常識について思うこと

考えていることを書き連ねたブログ

ボランティアさんに感謝

2010年07月14日 | 産業

インターネットが参加型メディアであり、ユーザーに開かれたシステム(オープンシステム)であるということにこそ、とても重要なポイントがあることは、繰り返し述べているとおりです(「次世代インターネット」等参照)。

最近、よく利用しているアメーバピグでも、それを痛感させる出来事がありました。

アメーバピグは、ネット上の仮想世界で生活するもので、アバターと呼ばれる自分のキャラクターを使って、そのなかを行き来します。昨日は、タイムトラベルをして、カリブ海の海賊船に乗りました。とにかく初めての私は、何が何だかよく分かりません。船の両脇には大砲があるのですが、とりあえず面白いので、バンバンと適当に撃っていました。

その内、船の真ん中あたりで、やたらと元気に「指示らしい」言葉を発している人がいるのに気付きました。

-○○さん、そこはどいてください-

-皆さん、私がジャンプしますから、着地のタイミングに合わせて!-

-勝手に連射しないでください-

どうやら、大砲の撃ち方を指示しているようなのです。私以外にも、訳が分からないま適当に撃ってしまっている人がいるので、なかなか収集がつきません。しかし、しばらくすると、皆がその人の存在に気付き、耳を傾けるようになり、だんだんと全員がひとつになるのが分かりました。その人が船の中央でジャンプをすると、大砲の射撃手全員が、その着地に合わせて砲撃を行うようになるのです。

しばらくこれを繰り返していると、船の向こう側からニョキニョキと巨大なイカが姿を現しました。どうやら、全員の一斉砲撃によって、巨大イカが現れる仕組みになっているようなのです。

-見えましたか?-

-見えてない人いたら、もう一回やりますよ!-

しばらく、海賊船からの大砲撃が続いて、巨大イカが何度か現れたり、消えたりを繰り返しました。それらが一旦、落ち着いたところで、私はその人に近寄って、ちょっと話しかけてみました。

-ピグのスタッフさんですか?-

そのあまりの熱心ぶりと、砲撃手をまとめるリーダーシップに感服し、おそらくスタッフではないだろうとは思いつつ、こう質問してみたのです。すると、その人は笑って、「よく言われますww」と答えながら、自分はボランティアで、みんなに巨大イカを見てもらいたいからやっていると言いました。

-これぞオープンメディアの醍醐味!-

従来のように発信者と受信者が決まってしまっているメディアでは、「砲撃手たちをまとめる」といったような仕切りは、そこの運営者であるスタッフ等が、「ユーザーへの説明」という仕事として行っていたでしょう。しかし、インターネットのようなオープンメディアでは、それぞれがその世界のなかで、好きなように振る舞えるのであり、従来であればスタッフがすべき「仕事」を、謂わばボランティアでもこなしてくれるわけです。

そこには、そのボランティアさんの「みんなに巨大イカをみせてあげたい」という善意が存在するわけで、それをうまく活せる仕組みを構築することこそが、これからのインターネット事業者のすべき仕事であると考えます。私としては、それを厳密に追求する意味でも、これからのインターネットでは、それにプラスしてボランティアの方に感謝の気持ちを伝えられる仕組み、お賽銭のようなチップを支払えるシステムが必要だろうと思っています(「お賽銭モデルの提唱」参照)。

ただそれでも、ひとまずは昨日の海賊船での出来事を目の当たりにして、あらためて、私が考える次のインターネットの仕組みを支える「人々の善意」があるであろうことは、きちんと確認できましたし、それだけでも大きな意味があったと思うのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする