Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

歌はいいわね

2007-04-15 19:53:13 | 音楽療法
老健の音楽療法プログラムのひとつ<歌の会>。デイケア(通所)では毎日、入所では3つの一般棟が週1回、認知症棟では週2回、それぞれ2冊の音楽療法オリジナル歌集230曲により1時間行なう。入所棟ではほぼ全出席の、音楽療法士にとっても嬉しい時間。

先週のこと。
「先生、歌はいいわね。私はすがすがしい気持ちになるの」とAさん。
「歌っていたその時代に戻って若返る」とBさんは<めだかの学校>をリクエスト。
「今日は亡くなったダンナが好きだった歌ばかりで思い出しちゃったわ」と<北国の春>に涙したCさん。
「歌は詞を味わいながらその気持ちになれる」というDさんは哲学者。
「歌うことは単なるお楽しみ以上に、肺機能向上と唾液の分泌がよくなることで嚥下作用の改善にもいいんんですよ」とアピールしてくださるのは元ドクターのEさん、皆「フムフム」、さらに「皆さん、姿勢をよくしておなかから大きな声をだしましょう」。
「先生、お美しい声と姿を保つためには、ご自身の訓練をしっかりなさって」と励ましてくれるのは元女優のFさん。思わず「はい、頑張ります」と私。
「先生、最高! いいよ」(何が? 歌が? それとも私が?)とハンサムなGさんは、今でも昔の恋人が面会に来るほどの男前。故郷の歌<長崎の鐘>をリクエスト。

それぞれ思い出がある。
懐かしい、嬉しい、悲しい・・・、そんな気持ちを音楽にのせて歌う。

音楽療法士とお花見

2007-04-14 23:54:33 | 音楽療法
音楽療法士の春の仕事のひとつ、<お花見付き添い>。季節感と共通の思いを大事にしたいので、時間があれば付き添いを申し出、今年も2回でかけた。「音楽の先生がいるから、歌も歌いましょうよ」「そうね・・・」と <♪さくら~さくら~> と何度も歌う。周りの人も仲間に入り一緒に歌っている。「去年もここで歌ったねェ」



桜も盛りを過ぎ、緑色が目立ってきた。今年のお花見行事も終わり。

フィンランドの本、いろいろ

2007-04-13 18:58:07 | フィンランド
時間があると本屋さんへ。先日広い書店で1時間半ブラブラ、そんなときのほうが面白い本が見つかる。まるで私を待ってくれていたようにかしこまっていた本が2冊。どちらもフィンランドの本。

『フィンランドのジェンダー・セクシュアリティと教育』 
橋本紀子著、明石書店




以前、同じ著者の『女性の自立と子どもの発達-北欧フィンランドに学ぶその両立への道』(群羊社・1982年)という本を読んだ。フィンランドの社会システムや女性、子育てについての本で、家族でフィンランドに滞在している間に経験したこと、感じたことがエッセイ的に書かれていた。ちょうど私の留学と同時期だったので、妙に納得しながら読んだことを覚えている。まだフィンランドがマイナーで、私も「地の果てに留学するの?」と言われた、フィンランド関係の本が全くなかった頃の貴重な本。

今回は研究報告書、1997年~2006年までの数回にわたる現地調査のまとめである。特にジェンダー平等教育、性教育に関する項目が多い。フィンランドのジェンダー平等教育の進展と世界一高い学力の関係が述べられているが、この学力を支えているのは女子の力とか(女子の方が頭がいい?)。友人のフィンランド人たちは「フィンランドは男とも女とも意識していない、個の人間」といつも言っているし私もそう感じているが、日本人の視点からみたら<ジェンダー平等のフィンランド>が強調されるのかもしれない。

