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「扉をたたく人」孤独というやっかいな隣人

2009-07-25 00:09:21 | ミニシアター系映画
「扉をたたく人」★★★☆
リチャード・ジェンキンス 、ヒアム・アッバス 、ハーズ・スレイマン主演
トーマス・マッカーシー 監督、2007年、107分

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「今は私は何も重要なことなんてしてないんだ、
仕事だって忙しいフリをしているだけだ、
会ったばかりの人に自分の心情を吐露するシーンは
痛々しくも心を揺さぶる、
どうして人は他人には良く見せたいだとか、
幸せそうなフリをしなくてはいられないんだろう」



コネチカットの大学教授の主人公は、
妻と死別して以来本を書く事にも、教える事にも
情熱を燃やせない日々を送っていた。
ある日、出張でニューヨークを訪れた彼は、
マンハッタンの自分のアパートで
若いカップルが暮らしていることに驚く。

不法移民の2人は、ジャンベという太鼓をたたく
ミュージシャンとアクセサリーを作るアーティストだった、
夜にアパートから放り出すには忍びなく、
それがなんとなく住むことを許可するまでになり、
何度ならってもうまくならなかったピアノに変わって
彼はシリアから来た男からジャンベの演奏方法を習い
街角でセッションに参加するまでになる。

その音楽に触れることで
灰色のような色の無い生活が
躍動し楽しそうな明るい色に変わっていく、

彼の表情が変わる、
融通が利かなそうに見えた彼も実は
そうしか生きられないだけだった。

ピアニストだった妻の面影は
主人公の今の生活にも影響を与え
何をしても張り合いの無い生活に
「孤独」を抱えていた主人公は、
わずかな触れあいの時間を過ごした異国の友人の為に
自分の全ての時間を費やすことになる、
そんなことありえるかなとも思う。

でもホントは誰だって出来るなら
そんなふうに生きたいハズ、
しかし自分の幸福の足枷に阻まれて
動けなくなってしまうのだ。


「9.11」以降のアメリカの移民政策への
批判がわずかに見え隠れするが、
それは日本も同じこと、自分達の国が
アジア近隣諸国の人たちにものすごく厳しいことは
あまり広くは知られていない。

だからこの映画を何かを批判するような映画とは
捉えたくない、
それより人は変われる、
そして人は自分が思ったより寛容でもあるのだと
そんなふうに思いたい。

でもたとえば長い旅行から帰ってきたら
知らない人が自分のアパートに居たら
主人公のように「まあ、今夜は泊まっていけよ」
なんて決して言わないだろうな。

あくまで物語りとして
そして心の問題として。


★100点満点で70点


soramove
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この作品のトーマス・マッカーシー という監督は、
「オール・ザ・キングスメン」「ミート・ザ・ペアレンツ」で俳優として出演、
今回は自分で脚本、監督をこなしている。


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