Sightsong

自縄自縛日記

喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ

2016-01-09 08:58:29 | アヴァンギャルド・ジャズ

雑司が谷のタンゴ・バー「エル・チョクロ」に足を運び、喜多直毅と黒田京子のデュオを観る(2016/1/8)。平日午後のライヴという企画が続けられており、夜は出かけられない人やちょっと休暇を取った人が来ることができるようにいう趣向。

Fuji X-E2、60mmF2.4

Naoki Kita 喜多直毅 (vln)
Kyoko Kuroda 黒田京子 (p)

親密な空間での、親しみやすく想像が湧くような曲の演奏。曲は、「春」「黒いカマキリ」「ふるさと」といった喜多直毅のオリジナル、「おきな草のうた」という黒田京子のオリジナル、「見上げてごらん夜の星を」「北の蛍」「忘れな草をあなたに」という昭和歌謡、武満徹が同名の映画のために作った曲「他人の顔」、童謡「月の砂漠」、キース・ジャレットが弾いたトラディショナル「My Wild Irish Rose」、ドイツの歌謡曲「Lili Marleen」。

喜多さんのヴァイオリンがいつものように素晴らしい。森進一の咳き込みそうな絶唱を思い出させる「北の蛍」での激しさ。やはり激しくはあっても、閉ざされた運命というステージでの戯画的な有り様を想像させる「他人の顔」(どうしても、映画において前田美波里が歌い、仲代達矢と平幹二郎とが絶望的に浮かれて会話をする場面が頭に浮かぶ)。ヴィブラートが琴線を刺激してやまなかった「ふるさと」や「Lili Marleen」。「見上げてごらん夜の星を」においては、流れ星のような音もあった。

黒田さんのピアノもまた、感情を励起する。ソロでも聴いてみたいところだが、「他人の顔」や「Lili Marleen」のドイツ的なところで黒田京子らしさを感じてしまうのはなぜだろう。(そういえば昔、齋藤徹さんにより、「ゲルマン的」と紹介されていたような記憶が・・・。)

次に演奏してほしい曲というアンケートが配られたので、「美・サイレント」と書いた(笑)。いや本気である。

喜多さんによると、このあと齋藤徹さんらとヨーロッパに演奏旅行に出て、「喜多直毅クアルテット」によるライヴが3/31に、齋藤徹さんの記念碑的なソロリサイタルが7/8に予定されているとのこと。

●参照
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)
http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)


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