『縄文の思考』小林達雄(ちくま新書)のカバー表紙裏には、次のように記されています。「縄文土器を眺めると、口縁には大仰な突起があり、胴が細く、くびれたりする。なぜ、縄文人は容器としてはきわめて使い勝手の悪いデザインを造り続けたのか?本書では土器、土偶のほか、環状列石や三内丸山の六本柱等の「記念物」から縄文人の世界観をよみとり、そのゆたかな精神世界をあますところなく伝える。」 約1万年にわたって継続した縄文時代は、日本の基層文化である縄文文化を生みだした時代であり、その文化の分厚い蓄積は、私たちの思考や感じ方の深い根っこのところに結びついているように思われます。その縄文人の思考が、遺跡や遺物から探っていくと、どう浮かび上がってくるのかというのは、私にとって実に興味深いテーマの一つです。 . . . 本文を読む