Sightsong

自縄自縛日記

ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』

2015-10-16 07:13:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(Songlines Recordings、2015年)を聴く。

Nate Wooley (tp)
Matt Bauder (ts)
Chris Dingman (vib)
Pascal Niggenkemper (b)
Harris Eisenstadt (ds)

はじめはつかみどころがなくて、そのうちに美味しいところだらけだと気づかされて、繰り返し聴いている。

何しろアイゼンスタットのシンバルである。富樫雅彦の繊細な部分だけを取り出してさらに繊細にしたような感覚で、心をとらえる。これに全体的に重なるクリス・ディングマンのヴァイブは、自動演奏のオルゴールのように夢か幻か。パスカル・ニゲンケンペルのベースは豊穣。

マット・バウダーのサックスをまともに聴くのははじめてだが、これも豊かで柔軟。そしてネイト・ウーリー。かれが入るとなぜ小劇場のスポットライトを思い浮かべるのだろう。音空間のなかに宙ぶらりんにされるような感覚なのであり、その一片を聴くだけで動悸動悸する。

●参照
ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(2014年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)(アイゼンスタット参加)
スティーヴ・リーマンのクインテットとオクテット(2007-14年)(ディングマン参加)
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』(2008年)(ディングマン参加)
アダム・レーン『Full Throttle Orchestra』(バウダー参加)