秋海棠のおやつ

裏庭から、台所の後ろに掛けて秋海棠の花が盛りである・・・
裏庭の秋海棠は、私の子供のころからいつも目にしていた花である・・

台所の後ろには、母が大事にしていた、九輪草が一面に生えていたが・・・
いつの頃からか無くなっていた・・・
母が亡くなってからだろうか・・？

九輪草が姿を消すと・・・地続きの裏庭から秋海棠がいつの間にか侵入して来ていた・・・
ちなみに、秋海棠は多少、お茶をたしなんでいた父が大事にしていた花である・・・

二人ともすでに鬼籍に入ったが・・・結局地上では父の大事にしていた秋海棠が勝ってしまった・・・

母を不憫に思って、一度園芸店から九輪草を求めて植えてみたが・・・
すでに勝負の付いていた陣地争いで、九輪草の居場所は失われていた・・・

秋海棠の茎の、清涼感のある酸っぱさを、子供の頃にはおやつ代わりにしゃぶっていた・・

昨日、短歌会の例会に持ち出して、おやつ代わりの話をしたが・・・会員の中では誰もおやつの経験は無かったそうである・・・

父から教わった秋海棠の茎の味だったが・・・我が家だけの味だったようである・・・
そんな父に忠義を尽くして・・・今も秋海棠は我が家の裏庭で花を咲かせている。