『北欧フィンランドのかわいいモノたち』
菅野直子著、インターシフト




スーパーで家庭で街中で見かける日常小物の紹介。私も見覚えのあるものや手元にあるものがほとんど。大好きなフィンランドのものは、たとえキャンディーの包み紙でも捨てられない(本の栞になっている)。「これは知らない」は次回フィンランド行きのお楽しみとパラパラ見ながら楽しんでいる。でもこれで本になるのなら負けてないけど、と思った・・・。

そしてプレゼントされた本もフィンランド。
『フィンランド、とっておきの布探し』
ワニマガジン社




「一度フィンランドに行ってみたい」という友人から。今まで北欧の家具や小物というとスウェーデンやデンマークが多かったが、最近フィンランドとノルウェーも注目されるようになり嬉しいかぎり。私の本棚にもこんな本が増えてきた。

早起きはカラスと競争!

2007-04-12 22:07:44 | 季節
起床は早ければ4時、遅くても5時前。マンションの近くを通る東横線の始発が5時、どんなに遅くてもそれが目安になる。

でもいちばんの競争相手はすぐ下の神社のカラス。このカラスは「カァ~」ではなく「バカァ~」となく。冬は絶対私の方が早いが、このところかなりきわどい。「バカァ~」とやられたと思うことしばしば。4時過ぎに声が聞こえるとドキッとする。<鳥は気温ではなく昼間の時間の変化で季節を感じる>と最近読んだ ( 『春の数え方』 )。 冬至以降1月、2月・・・、そして4月、確実に日が長くなっている。日の出の早さより夕暮れの遅さを感じる。「こんなに日がのびたのね」と思いながら歩く夕方が多くなってきた。それより敏感に、もっと科学的にカラスは感じているらしい。

今朝は私の勝ち! カラスの朝寝坊?

鯛焼きはどこから?

2007-04-11 20:21:41 | グルメ
美味しいといわれる<名物鯛焼き>をいただく。餡子系、特につぶ餡が苦手な私は鯛焼きとどら焼きは中身は控えめに食べる。つまり「鯛焼きって尻尾が美味しい」「どら焼きはかわが美味しい」になるわけ。



仕事もかたづき皆でおやつタイム、夕方のこの時間がいちばんお腹がすく。ほとんど同時に食べ始めた鯛焼き、頭から食べる派とシッポ派にわかれた。シッポ派が7人、頭派が4人。「じゃ、渦巻きのチョコレートパンはどっちから?」 これは下が10人、上が1人。正確には下を少しずつちぎって上のチョコをつけながら食べるが7人、お行儀悪いけど私もそのひとり。正統派はどっちかしらといっているうちに、鯛焼きはペロリ、「ああ美味しかった。どっちでもいいのよ、お腹にはいれば同じこと」とは食いしん坊のAさんのまとめ。

音楽療法士のひとりごと-ナンパしちゃった?

2007-04-10 23:02:40 | 音楽療法
最近「音楽なんか、歌なんか!」と遠くで無関心だった男性たちの積極的参加がふえてきた。

窓辺で桜並木を見ていたAさん、「先生、桜きれいだな。春だねェ。先生も最近きれいになったんじゃない?」「そう、ありがと」とニコッ、「美人に誘われたから、たまには歌にいくかな」。 (誘ったっけ? 私はたまたま通りかかっただけ。でも参加の理由は何でもOK!)

私の好きな鮮やかなブルーのセーターを着ていたBさん、「おはようございます。その色ステキ、よく似合っている」と声かけしたら、「イヤ、派手かな?」と照れ顔。午後の歌の会に「私もいいですか」と初登場、どうも今朝のセーターがきっかけとなったらしい。歌が大好きでカラオケ人間だったが、脳梗塞の後遺症で声が出にくくなってから歌を敬遠していたとのこと。「歌は声がでるもんだ。これもリハビリですね」と満足顔。 (歌っている顔は生き生きしてました)

