思惟石

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古川日出男への正しいアプローチ

2017-06-07 12:28:37 | 日記
朝井まかて作品との出会いは、
結果として、良い手順を踏んだなという気がしています。

一方で、
アプローチの順番を完全にミスったなと
残念に思っている作家が古川日出男でした。

最初に読んだのがデビュー作の『13』だったんです。
読んだ当時、私も若かったのです。
なので、そもそもの設定の
主人公の少年が片目だけ色覚異常を持っていて
物語のなかで天才性を開花させていくとか、
傭兵のドッグタグを身に着けている二重人格の少女とか、
中二病(?)っぽい感じの要素が多いことに
なんだかなあって思ってしまったのです。

そんでもって「神を映像化した」とかなんとかの
色彩ぐるぐるな表現とか、
いわゆる「好みが分かれそうな文体」に
見事に置いてけぼりをくらってしまったのです。

なんとか読了した後に
もう、この人の作品を読むことはないな…。
と思ったのをよく覚えています。

まあ、私の思考なんて適当だしコロコロ変わるし
基本ポンコツなもので。

その後『文学賞メッタ斬り!』にドはまりしまして。
この二人が、まあ、ズタズタに斬るわけですが
珍しく口をそろえて褒める作品があり、
それが『ベルカ、吠えないのか?』だったわけです。

これは気になるな。
ということで私の前言など軽やかに撤回です。
いそいそと読みました。

おもしろかった!
すごくよかった!!
猫派の私ですが、犬カッコいい!!ってなった!

4頭の犬に始まる血の繋がりが壮大で面白く、
犬に語りかける文体がまたいい感じです。
人間なんてちっぽけだなあと思いつつ
ヤクザの娘はいい味だしていました。

勢いに乗って日本SF大賞受賞をしたという
『アラビアの夜の種族』も読みました。

すごい!
これは一気読み!
寝不足だちくしょう!

めちゃくちゃ濃厚で幸せな読書時間でしたよ。
やっぱり若かったからかな、
本当に古本屋で見つけて翻訳したの?
なんて思って真面目に検索してしまいましたけどね。

で、ですね。
単純な私はですね、
私、猫好きだから、次は『アビシニアン』だー
つって、てきとーに次の本を手に取ってしまったんですね。

『アビシニアン』、肌に合わなかった…。

なんだろ、この人が書く恋愛とか思春期的なものに
アレルギーでもあるんだろうか…。
二勝二敗って、ちょっと次に手を出すのに勇気いるなあ…。
ということでそれ以来、なんとなく次を読みそびれています。

なんかだらだか書いて気づきました。
アプローチの順番云々ではないな、これは。
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