夕刊/金田ヒサ

THE RAMBLINGSのフロントマンが贈る漂流記

ストレートの向こう側

2008-10-10 | 戯言集
俺は直球しか投げられないベテランのリリーフ投手。

直球勝負と言えば聞こえは良いがね。

味方のキャッチャーに届かなくなれば「おしまい」さ。

技術や経験を駆使すれば良いと周りは言うのだが

俺は元来の負けず嫌いで頑固者であるからして

いつまでも自分の直球が通用すると思ってる節がある。

間をとり、計算し、ましてや変化球が投げられない。

俺の投げ方でチームは年々と負け数を増やしている。

観客からリスペクトされなくてもかまわない。

投げたい球を投げさせてくれるチームがあり

精一杯の直球をミットに投げ込めるだけで幸せだ。

そんな俺の球を長年受けてきた女房役から

投げ方を変えてみるべきだとアドバイスされた。

一年でも長く投げたい気持ちはあるし

納得の行く球だって未だに投げられないままだ。

しかし俺はあくまで直球にこだわりたいと思っている。

それが叶わぬと言うのなら潔くユニホームを脱ごう。

そしてあの頃のように1人河川敷の壁の的に向かい

自分のベストピッチングをイメージしながら

ひたすら腕を振り続けよう。


記録や記憶など、どうでもよい。

俺は直球のたどり着く場所が知りたいだけなのだ。
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