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「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」穏やかな狂気が時代を創る

2008-03-28 18:25:24 | 邦画
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」★★★☆
ARATA、坂井真紀、玉一敦也、伴杏里 出演
若松孝二監督、2007年、190分



映画を見終えて思う、
この時代その中心であった人々は
今のこの日本の形をどう思っているのかと。

まさに彼らが今の日本の形を作って来たはずだ、
日本という国を変えようと
学生が権力に抵抗した時代を経て、
今、次の世代が中心となりつつあるこの
まさに今の日本の形をどう感じているのか。

若いとはせつない、
純粋はどこか狂気をはらんでいる、
その向かう先が、この映画で描かれた方向なら、
どこかで決着をつけるしか仕方が無かったのだろう。

実際には何があったのか分からないが
活動をしていく途中で
当初の夢が無残な形となって行くのを
今、観客として見ていれば
何か出来たかもしれないと思うけれど、
その渦中にあっては
もう歯止めは利かなかっただろう。

重苦しい時間が続くと
画面に現れる雪山の上の青空や
浅間の雪景色などがほっとさせてくれる。

人間にはどこかにほっと出来る
日だまりのような時間だったり
空間が必要だ、
でもこの主人公達は
その日だまりのようなわずかなほっとする一時さえ
持つことは出来ず、途中からは
その目的さえ見失ってしまったように見えた。

人間はやはり怖いなと思う、
自分の内面から立ち上がるものは
なんとか抑制が出来るかもしれないが、
そこに外的な要因が加わった時、
とんでもない方向にその全部のエネルギーが
向いてしまうこともあるだろうと
分かってしまうことが怖い。

久々に骨太な映画を見て、
暗い気持ちで映画館を出た、
どうしようもない気持ちを抱えて
日常に戻るのだ。

いつもと変わらない街の風景、
多くの人達が行き交う何げない一瞬を
幸せに思う、この行き先が
棒を持ったり、ヘルメットを被って
機動隊にぶつかる波じゃないことに
安堵を覚えつつ、
じゃあ自分たちはどこへ向かっているのだろう。

★ 100点満点で75点★


soramove
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思い入れは全くないので、その狂気だけが
心にゆっくりと沈んでいく

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