治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

ミッション

2010-10-29 09:16:38 | 日記
大大大博士祭りの渦中、大地君がこういうメールをくれたなあ。

「浅見さんには自閉症は治せません。
でも自閉症の人でも頑張ることができると、みんなに教えてくれる人です」

大地君は、自分の本を大きく曲解したレビューを見つけても我慢していた。

その我慢に限界がきて、誰かさんへの手紙を書いたのは、あの大大大博士祭りを見たからなんだよね。

「大人同士でコソコソ悪口」が醜いと思ったからなんだよね。

自閉症の人のためになると思って本を出している人が
自閉症者の敵のように言われることに耐えられなかったからなんだよね。

男だからママには言わなかった。私にも言わなかった。

長期出張中のパパに電話して、泣いて訴えていたらしい。「浅見さんをいじめるやつらがいる」

大地君はこうも言っていた。

「浅見さんはこれを最後と言わず、これからも本を出してください」

うん。本は出すかもしれないけど、方向転換するよ。

どう方向転換するか。

昨日読者からこういうメールをいただきました。

許可はいただいていません。見ていらしたら、事後報告になって申し訳ありません。

ご注文いただいた本は今日発送させていただきます。そこにお手紙をつけます。

このメールで、私は逆に教えてもらいました。

自分のミッションを。

=====

大地くんたちは「社会的弱者」として施しを受けるだけの存在なのではなく、
この世に役割を持って生まれてきた存在なのだということを伝えられるような、
そうした使命を貴社が今後も担い続けられることを心より祈念し、
エールを送らせていただきます。

=====

こういうメールをもらったよ、って言ったら学校から帰ってきた大地君は言った。

☆☆☆☆☆

「ただいま!! 社会的弱者って何? 僕は結構強いよ。だから弱い人には優しくします。」

☆☆☆☆☆

明日また札幌です。感覚統合学会。
本も売っていただいています。大地君の新刊も。
お集まりになる先生方、ぜひ大地君の新刊を読んでみてください。
身体づくりに取り組んだ成果を、子どもが自分の言葉で語ってくれている貴重な本ですから。

寒そう。

でもまた、おいしいものを食べるぞ!

行ってきます。
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教師の専門性

2010-10-28 09:44:04 | 日記
特別支援教育が(制度のうえでは)かなり行き渡ってきた。

もっとも、まだ支援級とかのリソースが乏しいところもあるようだけど。

桃ちゃんママ(「大丈夫、すくすくのびたよ自閉っ子」著者 竹島尚子さん)から話を聞いていると
本当に小さいうちから修行をしていてよかったなと思う。
地域リソースに限りがあって、普通級にいるらしい。

普通級しか与えられない環境で
なんとか乗り切っているのは
小さいときから修行をしてきたからだ。

でもまあ、制度としての支援級は行き渡ってきたみたいだ。

それでも、「教師に専門性がない」という話はよく聞く。

私もこの数年、方々に呼んでいただいて、たくさんの先生と知己を得た。

専門性のある先生とない先生がいた。

教師の専門性ってなんだろう?

どうやって専門性が継承されるのだろう?

ずっと考えていた。

特殊教育(特別支援教育)とかの免許を持っていること?

大学の研究室にいた経験?

留学経験?

こういうものがあると、一瞬親御さんは安心したりする。

そしてその後、がっかりしたりする。

私は当然、栗林先生にもきいた。

「教師の専門性ってなんですか? それはどう継承されるのですか?」

答えてくださった。

ただ答えになったのはそのときの答えだけではない、もちろん。

お酒を飲んだ。雑談を交わした。
そしてたくさんのヒントが得られた。
これまで出会った専門性のある先生達の姿がよみがえってきた。

だから、教えてくださったのは栗林先生だけじゃないと思います。

今までに出会った専門性のある先生方。
専門性のない先生方。
文句を言っていた親御さんたち。
その方たち全員が教えてくださったのだと思います。

そして今、私には確信ができました。

教師の専門性というのはどういうものか。

それはどう継承されていくのか。

つまんない揚げ足取りされるといやなのでここには書きません。

ひとつだけヒント。

自腹を切れる人だな。

盛岡冷麺キティちゃんです。夫の学会出張土産。
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特別支援教育の目的とは?

