第182回記事(2014年2月17日(月)発行)(毎週月曜発行予定)
金・土曜は雪で、特に2週間続けての大雪で、甲府では積雪が1mを越えたとのこと。
雪かきの苦労などをよく知っているだけに、影響を受けられた方は大変です。
お見舞い申し上げます。
さて、今回は「見える化」の2回目になります。
「見える化」はいろいろな本を読めば読むほど定義が難しく、活動範囲が広がっていってしまいます。
その中で、この本は製造現場の「見える化」について書かれた本で、本の中で多くの事例が写真で紹介されています。
そのため、とってもわかりやすくなっており、製造現場の方には実践的で参考になると考えます。
また、本の中で見える化の事例を調べたらというお薦めがあり、これに従い、個人的に調査もしてきましたので、ご参考にしてください。
●外観
●目次
はじめに
第1章 見える化って何?
第2章 見える化はなぜ必要なの?
第3章 見える化の条件
第4章 こうすれば見える化ができる
第5章 日常でできる見える化
第6章 製造現場でできる見える化
第7章 見える化実践のためのノウハウ
第8章 見える化は進行する
●お薦めのポイント
この本を最初に紹介させていただくのは、先ほども書いたように、製造現場の見える化の事例が豊富な写真で紹介されており、日常生活で見かける見える化の事例も豊富に紹介されています。
そのため、日常生活で見かける見える化の事例を、製造現場や日常生活の場で活用していけると考えます。
つまり、日常生活で見かける見える化の事例を数多く、頭の中に叩き込んでおくことがポイントです。
また、本の中では特に「安全」について、安全の見える化について、章の先頭に記載されており、職場の安全を確保するために見える化が重要な役割をはたしていることが認識されます。
●私の調査した日常の見える化事例
ということなので、私も日ごろから気になっている見える化の事例を調査してきました。テーマはエレベータのドアの開閉ボタンです。エレベータメーカには、国内メーカでは日立、三菱、東芝、フジテック(海外で主に販売されているようです)など、海外メーカにはオーチス(パナソニックとまだ提携されている?)、シンドラー(人身事故が発生し、新聞報道されていました)などがあります。(こんなにすぐ出てくるのは、かつて押しボタンSWでかかわりがあったのですが。)多くのメーカがあり、どのエレベータを見てもそのたびに違っていると感じていました。
全てのメーカを網羅できてはいませんが、エレベータのドアの開閉ボタンは本当にまちまちでした。正直いってあきれ返るくらいでした。どれくらいばらばらかを以下に記載しますが、それだけ決定的にわかりやすいドアの開閉ボタンは無いということでしょうね。
①大きさ:最近は、開くボタンが大きなものが出てきているようです。押しやすい。
②形:形は丸と四角の2タイプですが、丸形はほとんど無いようです。
③色:表示色は、白・黒・緑・オレンジ。ほんとにまちまちです。
④表示:文字で記載されているもの、図形できさいされているもの、文字と図形で記載されているもの。3タイプありました。
⑤文字:文字も「開」「閉」と「ひらく」「とじる」と2タイプあり。
⑥図形:図形も、ドアが合わさった状態を、「1本の線で表示」する場合と、「2本の線で表示」するタイプの2タイプがありました。人が描かれているものもあります。
以下、文字ではわかりにくいので写真を添付しておきます。
ボタンの大きさが違う①
ボタンの大きさが違う②
図形でドアの合わせ目が2本線 図形と文字の組み合わせ
開のボタンに人が描かれている
丸ボタンで、漢字で表記
比較してみると、どれにも長所と短所があり、決定的なものはありませんよね。
でも、生産の現場で使うときの参考には必ずなると思います。
※どのSWにも点字がついています。同じ点字でこれは統一されています。
●データ
①著者:越前行夫(現在、「工場管理」という雑誌でも連載を持たれています。)
②出版社:日刊工業新聞社
③定価:本体1800円+税
④ページ数:175p
⑤出版年:2008年
第178回記事(2014年1月20日(月)発行)
(次回1月27日(月)発行予定)
先週は、ものづくり・工場改善の「5S」の記事を書いて、とりあえずリストに記載した全ての本の紹介が終わりましたので、今週は、ものづくり・工場改善の「見える化」をスタートさせます。
「見える化」は「5S」と比較するとはるかに難しいですね。理由は、
①「5S」の各言葉(S)には定義がそれなりにあるが、この言葉の定義が無い
②「見える化」以外にも「視える化」「魅える化」などの色々な言葉が使われている
などでしょうか。また、
③範囲も製造現場だけでなく、経営・(間接部門を含めた)管理・その他の部門を含んでいる
たとえば、以前紹介しているバランス・スコア・カードは経営の見える化にあたります。
そのため、まとまりの無い話になりそうですが、以下が考えている本のリストと紹介理由になります。
番号 タイトル(著者:出版社)・・・選択理由
① 見える化(遠藤功:東洋経済新報社)・・・見える化ブームの発信源
② 仕事の見える化(長尾一洋:中経出版)・・・営業関係の見える化
③ よくわかる「見える化」の本(越前行夫:日刊工業新聞社)・・・製造現場の見える化
④ 見える化の基本と実践がよーくわかる本(石川秀人:秀和システム)・・・製造現場などの見える化
⑤ 見える経営(五十嵐瞭:日刊工業新聞)・・・製造現場以外も含む
⑥ 続・可視経営(石橋博史:ダイヤモンド社)・・・製造現場以外も含む
⑦ 経営の見える化(小山昇:中経出版)・・・このブログの別のカテゴリーで紹介済み
監督・管理・経営、また製造現場・販売・ノーハウの蓄積など、組織的には横方向と縦方向の範囲が広いため、最終回はどの本はこのあたりのことを書いているというマッピングした図を示したいと考えています。
最後に、「見える化」といっても、それは経営の一つの手段と割り切る・認識すべきと考えます、企業の収益の向上につながってこその「見える化」であると強く思っています。その思いで今後は記事を書いていきます。