季節ごとにお花の鉢を持ってきてくださるCさん。「この石楠花、立派ですね。つぼみが10個もついている」「うちにはもっとすごいのがあるよ。先生持って帰っていいよ」「それはもったいない。ここで毎日皆で楽しみましょう」「紫陽花、菊、水仙、どれもほめてくれたね。うれしいねェ」「ホントにきれいなの。お花大好きだから」「今度は藤を待っててよ」。その後「今日は歌にお世話になろうかな。春の歌はどうですか」 (女性たちから 「お花きれいね」 とほめられ大いに照れる)

「オーイ」と向こうでDさんが手招きしている、「はーい、なんでしょうか?」 「先生の洋服も春だね」。この日は花柄Tシャツに黄色のスカート、思いっきり春の演出。「これから春の歌はいかが?」「行くかァ」 (そして 「きたぞォ」 と一番の大声で歌う)




「音楽療法の先生は次々ナンパして、いい男を獲得している」とは口の悪いEさん。「皆ナンパにひっかかってるけどオレは違う。純粋に歌好きなんだ」と威張っている。「皆、笑顔に騙されちゃいけないよ。こういう女は手ごわいんだ」とニヤニヤ。「そうよ、音楽療法室に一歩でも足を踏み入れたらもう離さないから」「オマエさぁ、オレのカカアと同じくらいいい女だな」 (なにかというとカカアと比較される私。でも毎度「カカアほどではないな」がその評価)

「ナンパでも何でもいいよ。こうして歌うのは楽しいね、先生。これが楽しみできているんだ」と午前中はベッドにいたFさんは、いつも一番乗り。あまり自由がきかない指先は、歌集をめくることで動きがよくなってきている、これもリハビリ。「ここは素通りできない」とGさん。先週はご友人が亡くなり「今日は喪に服して静かに聴いています」 Gさんらしい。 (このお二人は影の支え)

今日は男性が多い日。音楽療法士は優しくにっこりお声かけでナンパ? 毎日こんな調子で楽しい<音楽療法・歌の会>。


日曜日はのんびり

2007-04-09 18:27:31 | つれづれ・・・
休日・日曜日の過ごし方。

<朝寝坊>
正確には前夜の夜更かしから。翌日曜日が休日だったら時間を気にせず読書タイム。土曜日は横浜で仕事仲間と食事し11時に帰宅、それからお風呂に入り、記憶にある限り4時まで読書。新聞の土曜版に紹介されていたカフカ、突然読みたくなり衝動買いした 『カフカ寓話集』(岩波書店)。 いつもは4時半の起床、朝目覚めたら太陽はすっかり頭の上、それだけでお休みの気分。

<じっくり新聞>
平日の朝は忙しい。朝シャンから始まり家族の朝食とお弁当作り、並行して夕食の下ごしらえとお洗濯が最低2回。新聞はバタバタ見出しを斜め読みして眺める程度、気になる記事は帰宅しからじっくり読む。でも休日はゆっくり新聞に向かう。特に日曜日は読書欄が充実しているのでチェック。読みたい本が数冊あり早速ネットで注文、ちょっと気になる本は明日本屋さんで捜す。文化欄、家庭欄もしっかり読むと越路吹雪の記事やアニマルセラピーの紹介、これは仕事でも参考になる。

<パソコンで>
山積している仕事を片付ける。楽譜を作る、仕事の記録と整理、書きかけの研究論文の仕上げ、メールの返信、ネットで情報チェック・・・ 3時間はあっという間に過ぎる。

<CD>
たまっているCDを聴く。
「イタリア古典歌曲集」 スミ・ジョーノの透明感のあるソプラノとテクニックに感動。古典はこんなふうに歌いたい。
正確なタイトルはわからないけど、「高橋悠冶・オルフィカ、石井眞木・打楽器群とオーケストラのための<響層>、武満徹・テクスチアズ」、演奏は、現代曲ではこれほどの組み合わせは考えられないと思って購入した岩城宏之指揮+N響。はずれなしの満点。
「モーツアルト ピアノソナタ」 エッシュンバッハのピアノ、彼の奏でる演奏は音大時代、皆の憧れだった。
「G線上のアリア100%」 バッハのこの曲だけを集めたCD。様々な演奏が楽しめる。
「@Jazz Cafe」 仕事のBGMにどうかなと思って購入したCD、まるでどこかのお洒落なレストラン。