2010-10-27 08:15:30 | 日記
特別支援教育が始まる前の年
ニキさんに講演のオファーがどっときた。

「特別支援教育に何を求めますか?」

私たちはよく言っていたものだ。
この質問をやめるところから始めたほうがいい。

なぜならニキさんの答えは「受けたことないからわかんない」。
自閉っ子としては、まっとうな答えである。
つまり、自閉文化の理解から始めたほうがいいと思った。

あれから5年。

私はいわば砂かぶりで支援のあり方の変遷を見てきた。
で、今疑問がいっぱいである。

もしかして特別支援教育は事態を後退させる面もあるのではないかと。

成人当事者の人たちと会う。
学校や職場で傷つき体験を持っている。
親とも折り合っていない。
そういうパターンも多い。

能力を生かした仕事をしている人もいれば
心身の持久力が続かず、低賃金労働についている人もいる。
ニキさんのように、会社員でない仕事についている人もいる。

そして、一応社会人になっている人に会うと気づく。
高賃金であれ低賃金であれ

子ども時代、不登校をした人はいないことに。

杉山先生が「発達障害の子どもたち」に書いていらしたように
習慣の変えにくいASDの人たちだからこそ
習慣づけの登校というのは大事なのではないか。

つらいから、不登校を許す環境は
その子の将来のための特別支援だとはいえないのではないか。

特別支援教育の目的とは何なのか?

二次障害のないニートを育てることか?

労働者を育てることか?

栗林先生にきいた。

どっちでもなかった。

長年抱いていた疑問に、すとんと腑に落ちる答えが得られた。

専門性のある教師というのは、すごいなと思った。

教師の方もこのブログ、ごらんになっていることと思います。

先生方にとって、特別支援教育の目的とはなんなんでしょうか?

また、親御さんたちにとってはどうなんでしょう?

たんなる避難場、ととらえる人がいても、もちろん仕方ない面もあると思います。避難場としてさえ機能していない場所もたくさんあるでしょう。

でも私の読者には、避難場と考える人は少ないのではないか。

私はそう考えています。

読者からいただいた大阪キティちゃんです。大阪キティはいつも思うのですが、ほんとにキャラ立ってますね。
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画期的な話続々

2010-10-26 07:22:07 | 日記
さて、昨日は「横浜障害児を守る連絡協議会」の事務所に伺いました。

色々なお話が聴けましたよ。

1 障害者就労・流通大手の例
社内には探せばいくらでもできる仕事がある。
ジョブコーチが優秀。

2 就労している発達障害の成人の例
やはり大事なのは小さい頃からの修行

3 大学支援について。

4 中学支援級→進学校の高校 へのパターン。

5 家庭丸ごと支援。


などと話は尽きないのですが、とにかく画期的なのは、来年から横浜で全国に先駆けて実施される後見制度だと思いました。
これは、すごいです。
パンフレットもらってきました。
まずは四区から始まるようですが、そのうち他の区にも広がるのでしょう。

というか全国に「横浜モデル」として広がる可能性があるかもしれません。
そのために新たな人材も雇用。
私も一生懸命働いて、市民税を納めましょう。

さて、「僕たちは発達しているよ」についての瀧澤久美子先生の感想。

「前の本と合わせて読むと大地君の成長がよくわかり、嬉しくなります。まわりの支えも素敵ですが、何よりも大地君の頑張りにエールを送りたいです。」

私からは先日栗林先生から伺った「頑張れる子はどうして頑張れる子に育つのか」をお話しました。
その場に居合わせた皆さんに
「なるほど~」と言っていただきました。

写真は読者の方が会の事務所に「浅見さんが立ち寄ったら渡してください」と託してくださった秋田竿灯キティちゃん。
めずらしい!
ご連絡先を存じ上げないのでこの場でお礼を言わせていただきます。
ありがとうございました!
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返事が来ません

