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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 李克用卒し子存勗立つ

2013-09-12 10:24:51 | 十八史略
克用不能與汴人爭者累年、悒悒以至于卒。子存勗立。時梁兵侵晉圍潞州。晉李嗣昭閉城固守踰年。梁築夾寨守之。存勗與諸將謀曰、朱温所憚者先王耳。聞吾新立、以爲童子、必有驕怠之心。若簡精兵、倍道趨之、出其不意、取威定覇、在此一擧。不可失也。帥兵發晉陽、伏三垂岡下、旦乗大霧、直抵夾寨塡塹鼓譟而入。梁兵大潰、遂解潞圍。

克用、汴人と争うこと能わざる者(こと)累年、悒悒(ゆうゆう)として以って卒するに至る。子存勗(そんきょく)立つ。時に梁兵、晋を侵して潞州(ろしゅう)を囲む。晋の李嗣昭、城を閉じて固く守り年を踰(こ)ゆ。梁、夾塞(きょうさい)を築いて之を守る。存勗、諸将と謀って曰く「朱温の憚る所のものは先王のみ。吾が新たに立てるを聞かば、以って童子と為して、必ず驕怠(きょうたい)の心有らん。若(も)し精兵を簡(えら)び、道を倍して之に趨(おもむ)き、其の不意に出でば、威を取り覇を定めんこと、此の一挙に在らん。失う可からざるなり」と。兵を帥(ひき)いて晋陽を発し、三垂岡(さんすいこう)の下に伏し、旦(あした)に大霧に乗じて、直(ただち)に夾塞に抵(いた)り、塹(ざん)を填(うず)め鼓譟(こそう)して入る。梁兵大いに潰(つい)え、遂に潞の囲みを解く。

累年 年を重ねること。 悒悒 悶々とする。 潞州 今の山西省の地。 夾塞 二重砦。 朱温 朱全忠のこと。 三垂岡 潞州の黎城県の地名。 鼓譟 太鼓を鳴らし、鬨の声をあげる。

李克用は自分から梁軍と戦うことができないまま何年も悶々として楽しまず死去した。子の存勗が立った。時に梁兵が晋に攻め入って潞州を囲んだ。晋将の李嗣昭が門を閉じて堅く守って年を越したので、梁軍は潞城を二重に囲む砦を築いた。存勗は、諸将と謀って「朱温の恐れていたのは父上一人で、いま私が新たに立ったと聞いたら、子せがれめと見くびって必ず奢りの気を持つであろう。もし精兵を選び、道を急いで駆けつけて、不意を突けば、威名を天下にとどろかし、諸侯の覇たることもできよう。それもこれもこの一戦にある。機を失してはならぬ」と兵を率いて晋陽を出発した。三垂岡の下に兵をひそませて朝霧に乗じて砦を急襲した。堀を埋め太鼓と鬨の声をあげて殺到すると、梁兵は散々に撃ち破られて、囲みを解いて退却した。

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