意味がわかると怖い話２３９９ 「帰り道」

最近友だちの間で、嫌な噂が広まっている 
女子高だけに噂の広まり方は尋常じゃない 
誰にも言わないよ、というのは信用ならない 
噂というのは、中央病院前の十字路に、幽霊がでるというものだ 
いわゆる黄昏時、その十字路の近くを通ると幽霊と遭遇するらしい 

後ろに気配を感じ、不気味に思って走ると気配もついてくる 
立ち止まると気配もたちどまる 
そんな幽霊だという 

実際にあった友達もいた 
でも、その話をすると青ざめて涙目になり、ガタガタと震えてしまうので、詳しい話は聞けなかった 

病院で亡くなった人の無念が形となって現れただとか 
交差点で事故にあった人の地縛霊だとか 
いろいろな憶測が飛び交っている 

私は幽霊なんて信じる方じゃないが、なんとなく不気味なのでそれ以来その十字路には近づかないようにしている 
そこは私の通学路だったが回り道をするようになった 
５分・１０分のロスなんてどうってことない 


半月ほど経って、新しい通学路にも慣れた頃 
私は家族で旅行にいくことになった 
金曜の夕方に出発して土日の間夢の国で過ごすというスケジュールである 
楽しみだ 

気が付いたら出発の時間まであと１０分!! 
最短ルートを走ればギリギリ間に合う時間だ 
仕方ない、十字路通るしかないか 
私は走り出した 

中央病院が見えてきた 
あと少しで十字路…… 
その時、私は後ろに気配を感じてしまった 
何かが追ってきている!? 
怖さのあまり私はスピードをあげる 
後ろの気配もスピードを上げた 
どうしよう!!!! 
立ち止まって後ろを振り返ってみた 
何もいない…… 
よかった、気のせいか 

そして、私は全てを悟った