2010-10-25 09:11:37 | 日記
さて、大地君の前作については
多くの方に「画期的な本だ」と喜んでいただいた反面
騒ぎが持ち上がりました。

二冊目出版に先立って
大地君のご両親からそらパパあてに手紙を送りましたが
いまだに返事が届いていません。

書面で出したものには書面で答えていただきたいので
弁護士経由で出しましたが
もしかしたらすでに代理人契約が終わり、届いていないのかもしれません。

だとしたら、ここに貼るか
もう一度版元にお願いするしかありませんが
とりあえず、ここに貼ります。

「著者を批判したのではなく、編集方針を批判した」という先方の意見には
「へりくつだ」という反対意見も多く寄せられています。
「なんで全員に経済的自立を強いる本、じゃないと恥ずかしい本だと読み取れるのかさっぱりわからない」
読んで思う人たちもたくさんいるのです。

まあ、本ってそういうもんですものね。

だから

編集に当たった私としては
編集方針を批判されるのはかまいません。
ただ、私は意見を聴く相手と聴かない相手を選ぶ人で
(ていうかじゃないと仕事なんてやってられないわけですが)
もともと評者としてまったく評価していない人の意見を聴く習慣はありません。
本を出すっていうのは数百万の投資です。
元々様々なレビューを読んで「あてになんない評者だな」と考えていた人からの意見に数百万投資する気にはなれません。

神田橋先生や岩永先生、横浜の福祉業界のドン(?)、瀧澤さんの意見なんかはよく聴きます。
そしてお三方とも、あの本を高く評価してくださっています。
大地君の育てられ方を、高く評価してくださっています。

齋藤宇開先生は「僕はこの本が出てうれしいです!」というはがきをくださいました。
大地君の担任の栗林先生とは、久里浜の同僚だったとあとでわかりましたが。

著者であれ編集方針であれ批判されるのはかまいませんが
それが限度を過ぎたものになってはまずいです。
先般の事件のときのように
ありえない想像に結びついたら対処しなくちゃいけませんね。

また、私たちが一番戸惑ったのは、事実無根の読み取り方をされて、それを事実と主張されていることでした。

大地君がなぜ支援級に行くことに納得し
支援級でのお勉強に前向きに取り組めるかというと
それは最初に目標を与えられているからです。

最初に目標を与える。
私はそれが素晴らしいと思って、あの本を出しました。

目的は、働ける大人になること。
そのためのトレーニングが必要だから、支援級に行く。

働ける大人になる。

だから、雪の日も学校に通います。
それは、大人になって職場に通うためのトレーニング、習慣作りだと教えてもらっているからです。
身体作りで三キロ走ります。80メートル走るのにも苦労していた子が、三キロ走れるまでに成長したのです。

そらパパは、ご自分のお嬢さんが将来経済的自立を果たせそうにないと考えているようです。
でも私たちにしてみれば、なぜそれほど限定的に考えるのか、そちらのほうが不思議です。

