三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

久保夫人の指摘

2006年06月28日 | 2006年
ドイツワールドカップ。
日本は予選リーグで敗退したものの、
テレビで夜中に放映される決勝トーナメントの豪華なカードは、
サッカーファンの目をさらに引きつけいているようですね。

ドイツ滞在中にたまった新聞の山に目を通しながら、
日本の敗戦後に私が最も注目したのは、ジーコ監督の「敗戦の弁」です。
そして彼の口から出てきたのは、「基礎体力が重要だ」というコメントでした。

そこで思い出したのが、ブラジル戦のあったドルトムントのスタジアムで
隣の席に座っていた久保夫人の話です。

久保夫人とは、サンフレッチェ広島の久保社長夫人、怜子さんのことです。
今回のJリーグ役員ツアーでは、お嬢さんも一緒に参加していました。
私たちの席は正面スタンドのコーナー寄り、かなり上段でした。

急勾配のスタンドからピッチを見下ろすと、
日本とブラジルの選手たちが試合前のウオーミングアップをしていました。
「あー、全然だめじゃないの日本は」

思い思いに柔軟体操で体をほぐすサムライたちをみて、怜子さんがつぶやきました。
ブラジル選手は全員が同じような動きをしています。

「え、どうしてですか。何がダメなんですか」と私。
「ブラジルを見てくださいよ。今、どんなふうに体を動かせばいいのかを
ちゃんと理解してアップをしていますよね。
それに引きかえ、日本選手は何も考えずに、だらだら体を動かしているだけ。
ブラジルはさすが世界一のチームね」

怜子さんはエアロビクスの先生で、
広島エアロビック連盟の理事長も務めるほどのキャリアです。

「そういえば久保さんは専門家でしたよね。
サッカーのトレーニングについては私は現状をよく知らないのですが、
日本のスポーツ界はもっと科学的なトレーニングが必要だと、
かねがね思っているんです」

ただ日本にも好例があります。
アテネオリンピックで大活躍した水泳の北島康介選手です。
国立スポーツ科学センターのバックアップのもと、
体づくりからレースにおける戦略まで、
徹底的に科学的手法を駆使して金メダル2つを取りました。

スポーツ技術を向上させるためには、その技術を発揮するための体づくりが必要です。
強いシュートを蹴るためには、それを生み出す筋力がなければなりません。
怜子さんは、競技会に出るとき
「30分の演技の前に2時間半のウオーミングアップをする」のだそうです。

日本とブラジルの試合結果は、ご存知のように日本の完敗でした。
ウオーミングアップの段階で、すでに専門家に見透かされていた
トレーニングへの意識の低さ。

Jリーグの各クラブには、この機会にもう一度、強くなるためのトレーニングについて
考えて欲しいものです。

株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
http://www.sports-21.com 

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