思惟石

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『いくさの底』戦争ミステリの金字塔!

2021-07-12 16:14:04 | 日記
古処(こどころ)誠二『いくさの底』

Amazonの紹介文に「戦争ミステリの金字塔」と
書かれていまして。
120%賛成!

すごく面白くて、良い小説だった。

第二次世界大戦下、ビルマ平定戦佳境。
中国との国境近くにある山間の村が舞台。

日本軍に招集された「民間人」である
通訳・依田氏の視点で物語が語られます。
日本軍から、ちょっとだけ引いた視点で
物事をみているようで、
やっぱり価値観などは引っ張られてしまう
「通訳のマスター」の複雑な気持ち、よく分かる。

日本軍だけでなく中国軍(重慶軍)に挟まれる村人の立場も、
ただ翻弄されるだけではないけれど、
巻き込まれざるを得ない悲哀。

ミステリなお話しなんですが、
犯人はお前かっ!?というよりも、
ホワイダニットな感じなのかな。
ともあれ、読んでいてい引き込まれるし、
続きが気になって一気読みしてしまう作品。
この作家の他の作品も気になる。

第71回毎日出版文化賞〈文学・芸術部門〉
コメント
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