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読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

「新しい星」彩瀬 まる (著)

2021-12-28 11:05:19 | 読書の時間
「新しい星」彩瀬 まる (著)
文藝春秋 (2021/11/24) ‎ 229ページ

@あらすじ@(HPより)
私たちは一人じゃない。
これからもずっと、ずっと
愛するものの喪失と再生を描く、
感動の物語(HPより)

発行元のHPの作品紹介に
― 感動の物語 ―って書くのは
どうなんだろうね。

そんな意地悪なつぶやきは
置いておいて
この本も直木賞候補となったので
取り寄せて読み終えた。
短編連作形式のの主人公たち4人は
大学の合気道の部活でつながり
社会人になって、様々な問題に直面する。

どこにでもありそうだけど
こんな全員がこれだけ
特徴的な何かを経験するかな?
読みながら感じていた、
ホームドラマの凝縮版みたいだ。

でもひとつひとつは
リアルでとても親密な部分もあって
文章も巧みなので
スイスイ読んでしまった。

墓参りのシーンがあった、
私も先日、2年ぶりに故郷の
墓参りをした、
昔の墓なので
祖父たちが暮らしていた
古い大きな家の裏に代々の墓があって
墓の周りに落ちた枯れた杉の枝や
雑草を取り除き
花を供え、茶碗を洗い
水を入れてサカキの葉で
水を手向けた。

親がやっていた一連の事を
誰に教わるでもなく
何度も見ていたことを真似て
やっている自分を、
同じように傍らで
もう一人の自分が見ている。

なんか、その時の静かな場所が
読みながら頭に映像を結んでいた。
そんなふうに本を読むことは
自分の日常のどこかや
いつかを思い出させる。

「塞王の楯」に続いて、
この候補作を読んだが
良い作品だったが、受賞は難しいかな。

でも、新しい才能は感じた。


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