鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2012.9月取材旅行「桐生~水道山公園~大間々」 その17

2012-10-25 05:20:09 | Weblog
 この「ながめ公園」には、「ながめ余興場」という建物がありました。

 案内板によると、この「ながめ余興場」は昭和12年(1937年)に建設されたもので、群馬県に残る唯一の戦前の劇場建築であるとのこと。

 建物の構造様式は「木造二階建切妻造妻入」で、建物正面には大きな庇(ひさし)が設けられています。二階左右には切妻の千鳥破風(ちどりはふ)を配し、中央の玄関には寺社建築に見られる重厚な唐破風(からはふ)屋根をのせて入場口とするなど、劇場らしい意匠を随所にほどこしているという。

 舞台構造は、江戸時代の伝統をひく「人力による回り舞台」。この機構は江戸時代の中頃の日本で発明され、戦前まで使われていたものだが、戦後には電気仕掛けで舞台を回転させるようになったとのこと。

 桟敷席や花道・二階座席・回り舞台などを持つこの「ながめ余興場」は、演劇史上や建築史上、極めて貴重な建物になっていると指摘されていました。

 何か催し物をやっているらしく(「きりゅう映画祭」と染め抜かれた旗が風に翻っていました)、中央の玄関前もその周辺も人が大勢おり、また駐車場も車でいっぱいでした。

 ということで内部に入ることはせずに、駐車場(西駐車場)の横の坂道を上がり、「わたらせ渓谷鉄道車両検修庫」を右手に見て、「高津戸踏切」で「わたらせ渓谷鉄道」の線路を渡って、バイパスに出たところで右折。

 「わたらせ渓谷鉄道」の大間々駅前に出たのが13:53でした。

 この大間々駅前から大間々町の中心部(本町通り)へは「停車場通り」が延びており、その通りを進んで「本町通り」にぶつかったところを左折すれば、その右手に岡直三郎商店があることになります。

 醤油醸造蔵の見学ができるということを聞いていたので、その時間に合わせて、「本町通り」の岡直三郎商店へと向かいました。



 続く



○参考文献
・『大間々町誌通史編上巻』
・『渡辺崋山集 第2巻』
・『蔵の町大間々まち歩きマップ』


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