治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

使える人材

2011-07-12 08:40:50 | 日記
さて、スタインベックの面白いところは
障害のある人を「それなりに使える人材」として描いているところだ。

労働者として。

感覚の問題と俺ルールの問題を解決していないから、職場は長続きしないんだが
仕事そのものはできる。
「二十日鼠と人間」の主人公レニーは怪力だし。

でもまあこの怪力が悲劇を呼ぶんだが。

特例子会社の社長さんたちの話とか聴いていても思うけど
社会人になって会う人たちは
小さいころなかなか寝ないとかパニックをたびたび起こすとか
そういう苦労に立ち会っていない分
案外障害のある人を「やりようによっては戦力になる」って認める度合いがむしろ親御さんたちより高いような気がする。

ていうかこの私がそうだった。

ついっ友で編集者仲間の方が書いてくださったこのブログを読んで思い出しましたよ。

「この子は普通の就職なんて無理だろう」と決めている保護者の方は
保護者としてのバイアスがかかってるかもしれない。

手帳が出ないくらいの軽度の知的障害で、普通に社会人やっている人なんて
いくらでもいるでしょ。地道に働いて。

特性に対する配慮は必要だけど

そういう子に全部障害者としての将来を思い描くのは、安定志向が呼ぶ縮小再生産じゃないのかな?

我々の世代は、親より学歴が高い人なんていくらでもいたよ。

これだけ大学に入りやすくなっても、今はその逆のほうが多いような気がします。

「苦労させたくない」が縮小再生産を生んでるんじゃないのかな?

なんて思うこともあるのでした。

そういえばちゅん平にささやかな贈り物をしたら、昨日佐賀牛のサーロインステーキが送られてきました。
超高級品です。別に私は高級な和牛を食べまくっているわけじゃないが
おそらく佐賀牛は日本一の名に値すると思う。

ひえ~こんな高いものを。
一般就労した人は違う! と思いましたよ。
地デジ化も自力でやったらしいし。

大地君は給料もらうようになったら私にエビスビールをご馳走してくれるらしいし。

金は天下の回りもの。
回す人の一人になるということが社会に出るということ。
働いて得たお金を使えばそれが経済を回す。

その楽しみを早いうちからあきらめるのはどうかね。