Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

キース・ジャレットを聴く

2008-05-18 18:19:56 | 音楽
キース・ジャレットのコンサートを聴いた(5月17日 オーチャードホール)。今回はピアノ・ソロコンサート、昨年はじめて聴いたのはトリオ だったが、ピアノがすばらしかったので、ソロはどんな音楽を聴かせるのか、ワクワクしながら開演を待つ。

静かに始まった音楽は、フランス印象派の音楽を思わせる。ここはドビッシー、ここはフォーレ、そして時にシューマン、情景を思わせる音楽をとことん歌う作曲家たちが思い浮かぶ。現代音楽の音には武満徹、憂いを感じる日本の音階も聴こえる。音が複雑でないから、無意識のうちに私の耳は聴音していた(職業がら?)。身体にスーッと、フワッと入ってくるシンプルな音作り、でも音に芯がある、音楽がそよそよ流れている。演奏者が音楽を楽しんでいる思いが伝わってくる。あァ、気持ちいい!

キース・ジャレットは即興の天才、同じ曲(モチーフ)でも2度と同じ演奏はないそう。即興とはいえ、単なる思いつきでないことは、音楽の構成や音からよくわかる。即興ほどむずかしいものはない、自分の中にたくさんの音楽のひきだしと磨かれた音楽性がなければ生まれてこない。ひたすらピアノに向かって練習の人だからこそ、次々とさまざまな音楽が生まれるのだと思いながら聴いていた。

鳴り止まぬ拍手にアンコール5曲。うち2曲は、いわゆるスタンダードジャズで楽しかった。最後は眠りに誘われる曲、このまま「おやすみなさい」。すてきな週末の夜の音楽会だった。