須永博士美術館スタッフブログ

熊本県阿蘇郡小国町にある、須永博士美術館。スタッフ佐藤から様々な情報をお伝えします。

【須永博士 運転免許証返納前と後の気持ち】

2021年02月07日 | 須永博士の人生

2月5日、流れてきたファックスを読んで驚きました。

「運転免許証を返納してきた」とのこと。

おととし、高齢者講習を受けて、免許更新をしていました。

運転するのは、小国に来た時、町内か遠くて隣の玖珠町に画材などの買い物に行くのと温泉に入りに行くくらいで、展覧会や講演会の時には私か主人が運転して須永博士は助手席に乗って移動していました。

おととしまでは、年に3~4回小国に来ていましたし、滞在期間も長いこともあって、普通に運転していたのですが昨年は、2019年12月に東京に帰ってから1度も来ることが出来ず、東京では車の運転はしません。

昨年11月に小国に2週間ほど来た時も、ほぼ1年運転していない中で、ハンドルを持つのは危険すぎるから、買い物がある時や車で移動したい場所へ行く時には私が運転することを約束していました。

本人は、「大丈夫だろう」という気持ちもあったと思います。でも、その「大丈夫」が、一生の後悔に絶対にしてはいけないという気持ちもあり、

その約束を2週間、守りました。

それから3カ月。

5日にきたファックス

潔さを感じるのとともに、聞いてみたいことが出てきて、ファックスしてみました。

①2月11日に79歳の誕生日を迎える1週間前、免許証を返納しようと思った気持ちは?

②須永博士が最初に免許証を取得して、それから最初に自分の車を買ったのはいつ?

③その車で最初に行った場所は覚えていますか?

④いろんな思い出があると思いますが、車に乗って自分で旅をしている時の思い出は・・・?

 

そして、昨日2月6日朝、ファックスが届いていました。

 

スパっと、自分で決断して、「終わり」と、車の運転から卒業した須永博士。

須永博士らしいなぁ。だからこそ、また「はじまり」があるのも、また須永博士の生き方から学びます。

 

ファックスの中に、「50歳で糖尿病」とありますが、30代から50代、展覧会で1年中日本各地を飛び回り、走り抜け、

展覧会の期間中(だいたい1ヶ所の展覧会で1週間から2週間ほど)は朝食後、会場へ行き、一人一人の人と向き合い詩を書き、昼も夜も食事をとらずに、夜8時過ぎに展覧会を終えて大好きなビールを飲みながらお腹いっぱい大好きなお刺身や焼き魚、ラーメンを食べる。それが明日への活力!!

そんな日常がず~~っとず~~っと続いていたようです。

さらに、講演会の時は、講演前には食事を摂らない須永博士。全身全霊で、自分の生きてきた人生や出逢いを語るには、お腹の中に食べものを入れたくない。なので、講演が続いていた時も、食事は本当に不規則で偏ったものになっていました。

ちょうど50歳の時、小国にアトリエを作り、それまでほとんど受けたことのなかった健康診断を受け、思いっきり「糖尿病」であることが判明!

一緒に旅を始めていた私から見たら「そりゃぁ、そうでしょう」という食生活でした。

それからは、なるべく3食バランスよく食べるように、そしてビールも控えめに・・・が理想ですけれど・・・

いやぁ、難しかったですね。

糖尿病講習を受けるように勧められましたが、「しょうこ、行ってきて」と。

その講習通りに食事を作ったって、それで足りるはずもなく、さらに甘いものが大好き。ビールだってやめられるはずもない。

それが20年続きましたね。

その須永博士が、今から8年前、70歳の時にパタッとビールを飲むのをやめました。

「卒酒」です。

この時も、60歳ごろからだんだんと、それまでの身体との変化を感じ始めて、気持ちは元気なのに、身体が、それまで1日で取れていた疲れが3日、1週間、10日間かかる・・・

そういう事も感じ始め、「もう、講演会も展覧会も無理かな…」とつぶやくことが増えてきました。

きっと、出逢ってきた方々には、そんなことを感じることは無かったかと思います。

パワフルで、明るくて、元気な詩人。

でも、私生活に戻ると、体力の衰えを感じていて、弱気にもなってしまう。

詩を書くことはできる。まだまだ気力もある。でも体力が…

その自分の中での葛藤の中で出した答え、「ビールはもういい!」と、70歳の時に自分で出して、それからは本当に1滴も飲んでいないです。

「命あるかぎり、詩人としての人生を全うしたい」

そう自分で決めて、70歳からは食事にも気を使い、大好きだったビールを卒業した須永博士は、自分でも驚くくらい、朝の目覚めが良く、それまでビールを飲んだら元気になると思っていたけれど、翌日だるかった・・・それが、飲まなくなってから、1日を過ごすのがとても楽になってきて・・・

そんなこともあったんです。

今、79歳になって、以前のように日本全国を飛び回ることはできませんが、もう一度初心に帰って「詩人」としての集大成を作りたいと話している須永博士です。

それと、先日、これから作りたいという詩集のタイトルが届きました。

 




「生きている」

シンプルな言葉。

シンプルな言葉の中に込められた須永博士の想いを、これからいっぱい聞いてゆきながら、編集してゆきます!

 

「生きている今」だからこそできること

須永博士の心の底にあるものを、さっき電話がかかってきて話していました。

「私が詩を書く原点は、

生きることを、正当に、誠実にを主体にしている。

でもその、正しいってことが人それぞれある。

時に、周りから見たらそれは違うよ、やめたほうがいいよ

と言われることもあるだろう

周りに迷惑はかけたくないけれど、自分の思いや信念を、良いものは良い、悪いものは悪い

おもしろいものはおもしろい、おもしろくないものはおもしろくないと言いたい。」

 

と。

その話を聞きながら、いろんなことを思い浮かべたりしました。

「生きている」詩集製作の進行状況もまた、紹介してゆきますね。

 

 

 

 

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