Sightsong

自縄自縛日記

喜多直毅+翠川敬基+角正之@アトリエ第Q藝術

2019-03-18 08:55:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

成城学園前のアトリエ第Q藝術(2019/3/17、昼)。

Naoki Kita 喜多直毅 (vln)
Keiki Midorikawa 翠川敬基 (cello)
Masayuki Sumi 角正之 (dance)

会場に入ると真ん中の床に椅子が積み上げられており、観客が座るところを選ぶという趣向。もちろん誰もが壁に椅子を置いて座ったのだが、全員で取り囲んで3人の動きを目で追うことになった。そして始めた直後に、角さんが、残りの椅子を中側にも並べた。椅子のある空間でパフォーマンスを行うということであり、それは、結果として、角正之というダンサーの動きと相まって、生きて日常の動きをすることとはなんなのかと意識させられることにもなった。もちろん他の意図があったのかもしれない。

静かに弦の音が合わさりながら始まる。喜多さんのヴァイオリンは小さな振幅運動によって群運動となり、また翠川さんはピチカートの何回目かを不規則に大きくずらして鳴らす。それらによって、既に時間の怖さが観る者ににじり寄ってきている。

角さんは床と一体化し、器械的な動きも身体だけでなく床の一部として行っているようにみえる。

どこの国のお祭りなのか、ふたりの弦が夢の世界を拡張してゆく。その弦のうねりは艶めかしくもあり、やはり怖くもある。角さんはそれとともに円弧の動きへと次第にシフトする。これは祭か、慰撫か、入眠か。やがて狂乱と生への執着も感じられてくる。こういったときに、弦の音には何か想像のものを引っぱり延ばす幻視をさせる効果があることがわかる。翠川さんのチェロは官能的である。また喜多さんのヴァイオリンが中国楽器のように聴こえたりもする。

音が止まり、会場の外のざわめきが聴こえる。目の前の角さんは生きているのか、霊なのか生物なのか。耳を両手で押さえて苦悩する。しかしもはやそれはどうでもいいことである。生きていようが死んでいようが、皆が皆によって存在させられる世界が現出している。ボレロのような曲が安寧と内省を呼び起こした。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、7Artisans 12mmF2.8

●喜多直毅
喜多直毅クアルテット「文豪」@公園通りクラシックス(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ファドも計画@in F(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)
黒田京子+喜多直毅@中野Sweet Rain(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
喜多直毅クアルテット@求道会館(2017年)
ハインツ・ガイザー+ゲリーノ・マッツォーラ+喜多直毅@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
喜多直毅クアルテット@幡ヶ谷アスピアホール(JazzTokyo)(2017年)
喜多直毅・西嶋徹デュオ@代々木・松本弦楽器(2017年)
喜多直毅+田中信正『Contigo en La Distancia』(2016年)
喜多直毅 Violin Monologue @代々木・松本弦楽器(2016年)
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)

●翠川敬基
ファドも計画@in F(2018年)
夢Duo『蝉時雨 Chorus of cicadas』(2017-18年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
1999年、井上敬三(1999年)
翠川敬基『犬の細道』(1992年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
富樫雅彦『かなたからの声』(1978年)
翠川敬基『完全版・緑色革命』(1976年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年) 

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