同じように重度のお子さんを持つ読者の方たちも、不思議がっているようです。

支援のあり方は変わってきているのに。

行政の方針も変わってきているのに。

障害者枠で働き、自力で家を建てた真行寺英司さんのような方もいるのに。

まあそれでも、まだ働くことのできない人にも国は援助をしますし
あの本を読んで、なぜ全員に経済的自立を強いていると読めるのか、それを私たちは不思議がっています。

本を実際にお読みになっていない方は、本当にそういう本なのかどうか
判断を保留されたほうがいいかと存じます。

先日、大地君の担任の栗林先生と北海道でお話しました。

栗林先生は「社会に送り出す」という視点を持って教育に臨んでいらっしゃいます。
けれども全員に、大地君のような教え方をするわけではありません。

大地君の言葉によると、こうです。
「出来ないことをやらされたりはしません。でも、嫌ならしなくていいよとは言ってもらえないし、無理だと思うからこの人だけしなくていいよともいきません。栗林先生は「みんな人間なので修行が大事で、小学生なので学校でみんながやることは一緒に参加しないといけない」と言いました。特別な方法だったり、特別な道具だったりしても、みんなが一緒に頑張ります。」

細かなアセスメントができて、ほんのちょっとの負荷がかけられて、子どもの可能性を引き出せる先生なのだと思います。

その先生におききしました。
親が就労できないと考えている場合はどうするのか。

深い答えが得られました。

おーっと、今日のエントリーが長くなっちゃいましたね。

じゃあお手紙本体は、また後日の掲載ということで。

北海道で読者からいただいた、ヤクルトミルミルキティちゃん。非売品です!
ヤクルトお姉さんにもらった瞬間、私のことを思い出してくださったそうです!
ありがとうございます!
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ある才能

2010-10-24 08:45:00 | 日記
さて、「僕たちは発達しているよ」が皆さんのもとに届き始めて、感想もどんどんいただいています。

藤家さんに書いてもらった「自閉っ子通信」も「一冊分の値段で本を二冊買ったような得した気分!」なんて言っていただいています。

「藤家さんのエッセイを読んで、わが子の将来に希望が持てました」
「目頭が熱くなりました」
「親御さんもどんなにお喜びでしょう」」

なんていう声もいただきますが

私は目頭が熱くなるどころか、最初原稿読んだとき号泣しましたよ。

つらいときを知っていたからね。

これだけの立ち直りを見せた藤家さんは
自分の「ある才能」が強みになったと自覚して、書いてくれています。

そしてその「才能」を
大地君にも見出しています。

文才?

いえ違います。

自分のその才能が、この世界を生き抜くために強みになるのだと確信したのは
神田橋先生との出会いだそうです。

花風社の次の本にも、そのことを載せようと思います。

大地君の新刊もいいけど
藤家さんの「自閉っ子的 心身安定生活!」もいいですよ。
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「僕たちは発達しているよ」藤家寛子さんからの感想

2010-10-23 12:16:40 | 日記
今朝、藤家寛子さんから大地君の新刊「僕たちは発達しているよ」の感想メールをいただきました。
先ほど許可をいただいので、ここに転載します。

=====

おはようございます。

大地くんの本、愉快で楽しくて、もう読んでしまいました。
文章の量もずいぶん増えていますね。
しかも、内容が濃い。
大地くんの学校での様子が、まるで側で見ているかのように伝わってきました。

大地くんと私はよく似ているので、本を読んでいて共感する部分が多かったです。
自分の子ども時代をふり返っているようでした。
「便利な人、便利じゃない人」のところは、ほほえましかったです。
白くま母さんとのやり取りがいいですね。

診断・告知のところは、かなり興味深かったです。
家族だけでなく、学校を含めた、今の大地くんにとっての「社会」において告知をしたことが成功の秘訣のような気がしました。
親と先生たちの診断についての意見がぶれないのは、理想的ですね。
ごまかす人たちでなくてよかった、という大地くんの気持ちがよく理解できます。

「大地から皆さんへ」のところは、思わず笑ってしまいました。
あっさりしているところも大地くんの持ち味ですね。
大地くんへの告知が成功して本当によかったです。
ちょっと、身内のような感覚におちいってしまいました。

いろんな人が大地くんのことを見守りたくなる理由が分かります。
こんなに魅力的な子、そういないですよね。
栗林先生、本山先生、中村先生、弓代さんといった、大地くんを囲む先生方一人一人が、アスペルガーというよりも、大地くんそのものをよく理解してくれているのがすごいと思いました。
こんな先生方もいるんですね。

