合に出たって、これの話ですか。
そりゃ”不毛”の話合いだから、”ふー、もう”いいやって感じですね~・・なんて、ウフッ♪
ひとつには自殺するのは、脳がヒマだからかもしれないですね。
逆に発展途上国の子供は自殺しない(データがないだけかもしれないけど)。
拙著
「インドのアチャールくん」を描くので、
昔コルカタのストリートチャイルドに張り付いたことがあるんだけど、
けっこう彼ら食うのに忙しいんですね。
生きるのに必死だから、自殺しようなんて思わないみたい。
小人閑居して不善を成す、というのは良く言ったと思います。
=====ダジャレ注意報解除=====
だよね~。
食べるのに必死な人は自殺なんか考える余裕ないよ。
で、私は鳥で話を返しましたよ。
=====以下浅見語録・暴言注意=====
そうそう。プーケットには私が勝手に「ちっち鳥」と命名し観察する鳥がいっぱいいる。朝ちっちちっち鳴いて起こしてくれるのよ。鳥インフルエンザにもめげずに大量に繁殖してよく朝礼やったり人間様のプールで水浴びしたり水飲んだりしてる。ときどきケンカもしてるけどたいていそれは餌の取り合いで、とにかく一日中食べること考えてるみたいなんだな。野生だからね。で、いろんな性質のヤツがいて人間が食べ終わるのを待っておこぼれをちょうだいする消極派もいれば人間の食べている横で席を立つのを待ち構えているがめついヤツもいる。
まあそいつらを観察してわかるのは、普通の生き物っていうのは、一生を食べ物確保と繁殖で終えるのだなということ。人間は進化した脳で余禄を生み出したけど、その余分な時間がまた病みを生み出すのだなということ。
それでも進化が素晴らしいとしたら、ちょっとは先人に感謝する教育もしたほうがいいんじゃないかと。命はどっちみち借り物だ。時期が来れば天に返す。その時期を自分で早めるなんていうのはおこがましいことだね。
鳥といえば。
ベルリンの壁が崩壊した直後に、東ベルリンと西ベルリンを一日の間に何回も行き来して、東ベルリンのすずめがやせこけていることに気づいたよ。西側のすずめは丸々してるのに。うちら日本人は西ベルリンのすずめよりいい思いをしているわけです。
=====暴言注意報解除?=====
というわけでですね、学校の先生方には、ひどい日本社会を嘆く前に、ぜひ日本のよさを教えていただきたいですね。
小さい頃からちっちゃい世界に生きていると、日本のよさにも逆に気づいてないかもしれないですけどね。
小暮画伯のように旅をするのもいいでしょう。
特攻隊の人々が命を賭して守ろうとした国に私たちは住んでいる。
その恩恵を自ら捨てるようなまねはやめろ。
散華した方々のような勇気がなくてもいい。
自分の器にあった社会貢献をしなさい。この国のためでも、もっと広い世界のためでもいい。
そういう教育をきちんとしていただきたいですね。
命は自分だけのもんじゃないでしょ。
たくさんの人の恩恵でつないできたわけでしょ。
その中には当然、すでにこの世を去った人たちも含まれていて。
だったら自分で寿命を決めるのは、おこがましいことです。
写真は小暮画伯がインドのストリートチャイルドを描いたマンガ「アチャール君」。
こういうのを読むのも、見聞を広げることになりますね。