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しっとう?岩田亜矢那

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『64(ロクヨン)』 横山秀夫著 ☆☆ NHK土曜ドラマ原作、ネタバレ注意!

2015年04月24日 21時33分51秒 | 読書感想文
NHKの土曜ドラマの初回を見て嵌ってしまって、
急ぎ本屋で横山秀夫の原作の上巻を購入、もう翌日には下巻を買っていたね。

面白い、でこーなるか~。
「クライマーズ・ハイ」もそうだったけど元新聞社の記者だけあって、
サツ回りの記者の事はリアリティに富んで、そうなんだけど(実際は知らんし)
キッチリ批判もしている。

きっどさんが驚いたのは、この原作内容で、
NHKドラマ化、よく菅義偉官房長官からお許しを得る事が出来たな~って事である。
特定秘密保護法なんて完璧に批判してるからね、
今や、国営、もとい安倍ポチ政権営放送局のNHKとしては全く許されない内容なんだけど、
第2話以降でどう描いていくつもりなんだろう~、
やっぱりそこはカットで、中央官庁賛美に変えられるのかなあ?
となると2016年に佐藤浩市主演の映画化の方が期待かなあ~
「クライマーズ・ハイ」もNHK土曜ドラマから映画化の流れだったけど、
あっちはドラマが佐藤浩市主演だったけど。

「福島第一原発事故 7つの謎」 NHKスペシャル『メルトダウン』取材班著

2015年03月11日 12時19分36秒 | 読書感想文
著者が、今やすっかり安倍ポチ政権の出先機関と化したNHKである事。

吉田調書を始めとする「加害者側」からのデータを元にしている事。

吉田所長は既に故人であり、しかも英雄視されている事。

この3点からも、」相当割り引いて読まなければ、と覚悟していたが、
吉田調書を始めとする東電側からの一方的なアナウンスを盲信するのではなく、
ある程度客観的なデータを、いろんな箇所から引っ張り出す事によって、
一定の裏を取っている。

福島第一原発事故の原因の第一はやはり

原発というシステムは、まだまだ地球人が安全に取り扱えるような代物ではなかった。

と言う事なんだろうと思う。
にも拘らず、「原発」で銭儲けしたい政治家・官僚・研究者・企業という
「原子力ムラ」の住人たちが「安全神話」を勝手にでっち上げたのが「原子力発電所」である。
原発が危険な事は、「ゴルゴ13」の読者でも判る事、
つまり麻生元総理レベルの輩でも常識だったのに。

原因の第二は、

吉田所長を始めとする「背広組」の原発システムへの理解が不十分であった事である。

1号機の冷却機能喪失を気づくチャンスは何度も訪れていた。
この最初のつまずきが、この後次々と福島第一原発を襲うドミノ倒しの引き金を引いた。
反対に、初期の段階でICが動いてない事を認知していれば、負の連鎖は起こらず、
福島の地は全く違う状況になっていたかも知れない。

そして、最後に止めを刺したのが
菅政権の介入である。

ネトウヨ・ヤフゴミ諸君は、殆どこれが原因のように吊し上げるが、
順序的にはあくまで「止めを刺した」に過ぎない。
ただ、これは決定的だった。
一般的には事故直後、菅首相がヘリコプターで乗り込んだ事を問題視されているが、
真の「妨害」は我々が手に汗握ってテレビの前で釘付けになっていた
使用済み核燃料プールへの「自衛隊ヘリによる空からの放水」と「機動隊・自衛隊・消防庁による地上からの放水」
だったのだ。
このオペレーションによって、本来最優先されるべき電源復旧作業が中止を余儀なくされた。
そして放射性物質の放出量は、その時期が3月末までの総量の75%を占めてるんですな。
国民向けへのデモンストレーションによって余りに貴重な時間が奪われた。


本当にやぱかったのは水素爆発しなかった2号機であり、
このままの事態が続けば、東日本全体が人が住めない地域になる恐れさえあった。
回避出来たのは、科学の英知でも、職員の努力でもなく、
何か知らんけど、勝手に2号機の格納容器がボロっと壊れて「ベント」したから。

その頃、政治家や、東電や、御用学者たちは
「安全性は確保されている」
とお題目のように唱え続けていた。

まあ「どーせ、数年後に実はやばかった」とドキュメンタリーが作られるやろと思ってたけど、
ここまで政府や、東電や、御用学者達から堂々と「風説の流布」が為されているとは思わなんだ。

ましてや特定秘密保護法が施工され始めた現在、
知らない間に、既にどこかで。。。

『獅子のごとく  小説 投資銀行日本人パートナー』  黒木亮著 片山さつきとの間に如何なる因縁が?

