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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 我に一杯の羹を分かて

2010-01-09 11:04:30 | 十八史略
漢與楚皆軍廣武。羽爲高俎、置太公其上、告漢王曰、不急下、吾烹太公。王曰、吾與若倶北面事懐王、約爲兄弟。吾翁即若翁。必欲烹而翁、幸分我一杯羹。
羽願與王挑戰。王曰、吾寧鬭智。不鬭力。因數羽十罪。羽大怒、伏弩射王傷胸。

漢と楚皆広武に軍す。羽、高俎(こうそ)を為(つく)り、其の上に太公を置き、漢王に告げて曰く、急に下らずんば、吾太公を烹(に)ん、と。王曰く、吾と若(なんじ)と倶(とも)に北面して懐王に事(つか)え、約して兄弟(けいてい)と為る。吾が翁は即ち若(なんじ)が翁なり。必ず而が翁を烹(に)んと欲せば、幸いに我に一杯の羹(あつもの)を分かて、と。
羽、王と挑戦せんと願う。王曰く、吾寧ろ智を闘わさん。力を闘わさず、と。因(よ)って羽の十罪を数う。羽、大いに怒り、弩を伏せ王を射て胸を傷つく。

漢と楚の軍はみな広武に布陣していた。項羽は高い俎板をつくり、かねて捕えていた漢王の父の太公をその上に据え、漢王に言った「急いで降参しなければ、釜茹でにするぞ」と。漢王は「私とお前とはともに北面して懐王に仕え、約束して兄弟になった。私の父はすなわちお前の父だ、是非にもお前の父を煮るというなら、一杯の肉汁を分けて貰いたいものだ」とやりかえした。
つぎに項羽は、漢王と一騎打ちをしかけたが、王は「私は、智恵比べなら応ずるが、力比べはごめん被る」と答えた。そのうえで項羽の十か条の罪状を数え上げた。項羽は怒って、いしゆみを密かに射かけ漢王の胸を傷つけた。

幸い我に一杯の・・ 幸 ねがうの意

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