上越・町家暮らし

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上越タウンジャーナル記事 「高田最後の瞽女、杉本家の解体」

2024-04-27 23:07:11 | 瞽女

上越市東本町4の高田瞽女の町家が老朽化で解体 最後の親方杉本キクイさんら生活 

盲目の女性旅芸人「高田瞽女(ごぜ)」が共同生活をしていた、新潟県上越市東本町4の築約150年の町家が、

2024年4月22日から解体されている。高田瞽女最後の親方、杉本キクイさんの住まいだった建物で、過去には

瞽女ゆかりの地として見学会が開かれたこともあった。

台所にあった手押しポンプを手に解体を見守る「高田瞽女の文化を保存・発信する会」の小川さん(2024年4月23日)

建物は雁木通りに面し、奥まで細い土間が続く2階建ての町家。幕末生まれの高田瞽女の親方杉本マセの実家の向かいにあり、

キクイさんまで3代の親方と弟子の瞽女たちが暮らした。1983年にキクイさんが亡くなり、残された養女のシズさん、

弟子の難波コトミさんが養護盲老人ホーム「胎内やすらぎの家」(胎内市)に入所後は、新たな所有者の手に渡り、ここ3年

ほどは空き家となっていた。

台所の手押しポンプや、妻折笠や杖を掛ける陶器のフック、目の見えない瞽女が手を置いた部分がすり減り退色した階段、

2階の掛け軸など、瞽女たちが暮らした面影が多く残っていたが、老朽化が進み解体されることになった

解体前の家の内部(2022年撮影、外観は2024年4月20日撮影)。掛け軸や階段、
手押しポンプは瞽女が生活していた当時のまま残されていた

曽祖父とマセさんがきょうだいで、向かいに住む杉本正彦さん(82)は「入り口の格子戸に来客用に豆電球が一つ灯っていて、

目が見えないけれど何がどこにしまってあるか分かっていた」とキクイさんら瞽女の暮らしを懐かしんだ。

瞽女ミュージアム高田(上越市東本町5)を運営するNPO法人「高田瞽女の文化を保存・発信する会」の

小川善司事務局長(75)は、「ミュージアムの第2資料館として保存を検討したこともあったが残念。

標柱などを立てることができれば」と話した。

瞽女に関する資料は市立歴史博物館と同ミュージアムで保存しているという。

瞽女ミュージアム高田の2階に再現された杉本家の部屋。杉本家から旅巡業に出かける瞽女の写真も展示されている

「上越タウンジャーナル 木嶋記者より抜粋」

 



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4 コメント

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Unknown (東京在住の新潟県人)
2024-04-28 19:46:10
残念ですが、ご時世には抗えない事例かと。
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瞽女文化の ()
2024-04-28 21:54:43
コメントありがとうございます。市当局にも打診してはいたのですが、残すことはできませんでした。上越には他の地域にはない独自の文化と建物が残っているのに、誠に残念なことです。
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Unknown (ナビゲーター ワタナベ)
2024-05-02 08:12:58
高田瞽女杉本家の記事を取り上げて下さりありがとうございました。杉本家は僅かコンクリート部分を残すのみとなりました。地球上から瞽女の暮らした家が消えてしまう。宇宙の時間ではたった一コマの事かもしれません。杉本瞽女さんが住んでいた時代小さな家ですが掃除の行き届いた瞽女の心根が感じられる、そしてその暮らしに誰もが畏敬の念を抱く家でした。失って行く事に何も出来ずにいる自分を不甲斐なく思うばかりです。
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瞽女家解体 ()
2024-05-02 16:04:43
物理的なものは破壊されても、瞽女の信念は命脈を保って受け継がれるものと願っています。人はそれほど愚かではないとおもます。ワタナベさんもその一人かもしれませんね。
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