soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

「武士の一分」出来は良いが、胸に強烈に迫るものなし

2006-12-15 20:10:57 | 邦画
「武士の一分」★★★☆
木村拓哉、檀れい主演


世は平安の時代、
主人公は武芸を磨いても、お役目は「お毒見」
現在の状況と自分の目指したものの
ギャップにキムタクが違和感を覚えるのは、
そのまんま現代に通じている。

しかし違うところは
「武士の一分」
武士にはやらなければならない事があるのだ、
それがたとえ自分より身分の上の者であっても。

長いものには巻かれろ、
なるべく波風たてるな、
ことなかれ主義がまかり通る現代では、
自分の思いを貫くのはともすると
独りよがりな、我が儘な行為とも映るが、
自分の気持ちを何があっても貫ける強い意志には
清廉なものを感じる。

下級武士の簡素な住まい、
質素な食事、淡々と過ぎる毎日。

日々の営みがいかに大切なものか
しみじみ考えさせられる、
何かを達成した後には、すぐにまた満足できないでいる
自分を見つける、
今の生活を失うことなど微塵も考えず、
もっともっとと夢を見る。

ラストが良かった。

目まぐるしく変化する世の中にあって
家族という最小の単位で日々、健やかな営みが
続くことのなんとも幸せな風景が胸にしみる。

キムタクのようなビッグネームに
こんなしみじみした映画は、どうかなと危惧したが、
盲目になるということで、抑制の効いた展開に
もう主演が誰ということじゃなく
映画を楽しむことができた。

こんな地味な映画だったんだと改めて
静かな驚きだが、だからこそ主演は華やかな人が
欲しかったのかとも感じた。

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映画館で見てもらいたい映画、
ただしなにか物足りないのは、大袈裟な演出がないからか。
抑制された画面はそれでもすがすがしくかんじる。

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