私は学校時代にいい先生に出会えなかったけど、もうそんなことどうでもいいようになりました。
それは、大地くんの本を読んだからです。
間接的に楽しい学校生活の様子を分けてもらったような気がしています。

たくさんの人の参考になる本だと思います。
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五七五は続くよ

2010-10-22 10:23:58 | 日記
さて、私と大地君がささやかな連句を披露した日、SNS的には五七五で盛り上がった。

まず、詠み人知らずの自閉っ子ママから。

重度でも
   修行は大事
       のびるから
       
うんうん。ぱちぱち。

もう一句

つくろうね
    明るい未来
        修行して
        
そうだそうだ。

でもね、修行について大いなる誤解したまんま勝手なこと言っている人たちもいるよね。

そこでまた新たな詠み人知らず登場。

可哀想たあ
    小さな親切
        大きなお世話

字余りだけど、そのとおり。

だいたいさ

よそよりも
    わが子の発達
         促そう
         
って思う詠み人もいたりするみたい。
そらそう思うよね~とこれまた感心。

そこに学校から帰ってきた大地君参入。
早速一句。

親ならば
   信じてくれよ
        発達を

ほんとだねえ。
大地君が今度の本で言いたかったのはそれだもんね。
「障害があっても自分次第で幸せな人生が送れる。そういうことを教えてくれる大人が、いつも子どものそばにいてくれたらいいと思います」

北海道で栗林先生とその話をしました。
明るい展望が持てる子と、持てない子の違い。
それは頑張れるか頑張れないかにつながる。

その違いはどこに生まれるのか?

花風社の次作にのっけます。

そしたらまた大地君が一句。

修行はね
   楽しいものだよ
        知ってるかい?

Oh, yeah!
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福祉就労

2010-10-21 06:45:00 | 日記
「私は福祉就労に全然否定的じゃないよ。ときどき誤解している人がいるけど」と、私は栗林先生に言った。

「そうでしょ」と栗林先生は答えた。

私は今回札幌で、天下の札幌駅前に平置き駐車場があり
しかも満車ではないことに驚いた。

横浜なら、東横線の各駅しか停まらない駅前だって
平置き駐車場なんて作る余裕はない。

不良債権化して空き地だらけのみなとみらいくらいだ。都会で平置き駐車場があるのは。

でもこのスペースの豊かさはよしあしがある。
北海道は広いがゆえに、養護学校に行くとなると、小学校から寮生活になることもある。
親御さんとして小学校の間くらい手元に置きたいと思うのは不思議ではない。
だから、地域の学校に、かなり重度の障害のお子さんがいる。

大地君のクラスメートにも、もちろんいる。

大地君は「僕たちは発達しているよ」の中で、クラスの様子をこう書いている。

=====

みんな、修行の内容も、勉強の内容も、勉強の目的も、勉強の方法も違います。同じ三年生で同じ算数でもやっていることが違ったり、同じプリントでもやり方が違います。発表会でもやらなくていい人はいません。特別な道具で楽器を演奏したり、鈴を持ってトランポリンでジャンプして音を鳴らす役目の人もいます。出来ないことをやらされたりはしません。でも、嫌ならしなくていいよとは言ってもらえないし、無理だと思うからこの人だけしなくていいよともいきません。栗林先生は「みんな人間なので修行が大事で、小学生なので学校でみんながやることは一緒に参加しないといけない」と言いました。特別な方法だったり、特別な道具だったりしても、みんなが一緒に頑張ります。

=====

今度の本で、大地君にこちらからリクエストして書いてもらったのはこの部分だった。
重度のお友だちと、大地君みたいな子たちと、どうやって一緒に修行しているのか。

重度のお友だちは、将来作業所で働くことになるかもしれない。
働かないよりずっといい。と私は思っている。
重度の方でも
何かしら通うところができるくらいまでは、修行してもらいたいな、と一般人として思っている。

