常識について思うこと

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哨戒艦沈没報道への感想

2010年06月10日 | 社会

最近、朝鮮半島情勢に関して、どうも腑に落ちないことがあります。それは他でもなく、韓国の哨戒艦沈没を巡る動向についてです。本日の報道によると、北朝鮮が国連安保理に書簡を送り、哨戒艦沈没は、米国主導の陰謀であると申し立てているようですが、それには一理あるように思うのです。

哨戒艦沈没が起こったのは、2010年3月26日でした。当時、私の家族が韓国にいたこともあり、大変、心配したのを覚えています。

-北朝鮮からの攻撃だったら、戦争になるし困るなぁ・・・-

しかし、その不安は、ひとまず解消されました。それは、当時の報道で、北朝鮮が関与している可能性は低いとされていたからです。

以下は、3月28日の「nikkansports.com」からの引用です(当時は、もっとあちこちで報道されたと思うのですが、どうも今見るとなかなか見当たらず・・・)。

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韓国哨戒艦2つに割れ沈没、不明者捜索

韓国軍は28日、北朝鮮との南北境界水域で沈没した韓国海軍の哨戒艦(1200トン級)について、艦船や航空機を動員し行方不明者46人の捜索を続けた。国防省によると、哨戒艦は爆発が起きた後、船尾からほぼ3分の1のところで船体が2つに割れて沈んだことが新たに判明した。

在韓米軍トップのシャープ司令官は同日、報道資料を通じ、これまでに北朝鮮の軍に「特別な動きはなかった」と言明。沈没に北朝鮮が関与した可能性が低いとの見方を示した。

沈没の原因究明に向け、船体の状況確認などのため韓国海軍の特殊救難隊員が現場海域に潜ったが、激しい潮流のため作業が難航。29日からは米軍の救助艦も捜索に加わるという。

李明博大統領は、哨戒艦沈没後4回目となる安保関係閣僚会議を招集し、原因の徹底調査を指示。鄭雲燦首相を現場に派遣した。政府高官によると、その後の情報分析でも、当時、周辺海域に北朝鮮の軍艦艇が侵入したり、北朝鮮地域から砲撃が行われた形跡はない。

国防省によると、船尾部分は白■島の南西約1・9キロの沈没開始地点で見つかり、船首部分は東南方向に約7・4キロ流されていることが分かった。船尾は爆発直後に沈み、行方不明者のほとんどは船尾にいた兵士とみられる。

韓国政府は日米など6カ国協議関係国に、状況を順次伝えている。

一方、行方不明者の家族の一部は軍艦艇で現場海域を訪れ、捜索の様子を見守ったが、「説明が不十分だ」と不満を募らせている。(共同)

※■は令の右に羽の旧字体

[2010年3月28日23時4分]
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結果として、当初、このように可能性が低いとされていた「北朝鮮からの攻撃」に落ち着いたわけです。私としては、そうであったにもかかわらず、どうして最初に、このような報道がなされたのか、大変、不思議に思えてしまうのです。

そして、いろいろと情報を漁ってみると、実はこの事件、韓国哨戒艦と米国原子力潜水艦の衝突事故だったという話があるようです。その論拠については、既にいろいろな方が、さまざまな視点から書かれているので、ここでは省きます。ただ、私なりには、そのように考えた方が、その後の北朝鮮や米国の反応を含めて、しっくりとくるような気がするのです。

一方で、韓国の主要メディアでは、米国の原子力潜水艦関与説を「怪談」と称して、こうした説の拡散を防ごうとしているように見受けられます。

中央日報(日本語版)では、「米軍核潜水艦と衝突して沈没?…「天安艦怪談」取り締まりへ」と題して、「ソウル地方警察庁サイバー犯罪捜査隊は天安艦沈没事件に関して犠牲将兵の名誉を毀損したり検証されない内容を真実であるかのように流布したりすれば、その行為を厳重に取り締まると明らかにした」と報じています

「怪談」の性質をどのように捉えるかはさておき、 「怪談」が出回るには、それだけの理由があると考えるべきでしょう。それには、この事件を巡る当局のチグハグな対応も含まれると思われます。そしてまた、その「怪談」を厳重に取り締まるというのには、(当局にとっては都合が悪い)それなりの背景があるものと考えます。

マスメディアを通じて発表されるものをどう捉えるかは、それぞれの自由です。これを強制することはできません。ただ少なくとも、それに大衆が乗せられ、戦争という多くの生命が犠牲になるような事態は、避けなければならないと考えます。そしてまた、万が一、その情報が虚偽であった場合には、それを信じた大衆を含めて、その犯罪への加担者となるということを忘れてはならないと思うのです。

そうしたことから、私なりには、マスメディアからの情報に触れる大衆の一人として、常に「多くの生命が犠牲になる可能性」を鑑み、それだけの覚悟と緊張感を持って、マスメディアからの情報に触れなければならないと思うのでした。

《おまけ》
上記のような観点から、今回の件を巡っては、私なりに北朝鮮の言にも一理あるように思っています。ただし、だからと言って、彼らの肩を一方的に持つつもりもありません。彼らの主張が国際社会で通用しないのは、これまでの彼ら自身の言動に起因しているもので、彼ら自身の問題だと考えます。また一方で、これからの日本としては、きちんとした独自の調査能力を有し、それに基づいた意思決定ができる体制を整えることが課題となるでしょう。私としては、そうしたことを含めて、次世代の情報通信システム(次時代インターネット)をきちんと構築しなければならず、それは我々が成すべきことであろうとあらためて強く思うのでした。

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