<ワイン>
昼間から美味しいワインに舌鼓、贅沢なゆったりした時間を味わう。《山梨明野・マスカットベリーA遅摘み2004》  葡萄王国・山梨大学ワイン科学研究センター(以前はワインづくりを研究する全国唯一の工学部発酵醸造学科だった)が研究開発したライトボディの赤ワイン。

<今週の仕事の段取り>
1週間の予定をたてる。今週は移動が多く忙しい週、対象者も仕事内容も様々だから念入りに下準備。

<かんがえごと、あれこれ>

気がつくと夜中、もう寝よう。



15秒の間(ま)

2007-04-08 17:40:42 | つれづれ・・・
いち、にィ、さん、しィ、ごォ・・・と15数える。結構長い、最後は駆け足になってしまう勢い。この15秒をどうするかでライフスタイルが違ってくるそうである。心理学的にも15秒は分かれ目の数字で、心の安定と解放が期待できるのが15秒。特に対人関係においては<言葉を飲み込む15秒><相手との間(ま)としての15秒><感情を抑える15秒>で、かかわり方やコミュニケーションがはっきりかわってくるそう。

もう一度、いち、にィ、さん、しィ、ごォ、ろく、しち、はち、くゥ、じゅゥ、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、じゅうご。はぁ、15秒はやっぱり長い。感情をストレートあらわす直球型人間には、「15秒なんてたかが1分の4分の1」と言われても耐えられない長さに感じる。喜怒哀楽、怒はないけれど、喜哀楽は次の瞬間に表現しているからどうしよう。臨床心理士の明解な答え、「まずは5秒ね。自分自身にも相手にもクールになって!」「クール?」「そう、はじめの一歩を5秒待つ。すぐに歩き出さない」 む、むずかしい課題。


かもめ食堂ふたたび パートⅡ

2007-04-06 18:07:01 | フィンランド
フィンランドを舞台にした日本映画 <かもめ食堂> が先日TVで放映された。多くの友人がみてくれたようで、続々と感想が届く。

「あなたのフィンランドを満喫した」
ありがとう。今年でフィンランドと出会って30年、大好きなフィンランド。私の第二の故郷・フィンランド。私の骨の半分はフィンランドにお願いねといつも言っている。

「フィンランドに行きたくなった」
是非ご一緒しましょう。夏の白夜、長~い冬の暗い雪の季節、遅い春は一気に色とりどりのお花が咲き、短い秋はぬかるみ。それぞれにいい季節、いつでもご案内します。南の首都・ヘルシンキも、家族のいるちょっと北より中央フィンランドも、トナカイ飼いの友人が住む北極圏ラップランドも、いつでもどこも魅力的。

「おにぎりやさんやりたい」
そう、私もずっと前から言っている。おにぎりとラーメンはどうかしら? フィンランドは日本食ブーム、お寿司、お豆腐、おにぎり・・・

「日本映画のいいところがでていた」
映画やテレビなど映像はみない私にはよくわからないが、かもめ食堂はいいはず! だって、とにかくフィンランドだもの。



舞台になったお店 <KAHVILA SUOMI> 
フィンランドのおふくろの味、家庭料理の定食屋さん、
最近はガイドブックでも紹介されていて、秘密にしておきたかった私はちょっと残念!



