意味がわかると怖い話２９１４ 「シギタリス」

暖かな日差しがさす庭。
よく手入れされ
さまざまな薔薇が植わっている。

男｢完璧な青いバラはまだこの世にはないらしい。｣
女｢あら、残念ね｣

男｢もし、完璧な青いバラがこの世に生まれたら真っ先に、最愛の君にプレゼントするよ。だからーー…


あれから40年
いろいろあった。

結婚して、
子供ができた。
そして子供が一人立ちして、
のんびり老後を過ごす。
まさに幸せの絶頂だった。
でもそんな幸せは永遠になんて続かない。


夫が浮気をした。
すぐに泣きながら土下座をして謝った。
｢もう、二度としない｣
って。

でも…

さらにあれから数年
夫が心筋梗塞になった。

病状は重く打つ手はなく

最後は家で看取ってやりたくて、家で看病していた

最後まで私の手料理を食べて幸せそうだった。

しかし、そんな夫も最期が来た

最後に
｢〇〇さ…んの花…屋にある…青い薔薇…君にプレゼ…トしたか…た｣

といって息を引き取った。
生前
夫は散歩が好きでよく通ったルートにある花屋さんだ。

後日花屋に行くとそんな薔薇はないとのこと。

また、あの人私を騙したのかしら？いつだったか私を騙して他の女と居たときみたいに。


夫がいなくなり妻だけとなった家の庭
薔薇が植わっていた所にはジギタリスの花が赤々と咲き誇っている。

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