2015年02月11日 22時28分07秒 | 読書感想文
東立銀行のモデルは第一勧業銀行

エイブラハムブラザーズはゴールドマンサックス

帝都鉄道は西武鉄道

西脇一文は西川義文

性格最悪の勘違い大蔵女性官僚の桐生ゆかりが
また出た!片山さつき。
しっかし黒木亮とは過去に何か因縁があったのかな~

片山のおばはんは自らのTwitterで

『黒木亮氏は、無断で私を小説のモデルになさるので、微笑ましく見てます(ちゃんと読んではいない)が、ほぼ想像でしょうね、事実では小説にならないだろうし、その場にいた人でもないわけだしね。』

と述べている。
一見余裕をかましているようだけど、
この書き方、実は腸が煮えくり返ってるねたぶん、おばはんは。

因みに主人公の逢坂はGS日本法人代表取締役社長持田昌典、
実物は勿論、まだ生きている。





「日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント」 池田信夫著

2015年01月31日 21時21分09秒 | 読書感想文
トマ・ピケティ「21世紀の資本」

5940円と言う値段はともかく
728ページにも及ぶボリューム、
1説には真剣に読み込むと6ヶ月かかるという本はとてもとても無理だ。

一応本屋さんで手に取ってみたけど、
きっどさん、基本的に読書はお風呂場なので、
あの重量では確実に肘を壊す!

って事で「60分でわかる」本を840円で購入。

この本の通りだとするとピケティやらいうおっちゃんは
極々当たり前田のスープレックスな事を話すのに、
ダラダラダラダラ700ページ超もかけているのか?
ひょっとしてピケちゃん、文章書くの苦手??

まあ基本的に論文なので、
「r>g」を導き出し、証明するために
統計が不十分な19世紀のデータを税務資料等を基にして色々な方法で推定し、
ヨーロッパの主要国やアメリカのマクロ経済データを比較したからって事らしいけど
それでも700ページもいるんかな~。

こんな本がベストセラー、
特に経済界なんかで読まれてしまって一番困ってるので安倍ポチ総理。
アベノミクスを完全否定の内容やもんな。
それでなくてもアベクロバブルが崩壊してしまってる現状では、
ひょっとして無理やり児童ポルノ扱いにされて発禁処分にされてしまうかも??
そうなるとプレミア必至!読まなくても1冊キープしとく?!

「赤い三日月 小説ソブリン債務」 黒木亮著

2015年01月30日 22時12分14秒 | 読書感想文
イスラム圏が話題になってる中、トルコを舞台にした経済小説を。

合併前の東京銀行がモデル。
劇的なシーンは、湾岸戦争くらいで基本的には公的な債務をシンジケート団形成して引き受けるという、
実際の国際金融ってのはこんな地味な作業の連続なんだろうなぁ、と言う展開。

経済小説ファンとしては反対に新鮮かも知れない。
ただ最初にわざわざトルコの地図がついてる如く、トルコの風景や描写が多すぎる。旅行記やないんやから。
まぁそちらも楽しみたい方には更にオススメ?!