耳をすます

2007-04-05 20:17:09 | お勧めの・・・
<耳をすます>、これは日本語独特の言い回し。外国語では「明らかにする、はっきりする」がいちばん近い意味だそうだが、私はこれを=(イコール)で結びたくはない。

先日購入したエッセイ集 『耳を澄ませば』 を読んだ。<耳をすます>にこだわりをもち、ほぼ偶然に見つけた本、迷わず買い求めた。光を失い音で情報を補ってきた著者・三宮麻由子さんがあるとき意識的に耳を澄ましてみたら、どの音も、その正体である芯の音のほかに余韻や響き、反響、そして手ごたえのような質感を感じたという。

耳をすますことによって、それまで見えていなかった本質が見え、私たちの感受性も呼び覚まされるのだと思う。もっとも感覚的なものだから、それはクリアにするとか明らかにするとは次元が違う。自然の中で耳をすませばその息遣いまで聞こえる。音楽の手をとめて耳をすませば自分の出したい音がわいてくる。日常の中で耳をすませば心が聞こえる。

私は音楽を仕事としているので、何より《耳》が特異エッセンスとなる。子どもの頃から耳で音を聴きわける訓練を受けているから、耳は敏感に素早く反応する。どんな時でも耳をすまして、いつも研ぎすまされた鋭い感覚を持ち続けていたいと思う。

お昼はお寿司バイキング

2007-04-04 22:49:31 | 音楽療法
今日の老健(介護老人保健施設)のお昼は <お寿司バイキング> 1年に1回、厨房スタッフがお寿司職人になってフロアでお寿司屋さんを開店。




まずお皿の上には3種類、穴子、玉子焼き、ナスの握りがのっている。あっという間になくなる。「オーイ、おかわりッ!」の声があちこちからとんでくる。Kさんは「もったいなくて、いただけないワ」とじっと見つめている。「私が写真におさめてあげるから、どうぞ召し上がって」と記念の1枚。

音楽療法士もエプロンをかけてお寿司屋さんのお手伝い。「ハイハイ」とお皿を持って走り回る。人気は鮪、「3つくれよ」。「全種類1つずつのせて」・・・



メニューは15種類以上、刻み食やミキサー食の方もなるべくお寿司の形で食べられるよう、またナマモノ禁止の方にも食べられる範囲でと栄養士は工夫をこらす。あまり食が進まない方も、今日は見事な食べっぷり。向こうの方では「おかわり4回目」の声にナースが「大丈夫?」

「もっといかが? たくさん召し上がってね」と一人ずつ声かけしながら回る。「お寿司はもう何年も食べていない」「一口ずつ味わっていただいたわ」「そう、何だかとってももったいなくて・・・」「ワサビじゃなくてお寿司に涙がでたよ」「今日はたくさん食べたわ」

私たち職員もお相伴にあずかり、お昼はお寿司。お腹いっぱ~い!

初物、筍

2007-04-03 21:18:05 | 季節


今年も筍の季節のはじまり。
仕事場の裏山の竹林では、この暖かさに誘われて筍がニョキニョキ顔をだした。
掘りたて初物は、小さいのはお刺身にして、大きいのは夜中に茹でてから薄味で煮る。

甘い、筍の味がぎっしり。
ほっぺたが落ちそうに美味しい!

人生の彩りをともに・・・

2007-04-02 21:30:37 | つれづれ・・・
日本人の平均寿命は世界一、特に女性の方が長い。といっても元気に暮らせるのはいつまで?ある程度のところで自分の折り返し点を決め、それ以降は自分の気持ちに素直に、やりたいことをやり残さないよう生きたいという年齢になってきたことを感じる。周りはそんな年齢にさしかかっている人が多く、最近は友人たちとこの話題で盛り上がる。身体も故障なく元気で、心も豊かに膨らんでいられるのはそう長くはないかもしれない。ずっとそうかもしれないが、それは本当にラッキーなこと。

