桃源郷

用水路のほとりに、昔、鯉を放していた池がある・・・
終活の一環で、鯉を飼う事を止めてから数年になるが・・・池の中は土砂が溜まり出して浅くなっていた・・・

何時の頃からか芹が繁茂して来た・・・
毎年、秋の鍋の時期には芹鍋にしていたが・・・
春の芹も・・・食べられるようになった・・・

子供の頃には、春の初めのまだ野菜が畑に無い頃に、田んぼの畔に生えている芹を摘んでいた・・・
当時、芹摘みは子供の仕事になっていた・・・

包丁で、地面を這うように生えている芹を、一本一本摘み取って、籠一杯になった芹を母に見せると・・・たいそう喜んだ母の顔を見るのが嬉しかった・・・

みそ汁の具・・・芹のお浸し・・などで芹の香を一杯に吸っての食卓は・・・・

幸せを存分に堪能できる・・・・桃の花も咲く春の山村は・・・・・・まさに桃源郷だ

急遽種蒔きをする

急遽、種蒔きをした・・・
4月1日にする予定だった種蒔きだ・・・
昨日から浸種してあった籾に温度を掛けて鳩胸状態まで芽を出していた・・・
明日の31日は乾燥に当てていたが・・・4月1日用事が入ったので・・・扇風機で浸種の籾を乾かし・・・・急遽、今日の種蒔きになった・・・

妻が退職してから、一人農業も二人農業になったので農作業は全てに余裕が出来て来た・・・・

作付けも減らしている・・・
80歳からの稲作は・・これくらいで丁度良い・・・・

残り時間には高校野球を観て・・・・4時20分からは「純ちゃんの　応援歌」・・・・純ちゃんの女将さん業は・・・・・大丈夫・・・？

高校野球の試合も終わったので・・・さあこれから・・昔の朝ドラ再放送「純ちゃんの応援歌」と楽しみに待っていると・・・
ＮＨＫは、終わった高校野球の解説を延々と流している・・・
出場校の関係者でもないのに・・今まで観ていたばかりの、しかも・・・一方的試合の解説を延々と流されても・・・・

他局に回すと・・ウクライナへのロシア軍の侵略戦争は・・見るに堪えない・・・
テレビの映像だけの情報なので・・何が何だかわからない戦争である・・・
ロシヤにも、越境将軍として喝采を浴びた林中将が居るようだ・・どこの国でも、国民は無責任だ・・・・

砲座や側壁に兵士を乗せて走行しているロシアの戦車の映像を見ると・・・第2次世界大戦中の映像と間違えそうである・・・
近代の戦車でも兵士を砲座などに乗せて戦場に向かうのだろうか・・・？
兵士の移動にはもっと近代的な兵員輸送車などがありそうなものである・・・

日本の自衛隊の戦車でも兵士を乗せて走行している映像などは見たことが無い・・・
軍事大国ロシヤは・・・虚像かもしれない・・・

昔、千歳空港に亡命したミグ戦闘機には、まだ真空管が使われていたと言う噂を聞いたことがある・・・

絵になる老夫婦

納屋の中を片付けていると・・・
ピーチパラソルを立てる組み立て式のテーブルセットが出て来た・・・・
孫たちがまだ小さかった頃に息子が求めたテーブルである・・・
使わなくなって邪魔になり・・・田舎の物置なら置き場所に困らないだろうと置いて帰ったテーブルのようだ・・・

