龍行虎歩
太后呼趙普曰、趙書記共記吾言。不可違。因命普於榻前爲誓書。普署紙尾曰、臣普記。藏之金匱。太祖友愛篤至。晉王嘗寝疾灼艾。太祖亦自灸以分其痛。嘗曰、晉王龍行虎歩。且生時有異。佗日必作太平天子。非吾所能及也。
太后、趙普(ちょうふ)を呼んで曰く「趙書記よ共に吾が言を記せよ、違う可からず」と。因って普に命じて榻前(とうぜん)に於いて誓書を為らしむ。普、紙尾(しび)に書して曰く、臣普記(しる)す、と。これを金匱(きんき)に蔵(ぞう)す。
太祖、友愛篤く至る。晋王嘗て疾(やまい)に寝して灼艾(しゃくがい)す。太祖も亦自ら灸して以って其の痛みを分かつ。嘗て曰く「晋王は龍行虎歩す。且つ生まるる時異有り。佗日(たじつ)必ず太平の天子と作(な)らん。福徳は吾の能く及ぶ所に非ざるなり」と。
榻前 寝台の前。 金匱 金製の箱。 灼艾 お灸。 佗日 他日。
そこで昭憲皇太后は趙普を呼んで言った「趙書記よ今私が言ったことを書き遺しておきなさい。違ってはならぬぞよ」と。それで趙普に命じて寝台の前で誓書を記し、末尾に「臣普記す」と署名し、これを金の箱に納めた。
太祖は友愛にも篤かった。ある時次弟の晋王が病気になったとき治療に灸をすえた。太祖は自分も灸をすえて痛みを分かった。また或るとき、「晋王はその歩き方が、龍が行き、虎が歩くように堂々としている。その上、生まれたとき不思議な現象が起こった。後日きっと太平の天子となるであろう。晋王の福と徳はとても私の及ぶところではない」と言った。
太后呼趙普曰、趙書記共記吾言。不可違。因命普於榻前爲誓書。普署紙尾曰、臣普記。藏之金匱。太祖友愛篤至。晉王嘗寝疾灼艾。太祖亦自灸以分其痛。嘗曰、晉王龍行虎歩。且生時有異。佗日必作太平天子。非吾所能及也。
太后、趙普(ちょうふ)を呼んで曰く「趙書記よ共に吾が言を記せよ、違う可からず」と。因って普に命じて榻前(とうぜん)に於いて誓書を為らしむ。普、紙尾(しび)に書して曰く、臣普記(しる)す、と。これを金匱(きんき)に蔵(ぞう)す。
太祖、友愛篤く至る。晋王嘗て疾(やまい)に寝して灼艾(しゃくがい)す。太祖も亦自ら灸して以って其の痛みを分かつ。嘗て曰く「晋王は龍行虎歩す。且つ生まるる時異有り。佗日(たじつ)必ず太平の天子と作(な)らん。福徳は吾の能く及ぶ所に非ざるなり」と。
榻前 寝台の前。 金匱 金製の箱。 灼艾 お灸。 佗日 他日。
そこで昭憲皇太后は趙普を呼んで言った「趙書記よ今私が言ったことを書き遺しておきなさい。違ってはならぬぞよ」と。それで趙普に命じて寝台の前で誓書を記し、末尾に「臣普記す」と署名し、これを金の箱に納めた。
太祖は友愛にも篤かった。ある時次弟の晋王が病気になったとき治療に灸をすえた。太祖は自分も灸をすえて痛みを分かった。また或るとき、「晋王はその歩き方が、龍が行き、虎が歩くように堂々としている。その上、生まれたとき不思議な現象が起こった。後日きっと太平の天子となるであろう。晋王の福と徳はとても私の及ぶところではない」と言った。
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