Sightsong

自縄自縛日記

富樫雅彦『かなたからの声』

2014-12-23 08:43:47 | アヴァンギャルド・ジャズ

富樫雅彦『かなたからの声』(DENON、1978年)を聴く。オンデマンド盤である。

富樫雅彦 (perc)
翠川敬基 (b, cello, perc)
加古隆 (p, perc)
藤川義明 (reed, perc)

聴くたびに、富樫雅彦という人が、鮮やかで目が覚めるような鋭さを持った稀代のパーカッショニストであったことが実感される。発せられる撥音には透過性があり、周囲の広い空間も同時に体感できるものだ。如何に音色とその響きに固執していたか、かつて、佐藤允彦氏が笑いながら話していたのを聞いた。その時、横にいた富樫氏はにやりともしていなかった。(その証拠が、姜泰煥・佐藤・富樫によるライブ録音『ASIAN SPIRITS』に収録されている。演奏とMCが終了しても、富樫がパーカッションの音を確かめ続けているのだ)

ここでも富樫雅彦独自の音響に感嘆する。重力に身を任せ、同時に完璧にコントロールしているようなスティックさばきであるように感じられる。

そして、確信犯的に、どうだと言わんばかりの自身の音を出す3人。宇宙だとか魔術だとか自然環境だとか言いたくなるのも無理はない。

●参照
小川紳介『1000年刻みの日時計-牧野村物語』(富樫雅彦のパーカッション・ソロ)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』
『富樫雅彦 スティーヴ・レイシー 高橋悠治』
翠川敬基『完全版・緑色革命』
富樫雅彦が亡くなった
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。