「財務省の階段」 幸田真音著 経済ホラー小説集

2014年12月20日 22時26分24秒 | 読書感想文
題名からすっかり完了物の長編小説だと思ったら、
1話50ページ程度の短編集、
しかも読み始めたらなんかおかしい、
なにやら怪しげな展開に、、、

これ幸田真音初のホラー小説なんですな。

とは言え舞台は政財官マスコミと言う幸田真音のいつものフィールド、
しかも各話が巧妙にリンクさせられている。

ホラーと言っても貞子や伽椰子は出てこない。
描かれている話は実際に金融の現場の都市伝説として伝えられているような話ばかり。
一応フィクションだけど取材したネタをヒントにしてるみたいだし。

ホラー小説の経済小説との最大の差異は
結末まできっちり描かず余韻を持たせて終わる事。
経済小説は結末までどころか、その後まで丁寧に語ったりする。
両者をミックスさせた結果は、ホラー側の
『結末まできっちり描かず余韻を持たせて終わる』
方に傾いてしまったようだ、それがちょっと残念。

『富士覚醒』 石黒耀著  記紀解釈私見のひけらかし本

2014年12月16日 15時51分19秒 | 読書感想文
同じ著者の『死都日本』が面白かったので続けて買ってみたら、
こちらは災害シミュレーションの形式を取ってはいるものの
75%くらいは徐福伝説と記紀に関する著者の私見を述べたもの。

古代史に対してある程度の知識と興味が無い人が読んだら、
間違いなく期待外れで、ほぼ途中でギブアップするね。

だいたいにおいて本書の中でも書かれている通り、
富士山の噴火は本来は非常におとなしいもので、
前回の宝永噴火がたまたま激しい噴火だったので、
政府は公共工事を付けたいが為に過度に国民を脅しているが、
むしろ宝永噴火が例外中の例外。
それでも江戸での被害はビビたる物で、
前著『死都日本』で語られたカルデラ破局噴火とは比較にさえならない。

だからクライマックスへ持って行き方もかなり強引。
災害シミュレーションと古代史私見の虻蜂取らずになってしまっている。

小説形式にするのは無理とちゃうかな~
この知識ひけらかし癖が抜けない内は。

「死都日本」 石黒耀著 ☆ カルデラ型破局噴火は近い将来起こるのか?

2014年12月12日 23時26分13秒 | 読書感想文
小松左京の「日本沈没」のパクリと言えばパクリなんだけど、
本書で描かれている「カルデラ型破局噴火」は決してフィクションの絵空事ではない、
いや過去に7000年~1万年の一度の割合で実際に日本列島を襲っており
近い将来、再び発生する可能性は十二分にある。
実際、神戸大学の研究チームは今後100年間に日本列島でカルデラ型破局噴火が発生する確率は1%と試算している。

東日本大震災前とは言え、本書の中で
「本当に恐ろしいのは巨大地震より破局噴火」と書いている、
巨大地震が実質的に規模に上限があるのに比べ、破局噴火は青天井、
そして与える影響は地球規模となる。

若し本書のように破局噴火が九州で発生すれば、
日本列島は実質的に破滅する。

カルデラ型破局噴火レベルに達していない
1991年ピナトゥボ山噴火でさえ、20世紀最大の火山噴火と呼ばれ、
数年間地球規模で冷夏となり、その影響で日本でも平成米騒動が起こった。

本書の中では「日本沈没」と違って、もう?!という早い段階で破局噴火が発生する。
もうちょっと前兆現象とかで引っ張っても罰あたらんと思うんだけど、
惜し気もなく、とっとと噴火する展開の速さ、
このスピーディーな展開にあっという間に読み切ってしまうんだけど、
途中で、著者の知識をひけらかすが如く、古代史の話が出てくるのは欲張り過ぎか?
きっどさんのように古代史ファンなら気にならないけど、
ふつーの人々にとっては、せっかくスピーディーな展開の腰を折ってるような。

そこさえ目を瞑れば、かなりの傑作!

「株価暴落」 池井戸潤著  WOWOW連続ドラマW原作!主演・織田裕二は半沢直樹の後釜を狙う?

