2000年の沖縄サミットで日本人はロシアへの考え方を大きく変える。それはプーチン・ロシア大統領が沖縄で柔道の練習を中学生と行い、その中学生に自分を投げさせた映像が日本中を駆け巡ったことによる。このプーチン元ロシア大統領のパフォーマンスにロシアは最早ソ連ではないという印象を日本人に与えた。この効果が後のロシアに対する日本人の好感をもたらした、メドベージェフ・ロシア大統領が北方領土を訪れるまでは。元KGBのプーチン元ロシア大統領ならではの計算された演出だとしてもこの沖縄サミットの主役はプーチン氏だったことは否定しようがない。このプーチン人気は現在ロシアでも高いそうだ、あくまでもメドベージェフ現ロシア大統領に比してである。北方領土訪問はプーチン越えを国民や軍に示したい再選を狙うメドベージェフ大統領の焦りと見ることもできる。しかし日本と対立することは後々高くつくことにならないだろうか。現在の菅政権や同様の民主党左派政権では変化がないだろうが。
我々民間人が観光や出稼ぎに来ているロシア人に対して行うことは、「日本人はロシア民謡やロシア文学、ロシア人が大好きだ。しかしソ連は嫌いだ。日本の北方領土をポツダム宣言受託後に占領した」と言うことだ。多くのロシア人は自分たちがポツダム宣言受託後に北方領土を占領したことや日ソ不可侵条約を破ったことなど知らない。ヤルタ会談の「領土を目的としない」と言う基本精神を知らない。故に「日本人は、ロシアは好きだがソ連は大嫌いだ」と逃げ道を作ってあげることだ。
小さな民間外交である。
この方法は西ドイツが第二次世界大戦の責任をナチスとヒットラーに押し付け、イスラエルに責任を認めない政策が通用していることでも西洋人には効果があると考えられる。