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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ゴールデンスランバー」とりあえず逃げろ!

2010-02-10 00:09:53 | 邦画
「ゴールデンスランバー」★★★★
堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之主演
中村義洋 監督、139分 、 2010年1月30日公開、2009年、東宝
(原題:ゴールデンスランバー)




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この映画にリアリティなんて求めてはいけない。


「宅配ドライバーの青柳(堺雅人)は、
そんなに簡単に人を信じるなという言葉を
久し振りに会った友人から言われ、
その後、首相暗殺の濡れ衣をかけられ
仙台を逃げ回ることになる、
とりあえず、逃げろ!」



小説が突飛な題材の割には良く出来ていたので
映画の出来上がりが心配だった、
でもリアルが無い分、
映画としての楽しみに浸れば
楽しい時間が過ごせる、

巨大な悪に操られても、なんとか自分を失わず
立ち向かうというより、
人間一人、逃げて逃げて逃げまくる。

変な思想やお行儀の良い説教っぽいものが
入ってきたら気になってしまうだろうが、
この映画はそんな部分を排除して
ひたすら逃げまくるのが逆に心地良い。



そして原作の持つ懐かしい頃を思う気持ちや
普段は忘れている「信頼」のような
曖昧なものの存在を意識する、

最後は自分自身というより
自分の生きて来た過程が試されるようだ。


この疾走感が心地いい、
脇のキャラも丁寧に描かれていて
そのあたりも、この造り物の世界を
納得させてくれる理由だろう。

とにかくこの平和ボケの日本で
首相がパレード中に暗殺されるなんて
ちょっと考えられない、
そんな現実感の無い物語を
力技で納得させてくれる。
これこそ映画の力だ、嬉しい気持ちにニンマリする。

ラストは原作とちょっと違って
映画的な驚きを用意している、
2時間を超える映画だけれど
終わりの時間が気になるようなこともなく、
軽妙なラストで良い気分で映画館を出た。

良く出来ました!

★100点満点で80点


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仙台が舞台の映画ってのも面白かった、もっと観光ツアー的なものもあれば
楽しいけれど、それは2時間ドラマに任せたらいいのか。


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「J.D.サリンジャーの死/ライ麦畑でつかまえて」

2010-02-08 07:38:12 | 読書の時間
>「J.D.サリンジャーの死/ライ麦畑でつかまえて」
誰もが守り守られる存在でありたい




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「ライ麦畑でつかまえて」というまさに
キャッチコピーのようなタイトルで
中学や高校の頃に読んだ人も多いだろう、
そんな有名な小説の著者が91歳で亡くなった」



先日の朝日新聞に1982年当時の
スーツ姿で笑っている写真があり、
サリンジャーの顔をちゃんと見たのは
初めてだった様な気がする。


それくらい外に出ない有名作家だった。


2003年には村上春樹が新訳を出したことで
久し振りに新訳で読み返した。
彼が熱望していただけに思い入れのある「あとがき」が
出来上がったようだがサリンジャーは
そのあとがきを作品に載せることを拒んだとも聞いた。

改めて読み返した時
何があんなに心に残っていたのかと思った、

ここに出てくる少年は
立ちはだかる学校や大人に対抗しようと
弱い自分をさらけ出しながらも
なんとか前に進もうともがく姿に
共感したのだろう。

なんといってもタイトルが秀逸だった、
堅い文字やカタカナの並ぶ翻訳本の棚の中でも
「ライ麦畑でつかまえて」というタイトルは
それ自体が何かを伝えてくれていた。

誰もが「これで正しいのか」と
思い悩む時、
崖っぷちで落ちないように
確かな存在が居て欲しいと思うもの、
その象徴だったような気がする。


「サリンジャーの新刊」という
同時代の体験こそ出来なかったが
書かないことで
映画にも彼を連想させる人物が
重要なキャラクターとして登場したことも。

大人になった主人公の「それから」を
読者誰もが望んだけれど、
それは叶わなかった、

読んだ人それぞれが自分で見つけていけばいい。

「バナナフィッシュにうってつけの日」
こんなタイトルの短編を目次で見つけた時
海の向こうの見たことも無いものを
ぼんやりと思ったあの日。



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今後、彼の日記だとか残されたものが目に触れることになるだろう、
彼が望んだままであって欲しいと願うだけ。

