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「ヒストリー・オブ・バイオレンス」罪は償うべきもの、消えはしない

2006-03-30 00:57:45 | ミニシアター系映画
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」★★★☆
ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ主演
デビッド・クローネンバーグ監督、2005年アメリカ

スリリングな展開、
見ているこちらも主人公の真の正体は
分っている。

分っていないのは彼の家族だ、
これは本当に怖いことだろう。
長年一緒に暮らして来た、夫であり父が
全く違う顔を持っているかもしれない・・・疑惑。

この映画の本来のテーマが何かは分からないが
過去を捨てた男は、新しくやり直すことはできるのか?
もっと言えば過去の罪から逃れて
別の場所で新しい人生をやり直すことは出来るのか?

その一点に焦点が当たったときこの映画は輝きを失くしてしまう。

役者はホント良い!
すごく良い、ヴィゴ・モーテンセンの一瞬で変わる別の顔、
奥さん役のマリア・ベロの芯のあるしなやかな感じ、
そして子供たち、みんな良い。

でもこの映画が描く世界が明らかになったとき
なんだかバカバカしいと思った。
人は罪を犯す、それは恣意的であれそうでなくても。
でも罪は償わなければいけない。

その前提を放り出して、たくさん人を殺したけど
別の生活を今はしている、そっとしておいてくれと言っても
それはダメだよ。

もしかしたらその過去の罪も「愛」はそれを
赦すのかと言いたいのかもしれないが、
罪は罪、愛は愛
そんな裁きは不要だ。

でもそんな訳の分らない堂々巡りのようなことを
見てる人の考えさせようとクローネンバーグが意図していたとしたら
それはもうそのとおり、でも何かあるはずと深読みして
映画を楽しんでいる。

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