2014年11月29日 11時48分10秒 | 読書感想文
ば事故・事件が起こって企業の株価が暴落したら、
犯人のカラ売りを疑うのは経済小説ファンなら本能的な行動。

融資等々、ある企業側に有利になる動きをする行員は、
その企業から何らかのリベートを得ているのは池井戸小説の常道。

って事で、例えばささやんがこの一冊を読んだとしたら、
スーパー一風堂(ダイエーがモデル)に爆破事件が起こった時点で、
た~ぶん最後までの展開が凡そ読めてしまう筈。

因みに主人公である白水銀行審査部・坂東調査役は殆ど半沢直樹。
TBSが権利を得ていたら、しら~っと「半沢直樹」シリーズのSPドラマに加えても違和感なかっただろう。

ま、WOWOWだし、織田裕二が絶対認めなかっただろうし。
いや、落日の織田裕二、堺雅人の降板が確実視されてる「半沢直樹」シリーズの後釜を、きっちり見据えているのかも??

『小説 会計監査』 細野康弘著  題材には興味そそられるけど、まるで教科書読んでるようで。。

2014年11月25日 01時00分40秒 | 読書感想文
元中央旧中央監査法人の幹部であった著者が、
会計監査における監査法人を擁護すべき「論文」

「文庫本あとがき」で
『ドキュメンタリーでしょう、と言われるが「小説」とあるようにフィクションです』
と記しているが、残念ながら小説でも、ドキュメンタリーでもなく、単なる「論文」である。

「劇場版SPEC~結(クローズ)~ 爻ノ篇」
等の感想記事で
「言いたいことを延々と台詞として演説させたら映画である必要がない」
と書いてるように、
主人公たちの勉強会で自説を述べたり、等々で終始するのであれば、
それは「小説」ではない。
だいたい読んでいて盛り上がるシーンが無いので、
全然「ドキドキわくわく」せんし。

ただ
「カネボウ粉飾決算」
「UFJ救済吸収合併」
「EB債を使った日興コーディアル証券の粉飾決算」
と題材は非常に興味深いものであり、
そこへ会計監査によるアプローチてのも面白い。

ただ如何せん、著者である元会計士細野康弘氏が小説家としての文才がないんやな~
なんとか、プロの小説家との共著って体制を取れなかったんかなあ、
ホント勿体無い。

巻末を見ると
『小説 郵便利権 小説 会計監査2」
ってのも出している。

どうしょうーかなー
確かに読んだら物凄く勉強にはなるんだけど、
苦痛やねんなー、教科書読んでるようで。

『破戒者たち <小説・新銀行崩壊>』 高杉良  竹中平蔵ー木村剛ー江上剛をただただ腐すだけの523ページ

2014年09月16日 01時18分51秒 | 読書感想文
三連休中に移動の電車の中で読み切った。
523ページだけど、ただただ高杉良が嫌いな
竹中平蔵ー木村剛ー江上剛
ラインをボロクソにこき下ろしているだけの薄っぺらな内容なので一瞬で読み終えてしまう。

一応、お約束で巻末には
「本作品はフィクションであり、実在の人物、団体などとはいっさい関係ありません」
と記されているけど、解説で佐高信が堂々実名を挙げている程の確信犯、
小説の中に出てくる「新日産興銀行」は日本振興銀行そのものであり、
架空の筈の時系列は日本振興銀行のそれとピッタリ一致する。

以前から高杉良が竹中平蔵ー木村剛ー江上剛ラインを批判し続けていた事の集大成とも言える作品。
きっどさんも小泉フィーバーが巻き起こっていた頃から
「竹中なんぞ単に説明が巧い」だけの今でいう池上彰レベルのおっさんだと腐していたし
「決済機能を持たない日本振興銀行は銀行ではない」と断定していて、
その点では本作はウンウンと頷ける筈なのに、なんか違和感を抱いてしまうのはなんでやろ?

まず高杉良と言う作家、
DKB-みずほ銀行の御用作家であり、
その他のなんらかのメリットがある企業には媚び諂い、大絶賛ヨイショ小説書くかと思うと、
自分のヨイショ企業の商売敵や、過去になんらかの経緯があったであろう人物は徹底的に叩く、
完全なる全否定!もう生まれながらの大悪人である。

「大逆転ー小説 三菱・第一銀行合併事件」

「大合併 小説第一勧業銀行」
を読み比べてみれば顕著である。

ま、その辺りが高杉良の器の小ささと言おうか。
なんかセルジオ越後が病的にザッケローニ批判&解任運動を繰り広げていたのを思い出す。
結果論としては正しかったかも知れないんだけど、その病的にも映る執拗さに
「裏になんかあるんやろうな~」と勘繰ってしまうもん。

『銀翼のイカロス』 池井戸潤著 半沢直樹シリーズ第四弾!