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「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」哀しい瞳の見つめる無残な過去

2010-02-06 17:09:25 | ミニシアター系映画
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」★★★★☆
ノオミ・ラパス、マイケル・ニクヴィスト、スヴェン・バーティル・トープ主演
ニールス・アルデン・オプレヴ 監督、152分 、 2010年1月16日公開、2009年、スウェーデン
(原題:MAN SOM HATAR KVINNOR)




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「敏腕ジャーナリストのミカエルは、
大物実業家のスキャンダル報道をしたため。
名誉棄損で有罪判決を受けてしまう。
そんな時、40年前の少女失踪事件の真相解明の依頼を受け、
依頼人の住む島へ向かう」



この本は大ヒットしていて気にはなるが
1冊1.700円で6冊刊行されているので
アマゾンでチェックして安くなるのを待っている。


まずはスウェーデン映画ってことに惹かれる、
どんな風景が見えるだろうだとか、
どんな言葉を話すのだろうかとか。

原作が評価の高い作品だからだろう、
締まったストーリー展開で
無駄な部分が無く次に何が起こるか目が離せない、
そしてそこへドラゴン・タトゥーの女リスベットが登場する。


無口なリスベットは天才ハッカー、
パソコンからの情報を自在に操り、
終始笑顔は見せず、クールな存在、
そんな彼女がジャーナリストのミカエルに
一通のメールを送ることから
二人は同じ事件の解明に協力することになる。

ほとんど無駄な描写をそぎ取り、
テーマは愛情であり、主人公の二人も
必要とし必要とされる存在でありたいと願うが、
そんな底に流れる感情という不確かなものと、
過去に行われた残忍な犯行、
その対比がなんとも鮮やかであり、哀しい。



もたついた部分もなく、
終始パソコンのデータのように整然としながらも
リスベットの哀しみを湛えたクールな瞳が
その簡単には収まりきらない
言いようのないそれでも人間が起こしてしまった事件の
核心に迫っていく、。
寒さが伝わる孤島と低い空、
何もかもがピッタリとはまった傑作を見た。


残酷なシーンもあるが
期待してなかった分、本当に嬉しい驚きだった。

★100点満点で90点



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著者はすでに亡くなっているらしく、新刊がこれ以上でないのは淋しいことだ。


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「おとうと」どこか懐かしい普通の人々の何気ない日常が良い

2010-02-05 07:16:01 | 邦画
「おとうと」★★★☆
吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優、加瀬亮主演
山田洋次 監督、126分 、 2010年1月30日 公開、2009年、松竹
(原題:おとうと)



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「吉永小百合さんの映画を映画館で見るのは
これで2作目、最近見ただけで
映画出演100本を超える大女優の一番輝いていた頃は知らない、
この映画でも観客の見たい吉永小百合を演じていると感じた、
どこか新しい一面をと誰もが薄々感じながら
でも彼女に求めるのは美しく健全で聡明な女性像なのだろう」



東京の下町の小さな薬局を切り盛りし、
夫を早くに亡くし、娘をひとりで育て上げ、
薬の研修に出かけ、習字を習い
ボケ始めたお姑の世話をする主人公。


そして主人公の娘の結婚式に
酔うとどうしようもなくなる弟がやってくる、
案の定、酒を飲み結婚式をぶち壊すが、
誰からも遠ざけられるそんなダメな弟を
どこかで冷たく突き放すことは出来ない主人公。



血のつながりや人のぬくもりを感じ、
考えさせられる映画だった、
そして誰もが迎える「死」という終末も。



主人公のセリフがお行儀が良すぎるのが気になったが
これはもうある種、現代のおとぎ話と考えたほうがいいなと
そんな風に思ったら物語がスッと身近に寄り添ってきた、
人は誰もが懸命に生きていて
その姿がなんか切ないのだ。


