思惟石

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『エレジーは流れない』 平凡で非凡な青春小説

2022-12-08 16:29:29 | 日記
『エレジーは流れない』
三浦しをん

小説の舞台は餅湯温泉。
って、名前からしてふざけていて良いですよね。
特産品は干物とゆるキャラ「もち湯ちゃん」。
静岡の熱海とかその近辺がモデルかな?
それなりに観光客が来ているような、寂れているような
絶妙な温泉街です。

そんな海と山に囲まれた餅湯温泉商店街で暮らす
真面目で平凡な男子高校生・怜くん(高校2年)のお話しです。

平凡と自称しているけれど、怜くんの周辺はちょっと変である。

まず、商店街で同居している「おふくろ」と、
高級住宅地に住むバリキャリの「お母さん」、
二人の母親がいる。
そして父親はいない。
非凡!

あと周囲の友人がキャラ立ってる!
(ついでにメタ認知までしている。小説のくせに)
周囲の大人は変人ばかり!
非凡!!

高校2年から3年にかけての、
呑気なような小さな事件があるような青春の悩みもあるような、
そんな日々。

10代らしく無駄にぐるぐる悩むところや、
友人に全幅の信頼を寄せた「がっかり」を抱くところなどは
とても良い感じ。
相変わらず三浦しをんはうまいよなあと思います。
進路や家庭や友情などのいろんな思春期的悩みを抱えつつ、
とにかくカラッとしているのはさすがです。

もち湯ちゃんストラップほしい。
いや、いらんけど。
コメント
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