スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編178~

2018-01-08 06:03:36 | 食~番外編(都内)

フランス料理 Chez lnno (シェ・イノ)

東京都中央区京橋2-4-16 明治京橋ビル1F

TEL 03-3274-2020

定休日 日曜日

明治ホールディングス㈱本社が入っている明治京橋ビルの

1Fに1984年に開店した日本のフレンチの歴史に名を残す名店

「シェ・イノ」さん。日本におけるフランス料理を牽引してきた

巨匠井上旭氏がオーナーシェフのお店だ。近代的なビルの中で

アールヌーヴォーの空気が漂うこの玄関は一瞬パリに居るのかと錯覚させる。

玄関を入るとそこはカウンターバーになっている。

入店直後の一枚なのでちょっと慌ててピンボケに成ってしまった。

ちょっと分かりにくいが左の白い服の人が後で分かったが

世界に名を馳せる巨匠井上旭氏だ。因みに当店は一定

レベルのドレスコードがあります。

店内の造り、雰囲気もアールヌーヴォーの香りがし、重厚で

落ち着いた大人の感じだ。下の写真は間仕切で個室1室に分けられている。

席数は58席とちょうど良い規模のお店だ。因みに姉妹店として

「ボンドル・イノ 日本橋」(中央区日本橋室町2-4-3 YUITOビル1F)と

「レストラン マノワール・ディ)表参道」(渋谷区渋谷4-1-13)がある。

当ブログはトイレなどあまりアップしてないが、「シェイノ」のトイレは

ちょっと渋いがセンスが良く細かいリブの入ったブルーのタイルが

とてもお洒落、又、床のモスグリーン系の小口のガラスタイルと

相俟ってとても良い空間のトイレであった。

コース料理は16,200円(消費税込)と21,600円の2コースがある。

美食家を魅了し続ける真のフランス料理がキラ星のように並んでいる。

その中でも当店の看板料理は「仔羊のパイ包み焼マリアカラス風」。

この料理は井上が約40年前パリ「マキシム」時代に完成した。

この料理を食べたいという一心で遠路はるばるやってくるお客も大勢いるとか。

そして、井上の言葉「うちは本店だから儲けはいらないんだよ。」

原価度外視の料理とサービスを心掛けているとか。

トイレからの帰り道、厨房の前を通ったので思わずパチリ。

良心の呵責もあって焦点が合わずピンボケ。

シェ・イノの料理長は2016年に現代の名工を受賞した

古賀純二氏(1964年生)が務めている。

テーブルの雰囲気を盛り上げるローソクと切り花。

ガラスの器が素晴らしいとこうにも写真がきれいに撮れてしまうのか。

一流のお店はこの様な所まで一流だ。

それでは井上旭氏のフレンチコースがスタートします。

ナイフ、スプーンは結構使い込んだぬくもりが感じられる上質もの。

そしてパンとバター。パンのことを聞いたら「木村屋のなにがし・・・」

という答え。瞬間エッ?と思ったが旨かったのでそれ以上考えなかった。

黒トリュフのピューレ入りラヴィオリ、マロンソース。実は今回は

一年お世話になったお礼でご招待を受け、事前に予備情報も

ないまま来てしまった。この店が日本のフレンチ業界の中で

いかに重要な店かは入店するちょっと前に聞いた。

頭、舌は白紙のままこの料理を一口食した時から

衝撃の連続であった。とにかくまずこのソースがものすごいソースであった。

まろやかで複雑で奥が深く、しかもコクがあって

全部が一体になっている。それと食器を見て下さい。

珊瑚をモチーフにしたお皿で度胆を抜かれた。

いきなりこんな球を投げて来るとはこの後が超楽しみ。

オマール海老のガトー仕立て コートドール風

又々下に写っているソースがすごい。海老のみそが入っている様だが

そのパンチ力が今まで食べたフレンチのソースとは全然違う。

お陰でメインのテリーヌの食材の味が印象薄くなってしまった。

フォオグラのソテー カブ添え

この逸品はすべてが素晴らしい。まずフォアグラの素材の素晴らしさ。

味覚にドドドーンと迫ってくる。そして又ソース。このソースは

フォアグラを引き立てる為にハモッっている。そして最後この皿。

皿の花の柄とソース落し方が一つの絵になっている。

華の都パリの美食家たちが集うグランメゾンを継承した正統派の

フランス料理の数々。実は食しはじめてしばらくした頃、白いシェフの

出で立ちをした初老の人が店内を挨拶廻りを始めた。他店では

あまり見ない光景なのでちょっと気に成ってはいたが、

フォアグラ料理が来た時から赤ワインを片手に我々のテーブルに

座り込んできた。この人がフレンチの王道でトップに君臨し続けている

巨匠井上旭氏だ。故に井上氏の話に目が耳が向きこの料理あたりから

細かいコメントができなくなった。兎に角、どの料理も旨く超一流だ。

和牛フィレ肉のソテーとブルゴーニュ風牛ホホ肉の赤ワイン煮込み

「極上の料理には心和むハーモニーと心掛けるリズムがある。

料理人は皿の上に大胆かつ繊細にエレガンスを描く。

グランメゾンにはひとが集い語り合うアンビエンスがある。」

上のお皿がまたすごい。シェ・イノさんの食器は主にフランスリモージュ地方の

レイノー社の磁器、エルキューイ社のカトラリーを使っているとの事。

デザートは全5種。すべて取り分けてもらった。この皿の絵もかわいらしく

気持ちをさわやかにさせてくれる。もうこの頃は井上シェフもワインが

相当入って、弁舌も絶好調。私も飲んで気分はハイ。シェフは

私のことを「オヤジ」と呼び、人生論にまで話がはずんでしまった。

この人が度々名を挙げてきたフレンチの巨匠井上旭氏。

氏は1945年(昭和20年)鳥取県生まれ。21歳で渡欧し、仏の三ツ星レストラン

「トロワグロ」や「マキシム」で修業。72年(昭和47年)帰国。

銀座「レカン」料理長を経て84年(昭和59年)東京京橋に「シェ・イノ」を開店。

2007年フランス農事功労賞を受賞。現在の名工「トックブランシュ」副会長。

2020年東京オリンピックでは世界からの賓客に対して

フランス料理を振る舞う責任者を務める予定だそうです。

井上シェフと我々3名とワインとビールの杯を重ねながら井上シェフの生い立ち

財界人、芸能人、スポーツマンなどのお客の話、特に日馬富士の

暴行事件の後だっただけに、角界の話(シェフはある関取の

後援会長をやっている)フランス料理などグルメの話、そして人の生き方など人生論。

なにか初めて会った人とは思えない様な会話になってしまった。

最後帰る時には握手をしようとしたら、握手はダメだ、ハグをしようと

男同士で幾度もハグをして、又来ることを約束して家路についた。

氏の初の著書「フレンチの王道。シェ・イノの流儀」にサインをしてくれた。

日本のフランス料理黎明期から50年第一線に立ち続け

一流の客を魅了してきた「超一流」の秘密とは?