Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

療育・音楽療法

2008-05-10 15:36:44 | 音楽療法
今日は 療育・音楽療法  (東京YWCA国領センター) の日。昨年9月から始まり、新年度は新たにたくさんの子どもたちを迎えた。

幼児クラスは親子参加型、見学が4組。うち3組は療育センターで音楽療法を経験しているとのこと、「どんな内容ですか?」と聞いたら「音楽環境の中で<静かに過ごしています>」。私の音楽療法は<元気に動く>ので、「お父さん、お母さんも汗だくになりますよ」と予告して始める。50分の終了間際には「先生、私がストレス解消になっているみたい」「結構疲れます。こんなに動いたことは久しぶり、明日足が痛いかも・・・」と保護者の皆さん。子どもたちは元気よく広いホールを楽しんでいる。メニューには家庭でできる内容も組み入れているので、家でもやってみてくださいとおすすめする。

「ダメなことはありますか?」 -ありません。とにかく音楽で楽しんでください。表現はいろいろ、その子の個性ですから。
「うちの子は皆と一緒にいることが不得意なんですが、それでも参加できますか?」 -もちろん。皆と一緒に笑顔で楽しんでいました。初めてのお友達と楽器交換もスムーズにできたし、アイコンタクトしながら合奏してましたよ、ね。
「とにかくゆっくりなんですが・・・」 -その子の参加できるペースでゆっくりやりましょう(これは言わなかったけど、むしろ焦っているのはママの方でした)。
「こんなに音楽が好きだとは思わなかった」「こんな笑顔初めて見ました」・・・ と感想が出る。そして全員入会、音楽療法士冥利に尽きる瞬間。

小学生以上は子どものみの参加、保護者は別室で懇談&情報交換の場となる。小学生以上になると障がいの内容・程度もさまざま。初回から参加しているA君はグループでは重度だったが、会を重ねるごとに変わってきた。集中して参加できるようになり、また音楽体操や楽器も楽しんでいる様子がわかる。初めの頃重度と思っていたのは思い過ごし? という最近。B子ちゃんは気配りの人で自分自身がやるより周囲に働きかけをすることが多かった。ところがここ数回は、積極的に自分もやる方向に向いてきた。C子ちゃんもこだわりを持ちつつ、皆と楽しむ。D君は3回目、重度で私との意思疎通や皆とのコミュニケーションがむずかしい。ところが<部屋の隅で我関せず>が皆の方に入ってくるようになった。参加者7名全員が「楽しかった」「いい顔してます」で、達成感と満足感。

来月からは某大学の臨床心理士を目指す学生たちが実習生として加わり、さらにきめ細かい関わりをはかる。音楽療法を通して成長している子どもたち、そして実はそれ以上に保護者の方々の成長。常にプラス評価の私と、どうしても比較してしまい、あれもできないこれもできないになっている保護者の姿勢。それが数回参加しているうちに「こんなこともできるんですね」に変わってくる。その発見は、ママたちもキラキラ輝くとき。



午前中でヘトヘト、でもやっぱり現場が楽しくてしかたない。この仕事を、私は誇りに思っている。