11.9.18 桜庭統さん

◇　2011.9.18　川崎CLUB CITTA
＜FANTASY ROCK FES 2011＞
　このブログでも多くのアルバムを紹介させていただいておりますが、スターオーシャンやヴァルキリープロファイル等、多くのゲームミュージック等を手がけられ、さらにソロアルバムも発表されている巨匠＜桜庭統さん＞。打ち込み主流のなかで、生ピアノやハモンド＆レスリー、メロトロン、アナログシンセ等も用いられる桜庭さん。さらにはごくたまにですがライブ演奏もされて。市販されているライブDVDももちろん持ってますが、そのド迫力の演奏に目が釘付けになって。いつか機会があればライブを観にいきたいなって思いましたけど、なかなかそういう機会はなさそうで。ところが・・・2010年暮れにビッグニュースが！ゲーム音楽界の巨匠＜植松伸夫さん＞と桜庭さんが出演するライブイベント「ファンタジー・ロック・フェス」が2011年3月に川崎クラブチッタで開催されるとのことでめっちゃビックリ！桜庭さんのライブなんて滅多にあることじゃないでしょうから、これはもう絶対に見逃せないと、チケット発売日に某CD店で並んでGETして当日を楽しみにしていました。しかし・・・公演間近でまさかの3.11。余震が続き、交通機関は乱れ、停電も。そんななかではやはり無理だったでしょうからイベントは延期に。そして世の中が少しは落ち着いた頃に9月に開催されるとの発表があって、当日を楽しみにしていました。

　さて当日。前バンドの演奏が終わってすぐに物販コーナーへ。そこで限定発売された桜庭さんのソロのミニアルバムとTシャツとパンフをGETして開演を待ちます。自分の席は前の方の左側で、スピーカーから5mくらいかな。今回のメンバーは桜庭さんの他、ベースが＜野間口浩さん＞、ドラムスが＜中村俊彦さん＞で、トリオ編成です。
　18時43分ころ、客席が暗くなってステージの幕が開き、スペーシーなシンセサウンドが幻想的にながれ、それが徐々にダイナミックになって、そして1曲目「Megrim」。アップテンポのパワフルなリズムからオルガンのテクニカルなリフが。そしてベースのパワフルなリフをバックにアグレッシブなオルガンソロ。その後ミドルテンポになってゆったりと雄大な感じになり、オルガンのテクニカルなリフが。中盤ではドコドコのパワフルなドラムから盛り上がってオルガンのアグレッシブなソロへ。終盤ではミドルテンポでシンセの伸びやかな音色が響き、そのままテクニカルなソロへ。ラストはオルガンリフとドコドコパワフルドラムで盛り上がってFin。この時点でお客さん半分くらい立ってたかな。

　ステージは向かって左に中村さんの1タム1バスの白黒縞のドラムセットで、ハロウィンTシャツにバンダナで”職人“風ですね。。中央が長髪メガネの野間口さんで、レッドボディのベースを抱えて、赤系のジャケット＆パンツでフリフリ白シャツで“貴公子”って感じでしょうか。よく見ると左手は白い手袋はめてるのかな？そしてステージ右の上手に桜庭さんで、木製オルガン＆レスリーにアナログシンセが3台くらいかな。オルガンは背面板がなくて配線むきだしで。そして背後にはグランドピアノが。桜庭さんは黒系のシャツとパンツすがたです。桜庭さんはてっきり左側かと思ってたんですけど、逆でしたね。自分の席からはちと遠いっす。

　続いて2曲目「Try again」。ベースのパワフルなリフからシャッフルのノリノリリズムがはいって、シンセのパワフルなリフ、オルガンのヘヴィなリフが。そしてミドルテンポでゆったりとなったあと、シャッフルのノリノリリズム、変拍子パワフルリズムからメロトロン風のダークなサウンドがゆったりとながれて。中盤ではシャッフルリズムでオルガンのアグレッシブなソロ、そしてシンセの流麗なトリルリフからダイナミックなリフへ。終盤ではベースのパワフルなリフにのってオルガンのアグレッシブなソロが。その後ミドルテンポでゆったり、アップテンポでノリノリになって、トリルリフをキメて。