「残りの人生は好きな人と一緒にいい時間を過ごしたい」
「わかる、わかる」
それからの会話は興味津々・・・ 

「好きな人?」「そう、それは家族でも、夫でも、恋人でもいいのよ」「恋人かァ、これからいい出会いして恋愛したいな」「夫って、ともに人生の歴史を築いてきた同士って感じになってきた」「私ネ、今すごくいい恋してるの」「ハァ? 恋ィ?」「そう・・・」「実は私も、現在進行形」「エッー、なにそれ! 相手は?」「いい男にきまってるじゃない」「だから最近艶っぽく綺麗なのね」「そうそう、少女の眼差しと大人の色気感じる」「どこに魅かれるの?」「私の持ち合わせていないものすべて」「とにかく一緒にいて楽しい。ずっとおしゃべりしていてそれでもまだ足りない」「大人だからお互い自分の行動に責任持てばいいのよ、他人に迷惑かけなければ」「好きな人とコンサートに行ったり、春夏秋冬の景色を一緒に感じて味わったり、そういう生き方って憧れよね」「そう知的刺激も充分ありそう」「この先短くても、充実したいい時を重ねたい」「今私が感じたことを共有して、その場で受けとめてくれるって幸せ」「とりあえず身近にいるのは夫と溺愛の犬、私はそれでいいかな」「人生の彩りをともに楽しむ相手ってことね」・・・ 

でも最後の一言で決まり、
「ねえ、その相手って男とは限らないでしょう? この仲間で私は充分満足してる!」 
「そうだったァ」とあらためて友情を誓い合う。

この会話は女7人。
振り返ってみればもう人生の半分以上を共にしている、
それぞれ夫より長~いおつきあいの、学生時代の仲間たちとのたわいもないおしゃべり。



こんなときまでずっと一緒?  
そうかも・・・ 
80になってもこんな会話をしているに違いない 
 

また本をどっさり

2007-04-01 13:07:17 | お勧めの・・・
手持ちの本がなくなったのでまた本屋さんへ。真っ先に目に入り立ち止まった本、<フランソワーズ・サガン 『悲しみよ こんにちは』> たしか高校1年生の夏休みに読んだ。本好きの友人が多く学校帰りは皆で本屋さんに寄り道、とにかく本ばかり読んでいたあの頃。長編ロシアものを読んでいたAさんは「将来ロシア文学者になりたい」と言っていた。フランスものや戯曲にはまっていたBさんは「これが面白い」と次々薦めてくれる。私は日本文学と哲学を好んで読んでいた。

おませな女子校育ちといっても16歳にこの本の中身はよくわからなかった。サガンが18歳の時に書いた17歳の少女が主人公の内容、皆で「フランスって大人の国ネ」という強烈な印象だった。ちょうど『ベルサイユのばら』で毎週優雅なフランスが描かれているのと同時期だったから、私たちはちょっとしたフランスブーム。サガンはこの1冊で終わったが、カミユ、サルトル、ボーヴォワール・・・と続けて読んだ。

懐かしさも手伝って購入、薄い本だからあっという間に読んだ。こんな話だったっけ? と、17歳の少女の反逆に微笑ましさを感じた。多感な青春時代、決められたものや押しつけに嫌悪感を覚え、完成されたものをぶち壊したくなるようなときを誰もが通る。背伸びして大人になりたいあの頃だ。でも今回は、私はむしろ妨害されるアンヌの心がよくわかった。

時間があったので店内をじっくり回る。あれもこれもと手にとり、またどっさり買い込む。
<日高敏隆 『春の数えかた』> 
<三宮麻由子 『そっと耳を澄ませば』> 
<池田晶子 『さようならソクラテス』> 
<小池真理子 『蜜月』>
<島崎藤村 『家』>
<須賀古遊 『えんぴつで楽しむ、美しい国のことば』>

そのほかに話題の女性誌 『日経EW』 の創刊号、フィンランドに送る 『桜の写真集』、仕事で必要な 『脳の障害と向き合おう』

本を読もうと引きこもりを決めた週末、遅くまで読んでいたら夢の中で活字が躍っていた。
これでしばらく楽しめそう。