孫たちが大きくなって使わなくなったテーブルなら・・高齢者夫婦ならなおさら使うことも無い・・・

粗大ごみにでも出そうかと納屋から引き出したが・・・・
妻の提案で・・庭先の蓮池のほとりに据えて置くことにした・・・

天気の良い日には、外でお茶をするのもよかろう・・・・
家庭菜園の畑や田んぼも・・・傘寿を迎えた今年から縮小することにしている・・・

行動自粛で、時間はたっぷりとある・・・
蓮の花が咲く夏・・・・蓮池のほとりのピーチパラソルの下でお茶をする老夫婦の姿は・・・

絵になりそうだ・・・・

春の訪れ

病院への送迎を頼まれて三刀屋まで出る・・・
三刀屋土手の桜の開花は・・・ようやく1分咲きぐらいにはなっていた・・・

それでも饅頭、たこ焼き屋さんは・・・3軒ばかりの出店だった・・・
いよいよ・・・お花見が始まる・・・

もう2年余りも、コロナで外出自粛の中でのお花見が続いたが・・・
今年はどうだろう・・・連日のコロナ情報では・・・まだ収束とは行かないようである・・・
私達夫婦は3回目ワクチンの接種は終わっている・・・周囲の人に尋ねても・・高齢者の接種は随分と進んでいるようだ・・・・
気分的には、インフルエンザの流行時の様な思いがしている・・・これが悪いのだろうか・・・？
早くワクチン接種が行き渡って集団免疫が完了して欲しいものである・・・・

帰宅して我が家の庭の、老桜を見上げると・・・・
まだまだ蕾は固い・・・
家の前の蓮池に産み付けられたカエルの卵も・・・寒さからか、なかなかオタマジャクシの泳ぎ回る姿を見ることが出来ない・・・

水稲の種蒔きを4月1日に予定している・・・
老農には・・・訪れが遅いように感じられる春だが・・・若者には早く来るらしい・・・・・
街を行く若者の姿には・・早くも春の気配がする・・・・・

ゴボウの栽培床

ようやく春らしい陽気になった・・・
これでなくちゃー　　　春が来たとは言えない・・・

今日は、畑にゴボウの播種床を作る・・・
母から、「春一番の種蒔きはゴボウからだよ・・」と聞いていたが・・・どうしてゴボウの種蒔きを一番にするのかわからない・・・
判らないままにも・・・なんとなく母の言葉が残っていて・・・ゴボウの種蒔きを最初にしている・・・

ゴボウは収穫の時が大変だ・・・
ゴボウの長さに合わせて畑を掘り下げるための、ゴボウ堀用の小槍が農家には用意されていた・・・

私は今は、肥料の空き袋の上下を切って、筒状にし・・・・ゴボウ用の床で作っている・・・
床を作るときは面倒だが・・・ゴボウを収穫する時には、鎌で肥料袋を切り裂くだけで掘り出すことが出来る・・・
私のアイデアではない・・・友人のゴボウ畑を見てから真似をしている・・・

百姓は・・昔から真似をしながら自分の作物の栽培方法を進化させていた・・・・・

真似した・・と言われながらも、国を代表する大企業になった大会社にあやかりたい・・・・

記念樹

背戸の庭に植えていた、長男が小学校の卒業時に戴いた記念樹の梅の花が満開になった・・・
何時もの年なら、まだ雪の残る時期に花が咲くが・・・今年は彼岸さくらが咲く時期の満開である・・・

もう孫たちが成人式を迎えるようになっているので・・今更小学校卒業の記念樹でもないが・・・
梅の花を見るたびに、息子の小学校卒業の頃を思い出す・・・

梅の木の記念樹はまだいい・・・
集落内のある家庭の、お子さんの記念樹は・・当時、欅が配られたそうだが・・・
土蔵の裏に植えられた欅は、十数年も経つと・・・屋根を超すほどの大きさになり・・大きく屋根に覆いかぶさっていた・・・

とうとう数年前に、職人さんを頼んで伐採された・・・
その費用は馬鹿にならない金額だったそうである・・・

小学生の記念樹・・と言っても馬鹿にならない・・・とんだ記念になることもある・・・・

梅の木の記念樹は、毎年、庭木と一緒の手入れをしているので・・・
もうこれ以上大きくなることも無かろう・・・・

80歳になった私が記念樹を植えるとしたら・・・樹木葬を兼ねそうである・・・

ロビーの生花

この頃は、病院のロビーに活けられている花が楽しみの一つである・・・・
どこかの華道教室の生徒さんの作品だろうか・・？　何時も季節季節の花が活けられている・・・

高齢者となって・・・花の活けられている料亭や会館などに出入りする機会など無くなった・・・
老人の出入りするところでは生花などが飾られているところは・・・あまり無い・・・

昔なら・・・小さな地区でも華道の先生の一人や二人は見聞きしていた・・・
華道教室なども盛んだったように記憶している・・・
陶器屋などもあり・・・店先に・・花器なども日常的に見る機会があったが・・・

