三内丸山遺跡では、北海道や長野県の黒曜石、秋田県の天然アスファルト、岩手県のコハク、新潟・富山県境のヒスイなどが出土しています。これらが出土するということは、かなり広範囲の交易ネットワークが縄文時代に存在していたことを示しています。そのネットワークは基本的には日本海を利用するものであり、丸木舟によって運搬され、その交易の連鎖によって、三内丸山にも運ばれてきたもの(持ちこまれたもの)と言うことができるでしょう。縄文時代においても、日本海が「もの」の運搬に利用されていたということであり、江戸時代の「北前船」の活躍には、それ以前の分厚い歴史の蓄積があったということになります。その「分厚い歴史の蓄積」の中には、中世における「十三湊」(とさみなと)の、「北の国際的ターミナル」としての繁栄もあったのです。 . . . 本文を読む