たしかに福祉就労の工賃は安い。
それで経済的な自立を果たせる金額を手に入れることは難しいかもしれない。
それでもどこか一般企業に雇用されるより
低いバリアで居場所が得られる。

「続自閉っ子、こういう風にできてます!」の中で、岩永先生が言及されていたけれど
2003年の段階で、十一元三先生と神尾陽子先生がすでに検証されている。
自閉症の人はそうではない人より、何か反復課題を与えられたときに精神的な安定を見せることを。

私が「就労」にこだわる理由はこれなのだ。
精神の安定。
賃金は多いほうがいい。
一般就労のほうが高い。
でも何もしないより、したほうが精神が安定するという検証結果が出ているじゃないか。

それに私自身
仕事があったほうが、やることがあったほうが安定するASDの人たちを
私はこの十年たくさん見てきたから。

ちゅん平さんは現在、就労移行支援を受けている。
このブログでも、そして「自閉っ子的心身安定生活!」でも再三わかるとおり
私はもう、あの弱かったちゅん平さんが週五日働いているだけでとても喜んでいる。

私がこだわるのが自立できるだけの賃金だとしたら
こんなに喜ぶはずはない。

何かやることがあること。

それによって本人が安定すること。

私はそれを喜んでいる。

10月16日、私が北海道で講演だった日
ニキさんは四国で講演があった。

前日、電話がかかってくると思っていた。
シーズン最初の講演の前、ニキさんはいつも緊張して「緊張してるよ~」電話をかけてくるから。

でもかかってこなかった。
私もこちらから、あえてかけなかった。

講演が終わってから、報告の電話がかかってきた。
「昨日緊張電話かかってこなかったね。もう緊張しなくなったのかなと思ってあえてかけなかった」と言ったら

翻訳の仕事が忙しかったんだそうだ。

そして、忙しいと不安がどこかへ飛んでいく。

「ヒマがウツを連れてくるって岩永先生言ってたけど、ほんとだねえ」とニキさんは言った。

ヒマはウツを連れてくる。
私が多くのASDの人に、仕事があったほうがいいと思うのはこのためなのだ。

そろそろ大地君の本、一般書店に並びます。
近くに並んでない方、花風社のHPからお申し込みください。
藤家さんが書いてくれた「自閉っ子通信」ついてきます。私は涙が出ましたよ。
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前向きが普通

2010-10-20 09:12:00 | 日記
10月3日、元横綱朝青龍の断髪式に際して
私は角界の言葉をまじえて一句詠んでみた。

立ち読みで
   きゃんきゃん吠えて
          顔じゃない
          
          
大地君がこう返してくれた。

修行すれば
    結構できるよ
         自閉症


うんうん。そうだね。

と思ってたらさらにもう一句くれた。

可哀想
  言ってる人が
       可哀想!
       
ほんとだ。

栗林先生は、「大地のもつ前向きな気持ちは、あの年の子どもとしては普通じゃないのかな」と指摘していらっしゃいました。

たしかに。

だから、やっぱり、小さいうちに
「君には強いところと弱いところがあって、将来のために修行するんだ」って教えてあげたほうがいいんじゃないかしら。
それが特別支援を受ける意味なのだと。

子どもは未来を明るくとらえる生き物なんだから。

=====

花風社に直接ご予約いただいた方、一部発送始まりました。

予約数はニキさん並です。

第一作よりずっと出足が速かったです。大地君、前より有名になったからね。

とくに「心待ちにしていました!」というお声がとても多いです。

藤家さんは「自閉っ子通信」の中で、大地君をこう評しています。

「大地君は、成長する喜びを知っている子だ。」

うん、適切な表現。

でもそれって、大地君だけじゃないんじゃないの? 成長する喜びを知っているのは。

栗林先生にいただいた札幌コンサドーレキティちゃんです。
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