2014年08月02日 19時39分56秒 | 読書感想文
ドラマはTBS内のゴタゴタと、堺雅人が再来年の大河主演が決まってしまった事で、続編は当分望めそうにないが、
小説の方は「週刊ダイヤモンド」に連載されていた第四弾
『銀翼のイカロス』
が昨日8月1日に単行本化されて、きっどさんは早速ゲットンし読み始めている。

物語は日本航空再建の話で(小説の中では「帝国航空」)
そこへ銀行内部、メインバンクの日本政策投資銀行(同「開発投資銀行」)
政権を奪取した民主党(同「進政党」)、金融庁、
更には怪しげな「日本(帝国)航空再生タスクフォース」なんぞが絡んでくるんですな。

単なる企業再建は無しではなく、俗にいう「政治マター」って奴ですな。

怪しげな「帝国航空再生タスクフォース」のリーダーである乃原は、
稲盛和夫を指すのではなく(まだこの時点では再建を委託されてい無い筈)
だいたいビジネス小説で稲盛和夫大先生をこんな扱いしたら
「お元気様教」の信者たちが黙ってないもんな。

まだまだ読み始めたばかりなので、
批判(もうする気満々)と感想はまた改めて。

それはそれとしてJALの再建話を読むと、
山崎豊子「沈まぬ太陽」の主人公に対して腹立ってくんねんなー、
「あんた海外赴任に文句垂れてたけど、その間も勿論、高っかい給料貰ろとってんやろ?」と。

『不祥事』『銀行総務特命』 池井戸潤著 ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作

2014年06月23日 13時16分52秒 | 読書感想文
先日まで読売テレビ系で放送されていたドラマ
「花咲舞が黙ってない」
の原作であるが、実際に杏が演じた花咲舞が出てくるのは『不祥事』の方だけ、

『銀行総務特命』の主人公は指宿と言う男性調査役であり、
花咲舞に相当する女性・唐木怜が出てくるのは第3話からで、最初は敵役である。
しかも唐木怜も調査役で主人公とは同じ役職、しかも結構なエリートコース、
ドラマの花咲舞とは設定が相当違う。
でもついつい無茶しちゃって処とはイメージだぶるし、
ペイオフを利用した詐欺事件の話は、こちらの『銀行総務特命』の最終話だし
何故かそこには主人公だった筈の指宿調査役の姿が消えてしまってる。

『不祥事』はタイトルが仰々し割には
実際に花咲舞が登場するだけあって、ドラマのようにちょっとコミカルで軽いタッチ。
(実は「半沢直樹」の原作の『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』もあんなに重厚ではない)
比べて『銀行総務特命』は主人公たちが「単なる事務の指導係」から「副頭取直属の特命不祥事処理」なので
プライドも高いし、偉そうにしている、扱ってる事案も深刻なのでダークな表現が多い。

それをまあ、巧い事一本のドラマに組み立てたもんだ。
まあ、どちらの原作もそのままストーリーをドラマ化しているのではなく
「設定を引用」ってレベルなんだけどね。
だからドラマを観ていて「んん??」と思ってたのも原作を読むと得心する。

池井戸潤のワンパターン勧善懲悪ストーリーは相変わらず鼻につくが
どちらも連続ドラマ風の短編集で読み易い。
特にドラマ観た方は、軽い気持ちで斜め読みをオススメ!

「殺人犯はそこにいる」 清水潔著 ☆☆ 足利事件の冤罪はどのように作られたか?真犯人ルパンは?