人の幸せってなんだろう、
自分が心底笑えて、幸せと感じられたらいいのに、
世の中は色々あって
静かに自分だけの幸せってのを追うわけにはいかないようだ。
人と比べても仕方ないことは分かっていながら
それでも比べてしまうどうしようもない生き物。


不器用にしか生きられなくても
きっと誰かは見守ってくれている、
だから自分も誰かを見守りたい、

せっかく多少なりとも関わりあった全ての人と
その一瞬でも全力で向き合いたいものだと
主人公の凛とした生き方を見ながら考えた。

TVサイズでも問題ない映画だけれど、
大画面で面と向かう体験には代えられない、
気になったら劇場で。


★100点満点で75点


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加瀬亮は出番は少なかったが、印象的な役だった。


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速報!第82回アカデミー賞ノミネート 「アバター」9部門

2010-02-04 00:09:15 | 大作映画ハリウッド系
発表!第82回アカデミー賞ノミネート




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授賞式は3月7日、オリンピックを避けて少し遅くなったようだ。
wowowsで生中継があるので、また録画して楽しみたい。
スピーチや演出も楽しい。


作品賞

「Avatar/アバター」
「しあわせの隠れ場所」
「第9地区」
「17歳の肖像」
「ハート・ロッカー
「イングロリアス・バスターズ」
「プレシャス」
「A Serious Man/シリアス・マン(原題)」
「Up/カールじいさんの空飛ぶ家」
「Up in the Air/マイレージ、マイライフ」

今回から10作品ノミネートとなった作品賞、
色々あるけどだいたい妥当な作品が獲得してる、
「アバター」はどうかな。




監督賞

・ジェームズ・キャメロン『Avatar/アバター』
・キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』
・クエンティン・タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』
・リー・ダニエルズ『プレシャス』
・ジェイソン・ライトマン『マイレージ、マイライフ』

世界興業収入1位記録の「アバター」は
作品や監督としての評価はどうだろうか。


主演男優賞

・モーガン・フリーマン『Invictus/インビクタス/負けざる者たち』
・ジェフ・ブリッジス『Crazy Heart/クレイジー・ハート(原題)』
・ジョージ・クルーニー『Up In The Air/マイレージ、マイライフ』
・コリン・ファース『A Single Man/シングル・マン(原題)』
・ジェレミー・レナー『The Hurt Locker/ハート・ロッカー』

「インビクタス」は近日見に行く予定。
楽しみだ。


主演女優賞

・サンドラ・ブロック『The Blind Side/しあわせの隠れ場所』
・ヘレン・ミレン『The Last Station/ザ・ラスト・ステーション(原題)』
・キャリー・マリガン『An Education/17歳の肖像』
・ガボレイ・シディビー『Precious/プレシャス』
・メリル・ストリープ『Julie & Julia/ジュリー&ジュリア』

サンドラ・ブロックは念願のノミネート
演技が評価されるような映画に出てなかったから、
今回が最初で最後だったりして。


助演男優賞

・クリストフ・ヴァルツ『Inglourious Basterds/イングロリアス・バスターズ』
・マット・デイモン『Invictus/インビクタス/負けざる者たち』
・ウディ・ハレルソン『The Messenger/ザ・メッセンジャー(原題)』
・クリストファー・プラマー『The Last Station/ザ・ラスト・ステーション(原題)』
・スタンリー・トゥッチ『The Lovely Bones/ラブリーボーン』


「イングロリアス・バスターズ」で強烈な印象の
クリストフ・ヴァルツが獲るのか、他は評価のしようがない。
結局まだ日本公開されてないのが多いからね。


助演女優賞

・ペネロペ・クルス『Nine/NINE/ナイン』
・ヴェラ・ファミーガ『Up In The Air/マイレージ、マイライフ』
・マギー・ギレンホール『Crazy Heart/クレイジー・ハート(原題)』
・アナ・ケンドリック『Up In The Air/マイレージ、マイライフ』
・モニーク『Precious/プレシャス』




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