今は・・・いろいろな流派の、いろいろな花器に活けられた・・・季節季節の花を愛でる機会も・・・・

病院のロビーだけとは・・・　高齢者の行動範囲も狭くなった・・・　

カーネルおじさん

用事で出雲市に出掛けた・・・
妻も同行していたが・・・久しぶりにケンタッキーの店に寄り、フライドチキンを買った・・・

まだ子供たちが小さかった頃には、クリスマスのご馳走と言えば・・・ケンタッキーフライドチキンに決まっていた・・・
貧しかった我が家ではクリスマスのプレゼントなど・・・ほんの申し訳程度の品だったが・・・七面鳥の丸焼きの代わりにはケンタッキーを奮発していた・・・
子供達もクリスマスの一番の楽しみだったようである・・・

明日は私の誕生日である・・・
そのためのケンタッキーでは無いが・・・私はケンタッキーのご馳走で充分である・・・
佐藤愛子女史ばりに・・・・「80歳　何がめでたい」と言ったところだが・・・
カーネルおじさんの立像を見ていると・・・なんとなく幸せ感が漂う・・・

カーネルおじさんは、60歳から頑張ってフライドチキンを世に出したらしい・・・
真似は出来ないが・・・・生き様には学びたいものがある・・・

70代最後の夜は・・・鯖などの青物の造りが好きだった私の注文で買って来たイワシの造りで一杯だ・・・
未知の世界の80歳を迎えるのが楽しみである・・・・

豌豆藪を立てる

この頃、雨が多いので畑の始末が出来ない・・・
午前中の晴れ間を縫って豌豆の藪を立てる・・・・

午後には又・・・小雨模様になった・・・
昨日の短歌会の詠草を整理して新聞投稿の原稿をメールで送る・・・
昔は、新聞社への投稿も、原稿用紙に清書して郵送で送っていたが・・・世の中の全てが進化した・・

小学校では、生徒一人一人にアイパットが支給されたようだ・・・・
もう・・80歳の老人にはついて行けない世の中である・・

少し前に大阪に行った時には、地下鉄に乗るのにも、新幹線に乗る際にも・・・難儀をした経験がある・・・
それこそ人並みについて行けなくなった・・・

地下鉄どころか・・・まだ孫が小さかった頃に大型ショッピングセンターに入ったが・・・
マクドナルドや、ドーナツ店で注文しようにも、早口の店員さんの指示について行けない・・・同行の5才の孫に対応してもらう有様だった・・・・

都会生活と言っても・・何が便利な世の中なものか・・？
あんなに速足で歩いて、買い物も自分で計算して、注文するにも矢継ぎ早に聞かれて、やたらとカードをかざし・・何かと人に急かされる生活など、年寄りには無理だ・・・
田舎の生活がいい・・・コロナで外に出掛けなくてもよい生活はもっといい・・

大相撲も面白くなった・・・・






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サンシュウの花

庭のサンシュウが花ざかりだ・・・
数年前、隣町のお寺にお邪魔した時、庫裡の玄関わきに、サンシュウの見事な枝振りの古木があり・・・黄色い美しい花が咲いていた・・・
サンシュウの花は別名、ハルノコガネバナ・・・と言われるそうだ・・・
本当に、黄金色をした小さな花は、折からの朝日に映えて・・・それはそれは美しかった・・・

帰りに園芸店で求めて、我が家の庭に植えたサンシュウである・・・

九州の椎葉村に伝わる民謡、ひえつき節の中のサンシュウ木の下での悲恋物語を想像して・・・楽しんでいたが・・・

どうも聞くところによると、ひえつき節に歌われているサンシュウは・・本当は山椒の木だそうである・・・
本場宮崎県椎葉村の住民の話によると・・・
椎葉村には、サンシュウの木は全く生えていないそうだ・・・
山椒がなまって、サンシュウの木と歌われたのが真相のようである・・・・

稗搗き節に唄われていた悲恋物語に憧れて求めたサンシュウの木だが・・・間違いだったと聞くと・・・ちょっとがっかりだ・・・

ハルノコガネバナの美しい名前に免じて・・・椎葉村の間違いも帳消しにしたい・・・