　ここで桜庭さん、マイクを持って「ありがとうございます」って歓声に応えて。「最近作った”After all“というミニアルバムの曲を中心にやっていきたいと思います」って拍手です。そしてメンバーに「昨日も聞いたんですけど、このバンドはどうですか？」って振って。まずがベースの野間口さんです。「どうもこんばんは」って。お客さんもお返事を。「ボク、このバンド参加するの初めてなんですけど、こんな難しい曲をやったことなくて」って爆笑！でも「難しいなかでもメロディがキャッチーなんで覚えやすいんで、なんとか頑張れてます」って。次はドラムの中村さんです。「ボクは何回かやらせてもらってますが、回数を重ねるごとにどんどん難しくなっている」って。「ゲームでいうと、だんだん強いボスにチャレンジしていく自分」って。でも「やりがいがある」って大拍手です。

　「では次の曲に行きたいと思います」って桜庭さん。で、いこうとしますが、中村さんが譜面の準備に手間取って。準備ができると中村さんマイクを持って「昨日も言ったんですけど、絶対間違えます。約束します」って爆笑！その3曲目は「After all」。ハイハットのカウントからアップテンポの変拍子でダイナミックなリフがはいって、ヘヴィなオルガンリフへ。スリリングな変拍子の高度な曲です。その後ミドルテンポになって幻想的なベースソロが。バックではメロトロンサウンドがながれて。そして変拍子アップテンポになってシンセのパワフルなリフからオルガンのアグレッシブなソロへ。中盤ではミドルテンポでオルガンのフレーズがゆったりとながれ、ベースのヘヴィなリフからダイナミックなリフがはいって、変拍子アップテンポでアグレッシブなオルガンソロが。終盤ではドコドコドラムがはいって盛り上がったあと、ミドルテンポでシンセサウンドが雄大な感じでながれ、そしてベースのエモーショナルなソロが。ラストはシンセのテクニカルなソロから雄大なフレーズがながれて。

　続いて4曲目「Shade inside groping」。シンバルロールからミドルテンポでパワフルなドラムがはいって、シンセの哀愁ただようフレーズが叙情的にながれて。そしてオルガンの重厚なリフ、シンセの和風なしっとりとしたフレーズがながれ、オルガンのエモーショナルなソロへ。終盤ではメロトロン風の音色がゆったりとながれ、シンセの哀愁メロディが響いてしっとりと。
　さらに続いて5曲目「Lie」。ベースのテクニカルなアップテンポのリフからミドルテンポのパワフルなドラムがはいって、シンセの伸びやかなフレーズやテクニカルなリフがながれ、そしてベースとドラムがリズミカルでダイナミックなリフを。その後シンセのテクニカルなリフからオルガンのアグレッシブなソロが。中盤ではパワフルなドラムとベースのヘヴィなリフからシンセの伸びやかな音色が響き、ダイナミックなリフが。その後ミドルテンポでシンセのエモーショナルなソロ、オルガンのアグレッシブなソロが。終盤ではパワフルな変拍子リズムにのってシンセのテクニカルなソロが。ラストはパワフルでダイナミックなリフが。
　さらに続いて6曲目「The Way」。衝撃音が響き、シンセの鮮烈な音色がダイナミックに響いて。そしてアップテンポのノリノリのドライブ感たっぷりリズムでオルガンのメロディアスなフレーズがながれ、ヘヴィなリフやテクニカルなリフが。その後、ベースのかっくいいカッティングリフからミドルテンポのパワフルリズムでシンセのテクニカルなソロ、オルガンのアグレッシブなソロが。

