三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

夢を諦めるということ

2006年12月15日 | 2006年
プロ野球・西武ライオンズの松坂大輔投手が
ようやくレッドソックス入りを決めましたね。
総年俸はなんと6年で5,200万ドル(約60億8,000万円)。
新人選手としては破格の金額です。

プロ選手の契約金や年俸の高さは、
子どもの夢につながるという言い方をする人がいます。
私には、年俸の高さは親の夢につながっているような気がします。

子どもをプロスポーツ選手にしたいという夢を持つ親が結構いるのです。
先日、あるスポーツ指導者がこんなことをいっていました。
「スポーツ教室に子どもを連れてくる親は
皆、自分の子どもがイチローや中田になれると思ってるんですよ」

プロになるためには努力だけでなく、持って生まれた才能も必要です。
指導者の目から見て、とても一流になれないような子どもに対して
「プロにはなれない」という宣告をいつするかが、
頭の痛い問題なのだそうです。

四半世紀前の話ですが、スポーツ大国だったソ連のスポーツ学校で
校長先生に話を聞いたことがあります。
スポーツに力を入れていたソ連では、小学校に入る年齢で、
スポーツ選手を育成するスポーツ学校に入ることが出来ます。

小学校を卒業する年齢になると、
「選手コース」と「趣味コース」に振り分けられます。
「選手コース」は文字通り一流を目指し、
「趣味コース」は一流選手の道をあきらめて、
スポーツを趣味としてやることになります。

振り分けの際に、文句をいう親が多いと、校長先生がこぼしていました。
「ウチの子どもは才能があるはずだ」といって納得しないのだそうです。
“親バカ”は万国共通のようです。

「夢を追う」のはとても素晴らしいことですが、
スポーツや芸術は、努力だけでは一流にはなれません。
親は勿論、素質の無い子どもに対して、
いつ夢をあきらめさせるのかは指導者にとって大きな問題です。

子どもにとっては、1つの夢を諦めて新たな夢を見つけることは
トップアスリートが引退して自分に適したセカンドキャリアを見つけることと同様、
充実した人生を送るために自分で取り組まなければならない問題でもあります。

株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
  http://www.sports-21.com 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界レベルのサッカー | トップ | Jリーグ・アウォーズ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

2006年」カテゴリの最新記事