まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

キース・ジャレット

2020年10月24日 | 日記
ニューヨーク・タイムス電子版によると(読んでないけど・・)
世界的ピアニストのキース・ジャレット氏が
脳卒中の後遺症による左手のまひで
コンサートに復帰するのは絶望的になったと報じた。
久しぶりに聞く懐かしい名前だった。



キース・ジャレットは世界的なジャズピアニストである。
日本人に最も愛された演奏家と言ってもいい。
初めて聴いたのは京都の学生時代。
河原町にあるレコード屋の店頭だったと記憶している。
店内に流れる流麗なピアノ曲の旋律に
こ、これはなんだ!と激しい衝撃を受けた覚えがある。
私が初めて聴いたジャズとの出逢いだった。
そのとき流れていたアルバムが「ケルン・コンサート」と知って
なけなしの奨学金をはたいて思わず買い求めた。
貧乏苦学生には痛い大出費だったが
以来、キース・ジャレットは私のジャズの代名詞となり
ジャズ喫茶にも頻繁に出入りしてのぼせあがった。
マイルスもコルトレーンもよかったけれど
キースのピアノ曲が私の孤独に何よりもピッタリとくる
まるで救いのような音楽だった。
天から降って来る雨の雫(しずく)のような美しい旋律が
縦横無尽に踊ってやがて砕け散る。
その神々しい旋律がすべて即興(インプロヴィゼーション)と知って
つくづく驚き感服したものだった。
あのキースの演奏がもう聴かれなくなるのかと思うと
やはり寂しいし感慨しきりなのである。