ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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背景や前提を考える

2010-11-12 | 育児
言葉は、長年の体験や経験を経る事にその数は増えていきます。そして、複雑になり、次第に互いの意志をうまく伝える言葉を見つけるのが難しくなっていきます。詳しく伝えることが大事だと思いますが、それ以上に大切なことは、その言葉の背景や前提を考えることではないかと思いようになりました。
 何気なく使っている言葉に気づくと無意識のうちに子どもたちに伝えていることの影響の大きさに驚きます。
・一人一人違っていい
 違っていいということは、その背景に同じでなければならないという思いがあります。もともと一人一人は違うと考えに立つならば、この言葉は使わなはずです。ただ、子どもは、同じでないと不安を感じるものです。ですから、違っていてもいいのだという思いに立たせるためには、この言葉が重要になります。育てる側ならば、違うことは当然としてこの言葉を使い、個性を発見することに努めたいと思います。
・間違ってもいい
 間違ってもいいということは、その背景には、間違ってはいけないという思いがあります。当然間違えるものだという考えに立つならば、この言葉は使わないはずです。間違いをしないように力を入れれば入れるほど、間違うことがいけないことだと強化されていきます。失敗を恐れる子どもは、これを強化された子どもです。失敗しても学びがあると考えていれば、失敗は恐れるものではなくなります。
・心配しなくてもいい
 心配している姿を見ていることが前提になります。心配している状況を変えたいから、心配しなくてもいいと言うことになります。でも、心配しないと言われても心配しないでいる姿は浮かびません。それよりも「大丈夫」という言葉の方がイメージしやすくなります。
・廊下は走らない
 廊下を走る姿が前提にあります。走らせないためにこの言葉を使いますが、これもイメージするのは、走っている姿が浮かびます。それよりも、「廊下は歩きなさい。」の方が、走らないでいる姿がイメージしやすくなります。
 言葉にこだわって背景や前提を考えているとそれだけにとどまらず、行動の背景や前提も考えることが増えてきます。実際にはこのことの方が子どもを見ていると気になることが多くなります。
・むしゃぶりつくようにご飯を食べる。
 おいしくて元気よく食べているのだから素晴らしいと思っていたが、実は常に虐待を受けて、常に空腹な状態だった。
・学校に行きたがらない。
 学校に何かがあって行きたくないと考えて原因を探っていたが、実は親のそばから離れたくなかった。
・宿題を忘れたと言いにきた。
 宿題をしていない姿を追求し、取り組み方を指導したが、実は悩みがあって宿題が手につかなかった。
・友達にいたずらをする。
 友達を困らせるいけない姿だと指導をするが、実は友達がほしくて、こちらに気を向けたかった。
・友達のものを隠した
 友達を困らせるいけない姿だと指導するが、実は相手が怖くて、言い返せない不満があった。
・「お母さんの馬鹿」と言って無視をした
 親に向かって馬鹿とは何だと叱ったが、実は、「私をわかってほしい。」という気持ちがうまく伝えられなかった。
 言葉や行動の裏をじっくりと考えることで、事の真実が見えることがあります。目の前に起こることで振り回されていると、本質を見失ってしまうということだと思います。
 常に冷静に視野を広げながら、子どもを見ていないと見失ってしまいます。
 子どもは自分をうまく表現できないものだという前提に立って子どもを見ることで見落としがちなものが見えてくる気がします。
 といいながら、熱く語ってしまう自分が目の前にいます。


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