公園の夕暮れ時。
駅前から自転車を飛ばしていると
どこからかひときわ甲高く切ないような鳴き声が・・・
♪ カナカナカナ カナカナカナ
思わず自転車を止めて聴き入ってしまいました。
ヒグラシの声ですねえ。
夏の終わりにこのもの悲しい声を聞くと
ああ、今年も夏が終わるなあ・・などと思わず呟いて
ちょっとセンチメンタルになったりします。
ひょとして母の影響でしょうか。
♪ カナカナカナ カナカナカナ
亡くなった母は「今年もカナカナが啼き始めたねえ」と言いながら
夏の終わりにいつも静かにため息をつくのが常でした。
生涯を苦労と難病との戦いに明け暮れながら
老いて後は出来の悪い息子(私)の心配に追われ続けた母は
まさに屈託だらけの人生を送ったと言えます。
母は夏生まれで本来夏は好きでしたが
明るい人だっただけに夏の終わりに寂しさや虚しさは
好きではなかったのかも知れません。
蜩の 声高らかに 夏終わる (杉作)