2014年04月21日 19時46分28秒 | 読書感想文
先日、「袴田事件」の再審開始決定で警察の捏造により作られた冤罪が指摘されたけど、
5年前に暴き出された冤罪事件。

そのきっかけとなったのが著者である清水潔が日本テレビで行ったキャンペーン。
著者は「桶川ストーカー殺人事件」で警察より先に犯人に辿り着いた伝説の記者でもある。
(当時は「フォーカス」の記者だった)

この本を読むとどのようにして警察の「思い込み」によって犯人は作り上げらて、
一度仕立て上げらた犯人は、警察の面子と保身により例え無実であると判明しても
「犯人」として存在させられ続けるか、よく判る。

この冤罪製造作業の一端を担っているのが、
ただただ警察発表を垂れ流すだけの大手マスコミ連中。
捜査担当者への夜討ち朝駆けで、自分たちにだけ流されたリーク
「特ダネ」「スクープ」と鼻高々なんてチャンチャラ可笑しい。
警察による情報操作に利用されてだけなのに。

ただ著者の目的は足利事件の犯人とされた菅家利和氏の冤罪を解明する事ではない。
足利事件を含む5件の少女殺人・行方不明事件を同一犯による
「北関東連続幼女誘拐殺人事件」と推理し、
その為には菅家氏が犯人として刑務所に収監されていては辻褄が合わない、
よって「排除」する為の一環として菅家氏冤罪キャンペーンを張ったのだ。
(5件目の事件は菅家氏の身柄拘束されてから起こっており、同一犯による連続誘拐殺人事件説は成り立たない)

内容的には非常に重い物であるが、
変な言い方だけど、読み物としてエンターテイメント性があり、
ドキドキ・ワクワク(問題ある表現の仕方だけど正にそんな感じ)どんどん読み進める。
これぞ著者の筆力だと思う、独り善がりの純文学作家の皆さんには大いに見習って欲しいね。

菅家氏の無罪、更には無実まで証明されたけど
足利事件を含む「北関東連続幼女誘拐殺人事件」の真犯人はまだ捕まっていない。
いや、著者によって、この本の中で既に真犯人ほぼ特定されている。
そして「真犯人ルパン」の情報は提供されているのに、一向に警察は動こうとしない。

北関東で次の幼女殺人事件が起こるのは明日かも知れない。
そしてその犠牲者は、貴方のお嬢さんかも知れない。
真犯人ルパンは今日ものうのうとパチンコを打っている、
次の獲物を舌舐めづりし探しながら。


「下町ロケット」 池井戸潤著 ☆ 「半沢直樹」作者の直木賞受賞作文庫本化!

2014年01月18日 13時13分44秒 | 読書感想文
あの「半沢直樹」の作者、池井戸潤の直木賞受賞作品がやっとこ文庫本化!
きっどさん、読書は基本的に電車の中、そしてお風呂の中なので、
単行本は価格的な問題以上に「腱鞘炎なるわ!」なのである。

内容は下町の中小企業が宇宙ロケットの部品を作り、
結論は「やっぱり日本の原点はモノ作り、品質の良いモノを誠実に作る者が勝利する」
と言う「よくある話」なんだけど、
ストーリー、設定はさすが池井戸潤、ドラマチックで面白い!

いきなり特許侵害で一部上場企業から訴えられる話から、
反対にバルブの特許をきっかけに国策宇宙ロケットの部品納入へ、
という「ロマン」へ向かうんだけど、そう単純ではない。
社長=株主つまり「会社はオレの物」という典型的な中小企業なんだけど
「ロマンを追いたい」技術屋社長と、「経営を安定させたい」営業サイドとの対立があったり、
(営業畑としては、先は読めてても、ついつい営業部隊へ感情移入してしまう)
畑違いの顧問弁護士がしゃしゃり出てえらい目に遭いかけたり、
(士業としては耳が痛い)
そして、池井戸潤恒例の「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」大手銀行、
(反面ベンチャーキャピタルを持ち上げ過ぎ)
そんな中で一番格好良いのが、その銀行から出向して来ている経理担当の「トノ」
最初は「所詮銀行から来た腰かけ」と思われてたのが、最終的に美味しいとこ全部持っていっちゃてるし。

これでWOWOWのドラマWを録画してたのをやっと観られるなー。
えっ、トノは小市慢太郎?なんかちゃうなぁ。