　ここでソロコーナーです。まずは桜庭さんがグランドピアノに向かってピアノソロ。時に力強く、時に繊細で美しく、まるで川の流れのように緩急強弱織り交ぜて聴かせてくれて。特に超高速の弾きまくりはもう凄すぎ。ラストではピアノは打楽器かと思わせるくらいに弾きまくるというよりも叩きまくって凄い迫力です。
　続いてはベースにスポットライトが。地響きのような低音が響き、ダークでヘヴィなサウンドがディレイでホールをこだまし、次にヴォリュームノブを駆使したヴァイオリントーンを響かせ、そしておもいっきり弾きまくって。その後エフェクト効果かほとんどシンセキーボードのような音で弾きまくって。ラストをベースを高く上げて、そして床のモニタースピーカーにネックを擦りつけて。某ギタリストみたいっす。
　次はドラムにスポットが。まずはタム・ロータムを中心に叩き、そしてスネアを外してパーカッシブにティンパレス風に叩きまくったあと、スネアを入れてバスドラもドコドコで叩きまくって。そして見せ場はスティックをクルクル回しながらシンバルを叩いてお客さん超盛り上がり！そのまま叩きまくってFin。大拍手です。

　そのまま続いて7曲目「未確認神闘シンドローム」。ハイハットのカウントからミドルテンポのパワフルなリズムがはいって、4拍子でオルガンのパワフルなリフ、シンセの伸びやかなメロディがながれて。そしてオルガンのヘヴィリフからアップテンポのノリノリモードになってアグレッシブなソロへ。中盤ではミドルテンポで“威風堂々”のような感じのフレーズがながれ、そしてアップテンポになってパワフルなオルガンリフやシンセの伸びやかなフレーズがながれて。

　ここで桜庭さんがマイクを持って「ありがとうございます」「メンバー紹介します」って。「ドラムス、中村俊彦！」「ベース、野間口浩！」っておのおのに大拍手！そして中村さんが「われらがボス、キーボード・ピアノ、桜庭統！」って紹介して大拍手！「ありがとうございます」「最後の曲になってしまったんですけど」って桜庭さん。もちろんお客さんは「えぇ～！」って。すると桜庭さん「すいません」って謝って爆笑！

　オーラス8曲目「The incarnation of devil」。スティックのカウントからオルガンのダークなリフがはいって、そしてアップテンポの疾走リズムにのってシンセのメロウなフレーズやオルガンの哀愁を感じるフレーズがながれて。その後オルガンの変拍子リフから一旦止まって、ミドルテンポのリズムがはいってオルガンのエモーショナルなソロが。それが徐々にテクニカルにアグレッシブに。そしてシンセのアグレッシブなソロが。終盤ではオルガンのヘヴィでリズミカルなリフ、変拍子リフからアップテンポの疾走リズムがはいってドラムも叩きまくりで盛り上がって。ラストは中村さんが何度も焦らしてから♪ジャーン！でFin。最後は2/3くらいのお客さんが立って拍手です。

　曲が終わると大拍手大歓声！「ありがとうございました！」って桜庭さん。メンバーの皆さんはステージ前に並んで手をつないで何度もお辞儀を。大拍手大歓声のなか手を振りながら楽屋へ。時計を見ると19時46分。ちょうど1時間の凄いライブでした。
　もう「凄い！」のひとことに尽きます。弾きまくり叩きまくりでただただ唖然としてしまう場面も。スピードという点ではこれまで観たキーボーディストの中では1番かも。凄すぎですね。もちろんそれだけでなく、繊細で美しい曲も聴かせてくれたり、全くリズムとれないような超複雑で高度な変拍子曲もあれば、めっちゃノリノリで楽しい曲もありと、あっけにとられながらもとっても楽しめたライブでしたね。中村さんのドラムもめっちゃパワフルでかっこよかったし、野間口さんのベースもぶっとくヘヴィで良かったっす。次がいつかはわかりませんが、また機会があれば桜庭さんのライブ、ぜひとも観に行きたいっす。