ひよりの音楽自己満足

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早坂紗知さん 4

2008-06-26 12:22:42 | 早坂紗知さん
 1997年にはドイツでおこなわれたJAZZフェスティバルにも出演され、翌98年にはあらたにサックスカルテット中心のグループ<Black Out>を結成するなど、精力的に活動されている<早坂紗知さん>。この年の11月には次回作に向けてニューヨークでレコーディングをされます。そして1999年3月、今度は<早坂紗知&Stir UP!with New York Friends>として「Double Rainbow」というアルバムを発表します。ユニット名の通り、今回は早坂紗知さん、永井利樹さん、そしてピアニストの<フェビアン・レザ・パネさん>の3人のTokyoチームと、ヴァイオリンの<定村史朗さん>、パーカッションの<Emedin Riveraさん>、ドラムスの<フェローン・アクラフさん>の3人のNew Yorkテームでレコーディングされたそうです。紗知さんはこの10年前くらいにフェローンさんとセッションされたことがあったそうですが、当時はまだ黒人ドラマーについていくだけで必死だったとか。でもフェローンさんの素晴らしいドラミングが心に響いて、いつかまたフェローンさんとやりたい、と心に決めていたそうです。New yorkチームの日本人の定村さんは、素晴らしい演奏だけでなくNew York側のコンポーザーとしても活躍されたとか。その定村さんの紹介で参加されたのがEmedinさんだとか。ピアノのフェビアンさんは前作にも参加されています。

 アルバム1曲目は「カナビスの輪/Ring of Cannabis」。この曲では韓国の伝統的なリズム(5.5.6.5.5.4.6)を用いているそうです。ドラム&パーカッションからはじまり、そのリズムとは対照的にピアノの悲しげなメロディがゆったりとながれ、それに続いてヴァイオリンも。そしてアップテンポになってSax、ピアノのソロが。終盤にはダイナミックなユニゾンを決めたあとダンサブルなビートにのっての優雅なソロを。 2曲目は「Double Rainbow」。紗知さんがずっと以前から曲で、タイトルを決めかねていらしたのですが、ヨーロッパツアーのときにふとこのタイトルがひらめいたそうです。鈴とシンバルから静かにはじまり、そこにピアノが加わってそしてSaxも。ゆったりと透明感のある爽やかなメロディを奏でて。まさに雨上がりで大空に虹が見えるような感じですね。中盤からはパワフルなSaxが、そしてそのあとはゆったりと美しいピアノソロが。ラストは元のフレーズでFin。
 3曲目は「Like a Bird(dedicated to Thomas Chapin)」。98年に若くして天国へ旅立ってしまった、尊敬するSax奏者に捧げる曲だそうです。ピアノからはじまって、パーカッションがサルサリズムを叩いて。ダンサブルだけどどこか陰が感じられる曲ですね。 4曲目は「May Storm」。ウエストサイド物語のアメリカをイメージしたそうです。ゆったりとしたムーディなSaxソロからはじまりますが、途中軽やかなパーカッションリズムも。終盤では軽やかなリズムでのピアノソロも。
 5曲目は「冬の遊園地/The Coneyisland In Winter」。ピッコロのような可愛い音色からはじまり、木製パーカッションの素朴なサウンドとゆったりとしたピアノの音色。そしてそれがピアノとSaxに代わって豊かなメロディを奏でて。そしてSaxソロへ。どこか寂しげな雰囲気ですね。後半にはベースソロも。 6曲目は「Black Out」。パワフルなリフからはじまり、ズンズンってベースが響いて。ミドルテンポのダークで不安感を煽るようなミステリアスな雰囲気の曲ですね。ラストはドラムvs他楽器のパワフルな掛け合いも。
 7曲目は「I Remenber Jackie」。ベースソロからはじまり、暗いメロディのピアノが加わって、そして叙情的なゆったりとしたメロディをSaxが奏でて。哀しみのブルーズでしょうか。情感のこもったSaxソロのあとは、アップテンポのピアノソロが。ラストは再びゆったりと。紗知さんが10年前にNew Yorkに行ったとき、日本に帰る前にどこかで演奏したい、と思い、地下鉄構内でゲリラライブをやったそうで。それが大盛況だったとか。その年のクリスマスになんとそのとき見ていたタクシー運転手のJackieさんからクリスマスカードが届いたそうです。それからしばらくJackieさんと文通して、New Yorkデビューのときには再会もはたしたそうで。でもJackieさんはいまは天国に・・・
 8曲目は「Little Tree」。ファンの方から贈られた同じタイトルの本を読んで感動して作った曲だそうです。早いパッセージからはじまる軽快なラテンリズムの曲。テンポチェンジも絶妙ですね。軽快なリズムにのった楽しいピアノソロや、フィドルのような軽やかななソロも。ここでは合いの手のように2本吹きも披露。そしてSaxとラテンパーカッションの掛け合いのあと、テクニカルなドラムソロも。ラストはメインテーマに戻ってFin。
 このアルバムでも夫でありベーシストの永井さんが紗知さんを励ましたり支えてくれたりと常にバックアップされたとか。夫婦の絆って・・・いいなぁ・・・

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