GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

工場の犬

2010-05-27 20:24:57 | 生活
昨年この工場に来たときは犬が三匹飼われていました。つまらぬ冗談を言ったり自己顕示欲を抑えることのできない人間よりは犬と触れてた方が余程心休まる思いがしてました。それでも当初は匂いが違うのか、警戒されて新参者になかなか慣れず、お菓子の「リッツ」を分けてどうにか距離を縮めました。

「リッツ」を食べるようになって懐いたは二匹だけで、残る一匹は最後まで匂いを嗅ぐだけで咥えようともしません。この三匹の関係には序列があるようで、毛の長い外来種犬が親分格。三匹とも世話らしい世話を受けているわけではないので毛は汚れ、皮膚病におかされてました。特に毛の長いテリア風の犬は痛々しいほど。

それがテト休み明けには親分格とその次の順位の2匹が姿を消し、替わって愛玩犬風の犬が来ていましたが、いつの間にかその犬も居なくなり、今は写真の犬一匹だけです。この残った一匹はリッツも食べず、他の犬と違って極度に人間を恐れて懐かず、犬同士でしかコミュニケーションがとれないようだったのに。

餌は主に昼食時に従業員がテーブルの下に落とす肉や魚の骨。時にご飯に混ざった石を口の中のご飯ほど吐き出しりしたものも綺麗に食べてしまいます。猫ならば人の目を盗んでテーブルに飛び上がって盗もうとするのでしょうけど、ベトナムの犬がそんな大胆な行動をとったところは見たことがなく、悲しいほど従順に落とされたものだけを食べています。

連休前の飲み会で牛肉を食べに行った時は、店にシェパードが飼われていました。かつての米軍の軍用犬の子孫なのかどうかは知りませんが、ベトナムの在来種と比べて体格はやたら大きく見た目には恐怖を覚えます。しかしベトナム社会で飼い慣らされてしまうと習性は在来犬と変わりません。客がテーブルの下に落とした骨を恐る恐る食べに来るシェパードの姿は哀れです。「お前にはプライドがないのか」!などと思ってしまいます。

工場のボケ犬は仲間が居なくなってしまってからは元気もなく、この暑さのせいかも知れませんが、以前は4へクタールある工場の敷地内を歩き回っていたものが、今はひたすら事務所の前で眠り続けています。賄いのオバサンが植えた雑草のような野菜畑で眠るのが好きなようでしたが、そうするとオバサンに見つかって追いやられてしまいます。

先日は目の周りにダニをぶら下げていたのでピンセットで取りました。それ以来多少懐くようになり、きょうは甘えるような声を発してゴロンと身体を横たえましたが、皮膚のただれを見るとちょっと触る気にはなれません。オロナイン軟膏を塗って効果のほどを確かめてみようかとも思っています。