鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

台湾嘉義県訪問

2016年03月21日 | 議会活動

平成28年3月21日(月)

 

 台北から新幹線で1時間10分、東海道新幹線のひかり号で東京から静岡くらいの距離にある、嘉義県(かぎけん)を訪問しました。

 

 静岡県と嘉義県は地勢や経済など大変似かよっていることから、両県の交流が静かに潜行しています。

 昨日も川勝知事が嘉義県で行われている「世界お茶博覧会」に出席し、嘉義県の張花冠知事(女性)と会談しています。

 

 嘉義県知事と静岡県との出会いは、4年前の台北空港と富士山静岡空港を結ぶ航空便就航まで遡ります。当時、日華議員連盟の一員として、静岡空港発台北行き初便に同乗し、台北での記念レセプションに参加した際、張知事が出席されていました。その翌日、議員連盟一行は嘉義県知事公邸を訪問し親交を深めました。

 以来、議員連盟所属議員は訪台や知事の来静の機会の折に友好が重ねられています。

 

 私も、張知事とは今日で4回目の顔合わせとなりました。嘉義県庁で約1時間の意見交換会、その後の懇親会と約4時間にわたり、両県の今後の交流のあり方について忌憚のない意見交換をさせていただきました。

(熱弁を振る、張花冠嘉義県知事)


 張知事からは、私が静岡県議会文教警察委員長という立場で、日本の教育旅行を通じた両県の青少年の交流について考えを求められました。

 本県は、平成28年度以降の教育行政の柱三本のうち、「高校生の国際化」について進めており、嘉義県が想定している事業と合致しそうな状況を仮定として意見交換させていただきました。私は、4年ほど前に地元の高校修学旅行の行き先として、台北及びシンガポールという計画に関わることがあったこと。台北では2日間でしたが、台北市内の高校で現地高校生と日本の高校生が、同じ授業を体験しながら交流を深める事業に直接携わりました。その延長線上に、本県と交流が進む嘉義県は可能性が十分ありそうな場所という認識を持っています。嘉義県が受け皿を用意していただけるということであれば、実現性は高まります。

 張知事とは、その他の日本の教育の課題や、高校生に限らない両県の若者の交流の可能性などについて時間を割いていただき、意見交換できたことは大きな成果だったと思います。

 同行した他の議員には、彼らが得意とする分野で、観光、農業、産業、スポーツ交流などで議論を深めていました。

 

 張知事への公式訪問は今日のハイライトでしたが、時系列で嘉義県内での視察を振り返ると、午前10時頃台北駅から嘉義駅に到着した直後は、昔、精糖会社の倉庫だった建物を活用した「世界お茶博覧会」を視察。静岡県から出展し日本茶のサービス、茶の入れ方体験などのブースの視察や、世界の茶文化展示を見て、また体験して回りました。確かに、一言でお茶と言っても、製法やお茶の入れ方などを総合的に見ると「茶文化」が成立していることに気づきます。この博覧会には多くの若者も来場していました。

 日本以外では、若い人たちにもそれぞれの国の茶文化が浸透していて、日本の茶文化を自国民の若き人たちに理解し、継承していただくことにもっと積極的に取り組まねばならないことを痛感しました。

 茶文化はCool(かっこいい)ということを発信していきたいと思います。

(世界お茶博覧会場で出迎えていただいた嘉義県関係者)


(会場案内図)


(元精糖会社の倉庫を会場として活用)


(外観は倉庫だが、中はすばらしい展示室)


(茶器の展示)


(春夏秋冬をテーマとした茶の展示)


(台湾の茶芸ブース)


(静岡県から出展された皆さんによる日本茶体験)


(日本人作家の作品)


(こんなすばらしい茶器も。日本人作)


 

 二箇所目は、嘉義県布袋鎮というところにある、好美里海洋世界立体彩絵村の視察です。簡単に言えば、3D作品が展示されている屋外美術館です。

 3D(立体)作品とは、壁などの書いた絵が人の錯覚を利用して立体的に見えるもので、美術館とはいうものの街の中の壁面や広場の床面に描かれており、入館料無料で誰もが楽しめる作品です。その気軽さと芸術性に多くの観光客が訪れています。この来客は、漁師町に大きな経済効果をもたらしました。

 さらに、この仕掛けは地域にある全校生徒33名の小学生達によるものです。専門的な技法があるが故に、リード役としての専門家は存在し、学校が全面協力し地域と一体となって取り組んでいるものです。この小学校では、このような芸術分野だけでなく、湿地の生態教育や英語学習などにも取り組んでいます。

(太鼓演奏で出迎えてくれた、全校生徒33名の好美国民学校生)


(校長先生から学校の取り組みを紹介)


(生徒が取り組み状況を説明)


(説明を受けた校長室で全員で記念撮影)


(広場の床面に描かれた3D)


(街中の建物の壁面に描かれた3D作品)

 

 訪問団長から、私が静岡県の教育に関する議会責任者という立場で、この取り組みについてどう思うか、学校長と意見交換をという指示をいただきました。

 日本では小学校=義務教育の環境で、このような取り組みを実現することは困難。事業外で取り組むにしても、指導役や時間など課題を考えると決して簡単なことではない。

 ただ、特色のある教育や地域の特色を活かす、地域総ぐるみの教育支援などは、今の日本でも求められていることで、少子化で生徒数が減ってしまう危機感を何で解消していくべきか、頭数だけではない教育現場のあり方について考えさせられました。

 日華両国の子ども達の交流を進めることは、新たな時代に向け、国同士を繋げる大変重要な機会を設けることにつながると感じました。

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