Sightsong

自縄自縛日記

SMTK@下北沢Apollo

2019-03-18 23:44:33 | アヴァンギャルド・ジャズ

下北沢のApollo(2019/3/17)。

SMTK:
Shun Ishiwaka 石若駿 (ds)
Marty Holoubek (b)
Tokutaro Hosoi 細井徳太郎 (g)
Kei Matsumaru 松丸契 (ss, as) 

昨年(2018年)の半ばに日本に来たばかりの松丸契というサックス奏者について、何人かが気になるとか面白いとか呟いていて、気になっていた。(日本に来た、というのは、パプアニューギニアに高校卒業まで住んでいて、その後渡米して音楽を勉強したというのだから、帰国とか戻ってきたとか言いにくい。)それに加えてこのメンバー。

曲は、松丸さん、マーティさん、細井さんのオリジナルの他に、ジャズスタンダードも、驚いたことに菊地雅章の「Little Abi」も演った。その「Little Abi」は、解体再構築という言い方自体が重たすぎるほど軽々と、聴いたことのない解釈。細井さんはツイッターに「オルタナ、即興、ロック、ジャズ、フォーク、それぞれのプロデュースでテレビやラジオのチャンネルを変えてるみたいな。」と書いており、この変更と越境に重さを感じさせないこと自体が既に恐るべき強度なのだった。かつて新宿DUGでプーさんとグレッグ・オズビーとのデュオを聴いたときにはこんな変態的なシンプルさがあるものかと驚かされたのだが、その対極にある世界の驚きである。

松丸さんのプレイは、ソプラノでもアルトでも、終始なにかの違和感と言っても良いほどの存在感を示していた。これはなんだろう、また聴いてみないと腑に落ちない。石若さんのドラムスは今さら言うこともない無数の世界の開陳なのだが、それでも、「Body & Soul」におけるブラシには見入ってしまった。この人間が話すようでいて複雑なドラミングはアリ・ホーニグを凌駕していると思わせるものだった。細井さんのホーン的な音にも、豹変しての躁状態の超新星爆発みたいなやり過ぎプレイにも、凄すぎて笑ってしまった。

また観にこないと。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8

●石若駿
魚返明未『はしごを抱きしめる』(2018年)
北川潔『Turning Point』(2017年)
アーロン・チューライ@新宿ピットイン(2016年)

●細井徳太郎
伊藤匠+細井徳太郎+栗田妙子@吉祥寺Lilt
(2018年)


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